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ピッツァに嘘はない! 改訂版 作者:櫛田こころ

第三章 交わる記憶

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090.中層にてLETS!-①

夜の部の投稿でーすノシノシ
「あのやり方じゃ、保温の結界はかけれても状態維持までは無理だわな。それこそ、時間操作が必要だろ」
「一品だけそうしたら、他もしろとかうるさくなるな……」
「と言うことで、よくても注文制にした方が無難です。あと、パンよりだいぶ薄いんで具材が落ちて服に汚れがつくことも考慮しなくては」

 ピッツァの欠点はそこだ。
 僕の作り方だと時間が経つとソースと具材が独立しちゃって、べちゃっと落ちちゃうんだよね……特にトマトソースが。

「注文制か……となると有利なんは下層だな。ああ言うのを爺共にいちいち確認取りながらやるには、うちじゃ人手が足りねぇ」
「中層の方がいらっしゃる人は少ないように思うんですが?」
「こいつみてぇな輩とかが際限なく食うんだぞ? だったら、ある程度用意しとけば差し替えしやすい」
「……否定出来ねぇな」

 イシャールさんが親指をくいっとすれば、サイノスさんはぽりぽりと指でほっぺをかいた。
 まだそんなに見てないけど、サイノスさんも結構な大食らいみたい。

「つーわけだ。カティアの勉学の邪魔したな」
「あ、いえ」
「いーいや、そんでもいっぺん見てみてぇよ! こいつもだがユティやエディまで魅了したピッツァを俺も食ってみてぇし、作ってみてぇ‼︎」
「……い、今からですか?」

 現在お八つ時目前、夕飯までは数時間程度。
 生地の時間操作なんて僕出来ないから、無理だ。

「カティア、無理ならちゃんと言えよ。こいつのワガママに付き合ってちゃ、そっちの夕餉に間に合わねぇぞ?」
「うぇ」

 そうだ。言う時ははっきり言わなくっちゃ。
 僕見た目はお子ちゃまでも、中身は大人。流されちゃいけない。

「無理じゃねぇだろ? 時間操作は俺がなんとかするしよぉ?」
「ふゅ?」

 ちょっぴピンチです。
 クラウ抱えられたままと言うことは、人質に取られているとも同じ!

「お前も食いたくねぇか、ピッツァ?」
「ふゅゆゆゆゆ!」
「クラウ……」

 食べ物につられちゃって!

「……止められないか?」
「クラウに関しては無理ですね」

 この中じゃ一番の食いしん坊ですから。
 ここは観念しますか。







 ◆◇◆








 材料調達については割愛。
 と言うのも、

「急にいなくなったと思えば……カティアちゃんのお部屋に押しかけた挙句、守護獣ごと連れてくるなんて何しやがってんですか!」
「しゃ、シャルロッタさん……僕は大丈夫ですから」
「カティアちゃんの優しさに感謝するんですね!」

 シャルロッタさんが激おこでイシャールさんを完膚なきまで叩きのめしたからです。
 サイノスさんはさすがにお仕事途中だったからと退場されてます。

「ふゅ……ふゅ?」

 クラウは床に倒れてるイシャールさんの赤髪をペチペチ叩いてる。けど、実際大した威力もないからイシャールさん無反応。
 体格差とか諸々考えてもシャルロッタさんの方が小柄だし、腕も細いのにすごい。

「ちんまいなぁ?」
「可愛い!」
「生まれて間もないのかな?」
「ふわふわ!」
「ふゅ?」

 クラウはどこに行っても人を魅了しちゃうみたい。超絶可愛いから否定しないけどね。

「それで、カティアちゃんはいいの? 何かしてたんじゃない?」
「お勉強はひと段落してたんで特には」

 変装の練習してたなんて言えない。
 イシャールさんにはバレてても、ここの人達には知られちゃ大変だもの。念の為に変幻(フォゼ)はサイノスさんが重ねがけしてくれてます。

「けど、ピッツァって量が多いんでしょう? カティアちゃん食べてたら夕餉が入らないだろうし……うちのまかないにさせちゃおうかしら。メニュー変更はまだ効くし」
「それでこそのシャル!」
「あんたが余計な事増やすからでしょーが!」
「ごふ⁉︎」

 復活されて、またアッパーで沈むイシャールさん。
 そして、何事もないようにコックさん達はクラウをあやしたり仕事されてる様はシュール。
 よくある事なんですね。承知しました。

「じゃあ、材料は揃ったんで分担して作業していきましょう」

 ソースとチーズの下ごしらえはコックさん達に。
 イシャールさんとシャルロッタさんと僕は生地作りに。
 クラウはあやされて満足したのか僕の頭の上に。

「材料を混ぜてまとめるのはパンと同じでいいと思います」
「けど、リンネオイルも入れんのか?」
「意外とべちゃっとなりませんね」

 ここは三人で仲良くこねこねです。
 まとめ方も伝授しますよー?

「うわー、しっとりしてきます……」
「まだだめか?」
「んー、もうちょっとですね」

 出来上がれば、ソースを仕込むまでは普通に発酵タイムにさせるよ。
 ここからは、マヨネーズはシャルロッタさんで僕はイシャールさんとトマトソース作りに。

「このソースが一番ダレやすいのが問題点です」
「たしかに、とろみもまとまりもねぇんじゃ汚れはつきもんだな」

 ただいま、潰したトマトを入れて調味料を加える段階。
 これは沸騰して煮詰めれば終わり。量はここで食べ切れれる量に調整はしてますよ?

「最後はヘルネのソースです!」
「用意はしたが、こんなにも使うのか?」
「これ彩りや風味づけなどで、お魚料理にも使えますよ?」
「わーった。作り方教えてくれ」
「はい!」

 なので、フードプロセッサーよろしく風の魔法とドーム型の光の魔法を組み合わせてジェノベーゼを作ります。
 当然のことながら、いくらイシャールさん達でもドン引きされました。

「これ食えんのか?」
「熱を加えれば、ヘルネのいい香りがしますよー? 麺料理にも出来ますし」
「……想像がつかねぇ」

 美味しいのに、ジェノベーゼのパスタ。
 他の具材の仕込み等々も並行していっても生地の発酵時間には追いつかないので、イシャールさんが時間操作を施してくださることに。

「久々に使うがどうだか………狭間の時、幾許かの時、閉ざせ広がれ我が手の内にーーーー【時間不動(リザ・クレイム)】」
「ふぉおお」

 ファルミアさんの時は無詠唱だったけど、詠唱があるのは初めてだ。
 なんとも見えなかった生地がぷくっと膨らんでいき、適度なところで止まった。これを三つとも全部繰り返していきます。

「じゃあ、膨らませていただいたところすみませんが。思いっきり潰します!」

 問答無用、と僕は自分のボウルの中で生地を潰してまとめ、ある程度のつやつやが出たら仕分けをしていく。

「これで生地の下ごしらえは終わりです」
「結構、大胆ですね。でも、それなら私達もしなくては」
「だな」

 お二人が生地をまとめてる間に、僕はトッピングの準備をしておく。

「あ」
「どーかしたかい?」

 準備途中でピールがないことを思い出したら、近くにいたコックさんが声をかけてくれた。

「え、えーと……スコップみたいなおっきいヘラってないですかね?」
「……ごめん。どう使うのそれ」

 やっぱり、普通はないか。
 イシャールさん達にも確認取らなくっちゃ。

「でっけぇヘラ?」
「んー……パンに使うのじゃだめかしら?」
「あれじゃ、多分横幅が足りないと思います」

 薄い生地だから引き出すのが難しいと思う。
 それも念の為にさっきコックさんが見せてくれたけど、普通のピールに比べれば小さいし木製だからだめです。

「上層ではどうしてんだ?」
「フィーさんが魔法で創ってくださいました」
「フィルザス神様なら納得がいくわ」
「僕がなにー?」
「だから……って、フィー⁉︎」

 僕もいつものことながら驚いちゃうよ。
 神出鬼没過ぎだなぁ、この人! いや、まさに神様なんだけど。

「お久ー、イシャール」
「な、なんでお前が中層に来るんだ?」
「サイノスとすれ違って、カティアの事聞いたから」
「……そうかよ」

 これは言い訳出来ないぞ?
また明日〜ノシノシ
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