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071:信仰する神の違い

「レオよ。頑張っておるか」


「ユグドラシル様。ええ、今は村として運営していくために開拓しながら倉庫や家などを建築しようとしているところですよ。」


「そうかそうか。まあ今日は様子を見にきただけじゃから特に用事があるわけじゃないのだがの。唯一、神として信仰してくれているお主はよく面倒見ないとと思っているくらいじゃ。」


不思議なことを言う。

この世界の神はユグドラシル様だけじゃないのだろうか。

って思ったが、どの部族もユグドラシル様ではなく架空の神を信仰しているおり、ユグドラシル様はどちらかというと悪側の神とされているのをエリスに教えてもらったんだった。


「死の森のせいかもしれませんが、本当はユグドラシル様を信仰するのが正しいのに困ったものですね。」


「まあ分断してしまった責任は、わしにもあるからの。仕方ないことじゃろう。」


忘れかけてしまうこともあるが、魔素の循環が悪くなったことの影響を死の森が多く引き受けていることから、立ち入ることができなくなるような場所になり、それをユグドラシル様や精霊が全て引き受ける形になったため、人や魔族との関りが遮断されてしまった。


長い年月をかけて、架空の神を作り出し信仰してしまった。

本来ならば受けられるはずの加護も受けられず、神の加護があると思い込みながら生活しているのが現状だ。


「少しずつユグドラシル様を布教していきますから、加護を受けさせることができる対象を増やせば本来の目的に近づくでしょう。」


「お主が信徒みたいな布教活動するのは似合わんの。ほっほっほ。」


「この世界では、本来信仰すべき対象はユグドラシル様なんですから、そこに軌道修正することも大事でしょう。」


「そんなことじゃ、そのうち教会でも作ってしまいそうじゃな。」


「任せる相手ができれば、作るかもしれないですね。」


そんな雑談をしながら、ユグドラシル様はレンガを見つける。


「ほう。これはレンガじゃな。久しく見てなかったの。」


「はい。隣接するグラディウス帝国をはじめ人間族はレンガを多用しているとのことだったので、合わせてみました。」


「そうじゃな。このレンガは、人間族が使うレンガよりだいぶ高品質じゃがな。これを使えばいい建物が仕上がりそうじゃな。」


うんうん。と満足そうなユグドラシル様だった。

そういえば、こんなに人間族や魔族、エルフ族に近い位置に来たのは久しぶりなのではないだろうか。


「このあたりまで来たのは久しぶりなのではないですか?」


「そうじゃな。ユグドラシルの樹は、このあたりまで影響していないからの。かなり久しいな。しかし、やせ細った大地になってしまったのう。」


やはりそうなのか。

少しずつ回復させていかないとな。


「村づくりもそうですが、早々に村との交易を始めて、活気を取り戻す活動をしようと思ってます。」


「良い心がけじゃな。あの『ごじゃる』とかいう娘がいないのはそういうことか?いつも傍におるじゃろうて。」


ナナは、ごじゃるという認識なのか。間違ってはいないが…


「ナナなら、隣接するノースサンドっていう村に行ってますね。調査が目的です。」


「なるほどのお。ノースサンドは昔からある歴史ある村じゃな。はるか昔は錬金術師がよくいたものじゃがな。今や王都といった大きい都にしかおらんな。閉鎖的になってしまっておるしのお。困ったものじゃ。」


後半愚痴も混ざったが、死の森から素材を多く調達できた時代は錬金術師が製作するにはいい場所だったわけか。

今は様子が違っているのだろうが。


「目先は、農業の復興を目指すために肥料を使ってもらえるようにしたいと思ってます。農業の神にでもまずはなりますか?」


「なんじゃそりゃ。まあそれでもいいがな。信仰してくれれば、わしが影響するエリアが人間族に及ぼすことができるからの。」


そうか。いいこと聞いた。木像でもおいてもらえればいいかな。


「現地の人と仲良くなって、木像を置いてもらえるようにしてみますよ。」


「確かに、それが手っ取り早いのぉ」


「レオ。ナナは、次の行動として農家とコンタクトを取ると思いますので、なんらかの進展があるかもしれませんよ。」


「お。農家とコンタクトとるか。楽しみだな。順調に進んでいるようだな。」


「うむうむ。順調に進めているようで何よりじゃな。」



確実に一歩ずつ目的に向かって進み始めている。

面白いかも…

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