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離れている間に

やったぁぁぁぁぁ!2週間以内にかけたよぉぉぉぉぉ!やった!じいちゃん俺やったよ!

「誕生日おめでとう!」


エナがいつもより一層大きな声で俺を祝う、食卓に並んだものは鳥の肉を使った野菜炒めといった簡単なものしか置かれていないのだが、いつもより食卓が輝いて見えた


「プレゼントは2つあるよ!」


「2つも貰うとなんか悪い気がするな……」


「いいのいいの!まず一つ目はロボットさん専用のお部屋だよ!」


部屋。

それは知っているがこの家には空き部屋などもう存在しなかったはずだ。

…………ではどうやって?と、一瞬首をかしげたが俺には心当たりがあった、それは……


「まさか、俺が殴った壁の先に……?」



「正解!ちょっと狭いけど作っちゃった!」


作っちゃった、で簡単に作れる物なのだろうか?相変わらずエナはどんな技術を使っているのかが不明だ、ある日はエナの部屋のドアが吹っ飛ぶし、またある日は机の上が燃えている事もあった、何が起きているのかを教えてくれないため俺も詳しいことは何一つ知らないのだ


「あ、あぁ、うん、ありがとう」


「そして二つ目は名前!」


「名前か……たしかにずっと《ロボット》は嫌だしな」


「それじゃあ今から君の名前は《アネハ》だよ!かっこいいでしょ?」


「ロボットよりかは良いな」


そう言い、黙って野菜炒めを口………らしき喉にある穴に運ぶ、少し味わってから飲み込み、我ながら味付けも最高だと思った


「は、反応薄いなぁ」


「え?すごい喜んでるよ」


すぐに赤色だったメインカメラの色を黄色に変えて点滅させる、エナは「目がチカチカする!眩しい!」と目を覆っている、可愛いからこのまま続けようかと迷ったが、そのうちかわいそうになってきたので赤色に戻す


「そういえば明日から仕事か、俺も役に立てるかな」


「うっ………えっと……うん、立てるよきっと……」



力なくそう返事をしてから慌ててエナも野菜炒めを口に運ぶ、慌てているためか口の周りにタレがついたので、俺が手でふき取ると顔が赤くなり、また慌てて食べる、相変わらず訳が分からないが、それもまたこれから理解できていくと信じるしかないだろう


「ロボットちゃんとエナちゃーん!」


家の外から、隣の家に住んでいるおばさんの声が響く、部屋数も少ないしボロいのだが、そこそこ広いこの家の奥まで声が届くということはかなり大きな声を出したのだろう。

おばさんには俺が目覚めた時から色々とよくして貰っているのだが、少し立ち話が長いから苦手な人物でもある


「俺が出るよ」


「そう?それじゃあお願いするね」


短かくそう会話をしてから急いで玄関へ向かう、走っているため関節の金属と金属が擦れて「ガキンガキン」という高い音が少しうるさかったが気にせず玄関の前に立って扉を開ける、そこには紙袋を持ったニコニコとしたおばさんが立っていた


「こんばんは、エナに用事ですか?」


「いやいや、今日はロボットちゃんの誕生日だと思い出して、急いでクッキーを焼いてきたの、エナちゃんと二人で食べてちょうだい!」


「いつも良くしてくれてありがとうございます、それじゃあ俺は失礼しますね」


このまま話が続くと長くなり面倒なので素早くクッキーを受け取り、扉を閉めようとするが、すでに扉を握っていたおばさんの手によってそれは遮られる、本人は自覚が無いらしいのだがこの人は馬鹿力なので、俺の力でもビクともしないのだ


(なん……だと………!?)


「そうそう、エナちゃんからは何か貰ったの?」


「えっと……部屋と名前を貰いました」


「名前!一生モノだから大事にするのよ?……で、どんな名前なの?」


このおばさんの事だから直ぐに広めるんだろうなぁ……と内心ため息を吐きながら少し小さな声で言う


「アネハ……です」


「綺麗な名前じゃないの〜!絶対大事にするのよ!」


「は、はい」


〜〜〜


その後、案の定長い立ち話に付き合わされた俺はスキを見てドアを閉めてカギをかけたが、もう30分以上も経っていたらしく、俺が戻ってくるまで食べるのを待っていたらしいエナは机に突っ伏して見事に寝ていた、すぅすぅと静かな寝息がリビングに広がり、もう起きない事を確認してから食器類を片付ける


「んっ………」


「ごめん、起こしたか?」


「さ、寒い……」


途端、机に突っ伏した状態で震え出す、いつもなら起きるとすぐに、ロボットの俺よりもロボットらしい動きで行動を開始するのだが、今日は何かがおかしい。

俺がどうしようか迷っていた所にエナが机をトントンと叩く


「どうした?」


「おなか……おなか痛い……」


「俺の料理に何か入っていたかな……?」


……いや、考えるのは後だ。

以前にもこんな事が一度あった、本人曰く「熱」と言うものらしいのだが今回はどうなのかがまるで分からない、額に手を当てて熱があるかを判断するのだが……


「エナ、少し顔をあげてくれ」


「んぅ……」


エナが上を向くとほぼ同時に額に手を当てる、だが温もりは伝わってこない、当然だ、今の俺にはそんな機能は無いし、そもそも感覚すら存在しないのだ


「顔が赤いな……氷水を用意するから待っててくれ」


俺がエナの額から手を離そうとしたその時だった、エナは俺の手を掴んで「これがいい」と静かに呟いた、思えば俺は金属なのだから冷たいのだろう


「ちょっと遠いけど病院行く?」


「いいの……?お願いするね……」


〜〜〜


エナに厚着をさせ、毛布を体にかける、俺が服を着せようとしたのだが頭以外の全機能の電源を切られたので横たわることしか出来なかった。

……決して裸を見ようとした訳ではない


「よし、それじゃあ行くぞ」


背中にエナが乗り、俺がおぶる状態になっていることを確認する、どうやら大丈夫なようだ。

玄関のドアを開けて片手で鍵を閉める、その後は、「病院」や「薬屋」

がある隣町まで全力疾走をするのだ


「車があれば楽だろうなぁ」


「揺れるぅぅぅ……」


「ごめんちょっと我慢して」




その会話からしばらく経ったが、まだ喋りながら走る、整備された街道はとても走りやすく、転ぶ事もなく無事に隣町まで到着した、入口の看板は光で装飾されており、闇の中にきらめく星がその光をさらに強調させた


「病院は……あれか」


入り口を抜けてすぐに「hospital」と書かれた看板を見つける、少しボロい建物だが、病院が無い以上ここに頼るしか無いようだ


「失礼します」


「うおぉっ!?なんで機械が動いてるんだ!?」


……しまった、俺のいた街では住民が俺の事を知っていたから良かったが、隣町まで噂は伝わっていないだろう。

と、考え込んでいるうちにエナが「けほっ」と咳をする、そうだ、俺はエナを診てもらわなければならないのだった


「俺が動いてるのは後にして、先にこの人の診察をお願いします」


「お、おう……随分礼儀のいいロボットだな」


俺はエナを、玄関から少し奥にあったソファへ座らせる、相変わらずぐったりとしており、辛そうに息を切らしていた、顔も赤いままで、家を出る際にエナにかけた毛布をギュッと抱え込んでいる


「なるほどぉ……熱をはかるためにちょっと脱がすから 別室に連れて行っていいかな?」


「(よっしゃ)俺も行きます、心配なので」


「さっき小声でよっしゃって言ったよね?裸覗くつもりだよね?」


「言い掛かりはやめて下さい怒りますよ」


そんな会話をしている間に、女性の看護婦さん2人がエナの両肩を持って他の部屋に連れて行く、俺はエナが腰かけていたソファに座り、静かに診察を待つ事にした


「五分もすれば終わると思うよ、絶対覗くなよ


院長さんもそういい俺の隣へ座る、……その時だった


『緊急警報発令!地域の皆様は落ち着いて避難所に向かって下さい!』


「!?」


「院長、この警報は?」


「隣町、もしくはこの街が何かに襲われた時に発令される警報だよ、でも入り口付近にあるここが無事って事は……」


ああ……そうゆうことか、この村は襲われていないから隣町が襲われているのだ。

この近くに隣町と言えば俺のいた町しか存在しないはずだ、つまり俺のいた町は……俺たちが暮らしていた家も……


「…………」


俺は自分の腕をジッと見る、「銃」や「剣」などが収納された兵器を見る


「院長、エナを避難所に連れて行っておいて下さい、俺は戦ってきます」


「お、おい……!何に襲われてるかも分からないんだぞ!?」


「知りません、行ってきます」


足の力を入れて全力で走る、……あの町には、何かと戦えるほど戦力を持った人は居なかったはずだ、もしかしたらもう滅んでしまっているかも知れない。

俺は走っている間に武器が使えるかを確認するために銃を準備すると、一瞬にして「腕の形」が変わってしまう、銃を収容しているというより、腕が銃になってしまうようだ


「………!」


町の入り口に到着するや否や驚愕する、崩れた家、穴が空いた地面、燃えた木々に建物……

メチャクチャだった。


「これは……一体……」


いつなんでも屋さん始まるんですか!って思っている方…すみません、次話ちゃんとしまフゥぅぅぅぅぅ↑(謎テンション)

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