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プロフィール帳から始まる異世界生活  作者: 時田総司(いぶさん)


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1/3

第1話 これからよろしくね!

☆なまえ/ニックネーム:アンナ


☆たんじょうび:8/11 けつえきがた:A


☆せいかく:のんびりやだよ


☆すきなもの


たべもの:パン

のみもの:アイスティー

どうぶつ:ことり

いろ:みずいろ

ほん:たいようのかみさま

おんがく:おかあさんのこもりうた


☆しゅみ:おひるね


☆すきなひとは……?


『いない』に〇


☆すきなタイプは……?


しりません


☆『わたしのおし』


わたしのおしは チーズパン

おしの サクサクのパンにとろーりとしたチーズ がすき

おしとであったきっかけは 5さいのたんじょうび、おとうさんがまちへでてかってきてくれたの!


☆もしおかねもちになったら


リサとメイとベルをおうちにしょうたいして、たくさんパンをたべる!


☆ねがいごと:わたしのかぞくとずーっといっしょに!


☆フリースペース:これからよろしくね!


「これで良いのかね?」

「はい!」


 私の名前はアンナ! ミルフィ村で6歳の誕生日を迎えました!


「じゃあ、これで登録しておくよ」


「ありがとうございます!!」


 この国? 世界? では、6歳になるとプロフシートを書いて、偉い人のもとで登録することになっているの! それから、15歳と20歳、お仕事が変わる時にも、書くことになっていて……


「これ、プロフブックね。なくさないように」


「あ……はい!」


 プロフブックもらっちゃった! これは、友達からもらったプロフシートを挟むと……あら不思議! ブックがシートと合体して、1冊のプロフィール帳になるの! 何枚挟んでも、ブックが形を変えて合体してくれるから、たくさんともだち、つくれるね!



 ――、


「さよならー」


偉い人が住んでいるおうちの戸を開くと、そこにはリサとメイとベルが待っていてくれたの! これで仲良し4人組、勢ぞろい!!


「アンナ、終わったのね?」

「リサ! ちゃーんと書いたよ! 偉い人の【複製】『スクリプト・コピー』で自分用のがいっぱいあるの!」


 私がニコニコと目を細めていたら、メイがゆううつそうに下を見てたの。


「良いなぁ……わたしの6歳の誕生日、来年だからまだまだ先かぁ……」

「メイ……私だってまだ次の月よ……そんなこと言ってたらみんな同じ時間経ってから書けるようになるんだから……」

「そ……そうだね……リサちゃん」


「アハハ! ワタクシは4月まえには既に書き終えましたけどね!」



『ベルさん!?』



「この国では、4月に春を祝う祭典がありますの! それとほぼ同時に実家でプロフィール帳をつくることができるワタクシは、他の農民とは箔が違いますの!」


「はは……ベル……」


 言い忘れてたけど、ベルは偉い人の家に住んでるの。今回は、みんなと一緒に待つ為に外に出ていてくれたってワケ。


「そうだ! メイ! ベルに頼んで、プロフシートだけ持ってきてもらおうよ!」

「えぇ……? リサ、ズルはいけないよ……」

「硬いコト言うなよぉ、アンナ。良いでしょ、ベル?」

「確かにプロフィール帳に自分の余りとアンナのだけじゃあ、箔が付きませんわね……分かりましたわ!」


 えぇ!? ベルまでぇ!


 こうして、こっそりとベルはお父さんに黙ってプロフシートをとってきてしまったのです。


「書けましたわね、2人共?」


「ええ」

「うん」


「それじゃあ、ワタクシとアンナのプロフブックに……」


 リサとメイが書いたプロフシートをプロフブックに挟んだ。ブックが甲高く心地よい音を奏でたと思うと、シートとブックが合体して、1つのプロフィール帳が完成したよ!



『やったー!』



(……)


 ほんとは、イケナイことなんだけど、みんなが喜んでいるから……いっか、な……?



 ――、


 その夜、おうちでプロフィール帳を広げて読んでいたんだけど……


「リサぁ……好きな人いるのか。タイプは、『かみがみじかいひと』……?」


 お昼の暑さがウソのように、夏の夜は静けさで満ちていた。窓から感じる乾いた風は、草木をサァーっと揺らす。


「あっ! メイ、パンが好きなの! 一緒だぁ……!」


 その時、背筋を嫌な冷たさが支配した。


「……メイのプロフシートが……消えちゃった」


 何枚も何枚も、私はページを捲ったの。でも、メイのプロフシートは見つからなくて……。


「あっ。リサのプロフシートも……」


 夏の夜は、静けさで満ちていた――。

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