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妖怪大戦記  作者: 湯けむり作家
第2章「封印石争奪戦」
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第43話「妖怪の包囲」

社の周囲。


赤い目がいくつも闇の中に浮かんでいた。


蓮は天照を構える。


「……多いな」


隼人が周囲を見渡す。


「少なくとも十体以上いる」


黒川が札を手にする。


「全員が天照を狙っているとは限らない」


その瞬間、森から一体の妖怪が飛び出した。


蓮が斬り払う。


ザンッ!


妖怪が地面へ転がる。


「まだ来るぞ!」


別の妖怪が横から襲いかかる。


隼人が受け止めた。


ガキィン!


「蓮、右!」


「分かった!」


蓮が振り向く。


天照を横薙ぎに振る。


ザンッ!


さらに一体を倒す。


だが、妖怪たちは次々と社へ迫ってくる。


黒川が札を投げた。


「封!」


札が地面に張り付き、妖怪の足元を封じる。


「今のうちに下がれ!」


湊が封印石を抱えて社の奥へ移動する。


しかし――


一体の妖怪が、戦いを避けるように横をすり抜けた。


「!」


蓮が気づく。


「そいつを止めろ!」


隼人が追う。


だが妖怪は社の中へ飛び込んだ。


「封印石か!」


湊が振り返る。


妖怪が封印石へ手を伸ばす。


「もらうぞ!」


湊は咄嗟に石を抱えて逃げる。


「渡すもんか!」


妖怪が追いかける。


その前に蓮が立ちはだかった。


「させない!」


妖怪が爪を振る。


蓮はかわして斬り込む。


ザンッ!


妖怪が倒れる。


その直後――


外から大きな咆哮が響いた。


「グオオオオッ!」


社の壁が揺れる。


隼人が外を見る。


「まだいる」


森の奥から、一回り大きな妖怪が現れた。


周囲の妖怪たちが一斉に道を開ける。


「……こいつが指揮してるのか」


黒川が構える。


大妖怪は蓮を見た。


「天照を持つ者……」


蓮が刀を握る。


「お前たちの目的は何だ?」


大妖怪は笑う。


「我らの目的は、天照ではない」


蓮の表情が変わる。


「じゃあ何だ?」


大妖怪は湊の持つ封印石を見る。


「三つの封印石だ」


「……!」


黒川が気づく。


「天照を囮にして、石を奪うつもりだったのか」


「その通り」


大妖怪が手を伸ばす。


「三つの石を集めれば、王への道がさらに開く」


蓮が前へ出る。


「絶対に渡さない」


大妖怪が地面を蹴った。


蓮も同時に踏み込む。


ガキィン!


激しい衝撃が社全体に響く。


「ぐっ……!」


蓮の足が後ろへ滑る。


隼人が加勢する。


「一人じゃ無理だ!」


二人で大妖怪へ攻撃を仕掛ける。


しかし大妖怪は二人の攻撃を受け止めた。


「弱い」


妖気が膨れ上がる。


二人が吹き飛ばされる。


「蓮!」


湊が叫ぶ。


その時、三つの封印石が同時に光り始めた。


大妖怪が驚く。


「何だ……?」


石の光が社全体を包む。


そして――


森の奥に、巨大な門のような光が浮かび上がった。


黒川が息を呑む。


「封印石が……反応している」


蓮は立ち上がる。


「また門が……」


大妖怪が光を見つめる。


「これが……王への道」


妖怪たちが一斉に門へ向かい始めた。


蓮が天照を構える。


「行かせるか!」


ここから先は、妖怪たちとの戦いだけでは終わらない。


玄冥へ繋がる道が、再び開こうとしていた。


第43話 完

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