クラスメイト?
でも次の瞬間、走ってかなたくんが図書館に入ってきました。
そして、小さな箱と、封筒を渡してくれました。
そしてかなたくんは
「今日、誕生日じゃん。
時間かけてプレゼント作ってたんだ」
さなかはうれしくてたまりませんでした。
そうです。
かなたくんが全然図書館に来ることができなかったのは、
さなかへのプレゼントを作ってたからなのです。
「ごめんな。全然図書館に来れなくて。」
かなたくんはさなかがさみしがっていたことを、知っていたように言いました。
「ううん。プレゼント、作ってくれてありがとう。」
そしてこの日。
さなかは初めて人を好きになるということを知りました。
もちろん、その相手はかなたくんです。
かなたくんが好きと気づいたあの日から、
さなかは、かなたくんといるのが恥ずかしくなり、
図書館に行かなくなりました。
かなたくんを心配させるのはわかっていても、
図書館には行きませんでしたが、その数か月後。
さなかは中学二年生になり、クラス替えがありました。
一番の番号から見ると、20番のところには、
『佐藤 かなた』
と書いてありました。
もしかして図書館で仲良くしていたかなたくんかもしれない。
と思いましたが、すぐに「まあ違うか。」
と思ってしまいました。