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プロフィール帳から始まる異世界生活  作者: 時田総司(いぶさん)


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第3話 15歳のプロフィールシート


◆◆◆◆◆◆


『たいようのかみさま』


 神様は、太陽の中に居ました。神様は、星々に明かりをともしました。神様のお陰で、地上の生き物たちはふるえずに済みました。

 しかし、太陽から星までが遠く、神様は誰ともお話しできませんでした。


「みんなと仲良くなりたい。そうだ! みんなを文字にして、覚えておけばきっと……」


 こうして、神様は人と1枚の紙とを結びつけました。みんなと仲良くなるために……


◆◆◆◆◆◆


「わぁっ! かみさまってあったかいんだね、おかあさん」


 小さい頃の私――、

 お母さんの膝に座って、本を読んでもらっている。


「そうよ、アンナ。神様が照っているお陰で、私たちは生きて行けるの」

「おかあさん。6さいになったら、わたしもぷろふしーとかいて、みんなとなかよしになれるかな?」

「ええ、アンナ。きっとなれるわよ。神様とも、仲良くなれるかもね」

「わぁ……! わたし、みんなと! かみさまともなかよしになる」



 ――、


 15歳になった私は、栗毛族(くりげぞく)の特徴が毛髪に顕著に現れ始めた。まだ黒がかっていた6歳の頃とは打って変わって、陽の光を浴びると、それは金色が混じり輝く、そんな栗色となった。

 誕生日の8月を迎えた私は、亡くなった友達――リサとメイ。その2人の消えたプロフシートの行方を捜す! この村のみんなと同じ、藍色の瞳がキッと空を見上げていた。


 新しく、私のプロフシートを書かないと……職業の欄が、15歳のシートに追加された。職業は、これで決まり! できた!


☆名前/ニックネーム:アンナ


☆誕生日:8/11 血液型:A


☆職業:探索師見習い


☆性格:冷静です


☆ステータス


力:1

魔力:2

速さ:1

体力:1

知識:4

幸運:3


☆好きなもの


食べ物:パン

飲み物:アイスティー

動物:ことり

色:青

本:たいようのかみさま

音楽:おかあさんのこもりうた


☆趣味:読書


☆好きな人は……?


『いない』に〇


☆好きなタイプは……?


しりません


☆『わたしのおし』


活発で明るかったリサと、優しくて私と同じくパンが好きだったメイ


☆1,000,000リルあったら何をする?


5,000リル分の本を買って、残りは実家に仕送り


☆願い事:親しい人と、何時までも一緒に……


☆フリースペース:よろしくお願いします


 これをベルのお父さんに見せて、登録してもらおう!



 ――、


「ふーん……『知識:4』ねぇ……」


「!」


 ベルのお家。何やら、ベルのお父さんは、目を細めている。何故……?


「まあ、いいや。じゃあ【査定】『ステータス・チェック』 ……」


 その言葉を合図に、私のプロフシートが、浮かび上がった!


ひ……光り出して……?


 私が腰を引かせた状態で両手を握っていると、シートから放たれていた光はだんだんしぼんでいった。


「おうおう……アンナちゃん。このステータス欄、よーく見るんだ」

「え……?」


 言われた通りステータス欄に目を向けた。



「私の書いた文字が……!?」



『知識』と『幸運』箇所が、歪んで黒く濁った。文字はぐねぐね形を変えて、その歪みが戻った頃には、真新しくなっていた。


☆ステータス


力:1

魔力:2

速さ:1

体力:1

知識:3

幸運:2


「い……1ずつ、下がってる……」


 私は開いた口が塞がらなかった。


「自己評価が必ずしも現実と一致してるとは限らない。アンナちゃん、俺は一応、鑑定士兼登録官やってんだ。これで登録しておくよ」


 ベルのお父さんは、ニッと口を吊り上げた。


「とほほ……」


 私って、さほど知識なかったのか……。



 ――、


 ベルのお家を後にする。これから、2人のプロフシートの行方を……村の管理人でも見つけられないなら、王都の書庫を調べるしかない。でも、王都までの道のり、私1人では――




「おーほっほっほっほ! 何かお困りのようですわね?」




 甲高い声と共に、朱毛族(しゅもうぞく)の少女が現れた。膝よりも長い朱い髪を、これ見よがしになびかせながら――


「あっ。ベル……!」

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