プロローグ
エブリスタで特集されたり、アルファポリスで3位になったり、そんな作品を練り直して作り直してみました。お願いします。
【プロローグ】
『ーー13年前
「老人化殺人事件」というものが起きた。
「速報です。男性が路地で倒れ、病院に搬送されましたが、死亡したとのことです。病院側は会見を開き、死因究明に関する説明と謝罪を行いました。」
ーールクスタウンで見つかった男性の死。当時の医師は語る。
「長年やってる私もね、こんな症例は見たことがなかったんですよ。まだ二十代だったって聞いたときはびっくりしましたよ。どう見ても定年超えてるんですからね。」
ーー警察は殺人事件として捜査した。当時の刑事は、こう言った。
「殺人.....、で捜査してたんです。でもね、外傷もなければ、薬毒物反応は一切なし。今思えば、そういう事件が多かったかなぁ。」
ーー今思えば、あのときからおかしかったのかもしれない。皆、口を揃えてそう言った。
ーー私たちは気づけなかった。もっと早く気づくことができていれば........、だが私たちは間に合わなかった。
ーーそれから3年後、アンブラがルクスタウンに襲来した。
ーーとある考古学者が、この騒動に一つの結論を出した。
「アンブラ、影を喰らう怪物。影を喰われれば、生気を失い、肌にシワが増え、骨が浮き出す。鏡から現れたその怪物は、街の人々を襲い始めた。あれから、私たちはルクスガーディアンを設立した。」
ーーアーサー・ロイドが目指すものとは......
「ヒーローだ。アンブラどもに立ち向かうヒーローが必要なんだ。軍隊の仕事.....、まあそうかもしれないな。だが、現状を見てみろ。押されているではないか。私は決めたのだ。これを見ている諸君!我々、ルクスガーディアンはヒーローを求めている!勇気のあるものは、本部前に来たれ!」
』
リモコンのスイッチを誰かが押した。テレビの画面が暗転した。
「朝の特番にしては主張が強いな」
男はカーテンを開け、天からの栄養を全身に浴びた。
「ヒーローねぇ.......。」
男が窓の外を眺めていると、玄関の扉が開く音が聞こえた。
「なあ、ヴィクター!聞いたか!?ルクスがヒーロー募集だってさ!!お前、こういうの大好きだっただろ?」
ヴィクターより少し若く見えるその男は、まだ新しい新聞を掲げている。
「いつの話だよ。子供の頃に見た映画の話だろ?まったくお前は.....、」
ヴィクターは呆れたように息をついた。
「いつもヒーロー役やりたがってただろ?」
男は募集の記事を指差している。
「昔のヒーローごっこの話だろ。.....、アルト、お前は本当に変わらないんだな。」
ヴィクターは新聞を取り上げ、記事を読み始めた。
「なるほどな......」
【ルクスガーディアンズは新たなガーディアンを募集します】
アンブラが影を奪っていくこの世の中で、私たちは立ち向かわなければなりません。亡くなってしまったご家族や、ご友人のためにもあなたも立ち上がりませんか?
『 新ガーディアン 志願者資格』
1.相手の意図を汲み取ることに長け、聞き上手であること。
2.鮮明なイメージを持ち、それを言葉や図で伝えられること。
3.SF作品を愛し、空想の世界のルールに詳しいこと。
※学歴、職歴などは一切不問とします。
[場所]:ルクスガーディアン本部門前
[日時]:5月3日 9:00
ヴィクターは新聞を畳んで机に投げた。
「どう?興味ある?」
アルトはお茶を淹れている。
「明日じゃねぇか.....、にしてもこの応募資格.....、どういうことだ??」
「街のみんなも言ってたな〜、ふざけてるって。まあ、明日には大行列だよ。軍隊なんかよりよっぽど注目の的だもんね。あそこ。」
アルトが窓の外を指差しながら言った。
「まあ、凄いもんな。ルクス......、それにしてももう集まってんのか。流石に早すぎないか?」
ヴィクターが目を細めながら言った。
「う〜ん、早く行ったら確率上がるとか?」
アルトはお茶を飲みながら言った。
「そんなことないだろ。電気屋じゃないんだから。」
「それもそうだね。で......、どうする?行く?多分もうこんなチャンス巡ってこないだろうね〜。」
アルトは新聞を軽く叩いた。
「.......、行くか。明日。」
「それがいいよ!ちゃんと起こすからね!!」
日が落ち始めた頃、ヴィクターはベッドの上に座って壁一面に貼られたポスターを眺めていた。
「なあ......、俺がなれると思うか?ヒーローに......、教えてくれよ.....、プリズム.....。」
(ター、.....、ヴィクターよ、征け。)
ヴィクターは部屋中を見回した。
「な、なんだ.....、幻聴か......?」
(往け。ヴィクター。私はいつでも待っている。)
ヴィクターは耳を叩いた。
「痛っ......、何なんだ?.....、もう0時超えてんじゃねぇか、道理で幻聴が......。」
ヴィクターは眠りについた。
ーールクスガーディアン本部。
「結構集まっていますね。徹夜でもする気でしょうか。博士.....、ロイド博士?」
「いや......、一瞬何だ?スペキュラオスの気配を.....。」
博士はコーヒーを一口啜った。
「光の神.....、なぜ人間界に?精神世界から出られないはずでは?」
「分からぬ.....、何かが動き出した.....、ということか?」
博士は鏡の方に椅子を向けた。
「光の使者......、もう既に選別されたということでしょうか?」
「......、その可能性は大いにあり得る。明日、全て分かることだがな。」




