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「あ、アニッサには会いたい!」
今日の出来事をアニッサに伝えなきゃ。彼女はなんて答えてくれるだろうか。でもその前にエイデンに言いたいことがある。帰宅後まで待てない。今伝えたい。こんな熱情私にあったのも驚きだ。それもこれも、全部あなたが教えてくれた知らない私。
エイデン、と名を呼ぶと先ほどまで怒り騒いでいた瞳を落ち着かせ、いつも通り暖かい眼差しが迎えてくれる。その眼差しが大好きなのだ。優しく、甘く見つめてくれるその瞳が。
いつもの傍若無人さからは考えきれないほど優しい瞳に私は恋をした。
「エイデン、大好き。」
「…は、」
「…言うのが遅くなってごめんね?」
きっとこの瞳に見つめられ、気づかぬうちに口説き落とされていたのだ。目は口ほどに物を言うとはよく言ったもので。どんなに悪態をつかれても、どんなに足手まといだと言われても、雨垂れが石を穿つように、長らく注がれた隠そうともしない瞳からの情愛に、私さえも気づかぬ内に貫かれていた。
そして、彼の為人を知ってしまえば…ーー
「私、歴代最高魔導士で、塔の組合長で…、多分このグラン国で一番必要とされているかもしれないエイデンが好き。」
「…。」
「…才能に驕らず努力を重ねて、歴代最高魔導士っていう称号を自分からつかみ取って…、自分よりも弱い魔導士の生存率を上げるためにって、塔の組合長っていう役職を背負い込んで…、不器用にも地道に魔導士を、グラン国を守ろうとする、そんなエイデンが大好き。」
きっと深く関わらなければ知らなかった彼の一途で努力家な所。
普段文句を言っても絶対必要な時は彼は現場に駆け付ける。どんなに疲労してても、どんなに忙しくても、絶対に仲間を見捨てない。合理主義な癖に感情的。
「…エイデンがその負担を周りに感じさせずに力強く立ってるから、私だって強くありたいと思うんだ。…私ってばまだまだ未熟だから、これからも今回みたいに私とエイデンは不釣り合いだって言われることがあると思うの。…でもね、周りからなんて言われようと絶対エイデンには後悔させない。だから、――…あなたの立派な魔導士人生、私にも一緒に歩ませて?」
「…っ、」
もちろん、エイデンが魔導士として動けなくなったとしても側にいるけどね。
私が言いたいことを言い終えるとエイデンは再びしゃがみ込んで両膝に顔を隠した。そして聞こえてくる鼻をすする音に私はびっくりしてエイデンの顔を覗き込む。すると「…もう…、本当、さっきから何なワケお前…。…勘弁して…。」と涙声が聞こえたため、ぎょっとして血の気が引いた。そんな私たちに、クリフが本当に面白いというように笑い出すものだからどうしたらいいのか分からなくなる。あたふたしていると私の救世主アニッサが「あんたたち、なにしてんの?」と現れたため、私がこれ幸いと一生懸命説明すると、余計にクリフが笑い出して、アニッサも面白いものを見たと言うように口角を上げた。するとエイデンが「お前らマジでいい加減にしろよっ!!」と攻撃魔法を放つものだから流石に塔のアラームが鳴って大きな騒動となってしまった。
気持ちとは相反して秋風が頬をかすめる。今まで貰って来たのだ。これからはエイデンに負けないように気持ちは素直に伝えていこう。でも、その前に――
「ちょっとっ!エイデンいい加減やめてっ!!」
後輩に泣き付かれ懇願される先しか見えないため、損害が広がらないうちに彼の暴走を止めておかなくては。
未来の息子が生まれましたが、君のおかげで幸せです。【完】
これで番外編も終わりです〜!
結局ソフィアも学生の頃からずっとエイデンの事が好きだったって話ですね。周りも気づかないぐらい本人に自覚が無かった模様。
婚約した後アニッサに問いただされて「だって、エイデンの事嫌いじゃ無いし、素直に嬉しい...。それにエイデンとだったらずっと一緒に居たい。だから私頑張る。」って答えたソフィアがいます。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!!
そしてブックマーク、評価、いいね、感想をくださった方々に感謝感激です!本当にありがとうございます!
また何かしら投稿した際にお疲れ出来れば幸いです\(^^)/
↑肝心なところで誤字ww
帰宅後見返して爆笑です。やはり仕事の休憩中に更新するもんじゃない爆
またお会いできれば幸いです!では!




