side 相沢圭②
本日は二話連続で投稿しています♪
ひとつ前のside 相沢圭①から読んで頂けると、嬉しいです。
「葵ちゃん、……飲み物持って来るから適当に座ってて」
「う、う、うん……っ!」
葵ちゃんにタコキス、いや、タコチューと茹でタコチューをして、俺の家に着いても真っ赤な顔が戻らない。
もしかして熱中症になってないかな、と念のため顔を覗き込もうとすると、びくっと身体を揺らして、勢いよく首を上下に動かしている。
いつもは隙しかないのに、珍しく警戒している葵ちゃんが面白くて、タコ顔にしようと両手を伸ばしたらぴょこんと後ろに飛んだ。
「葵ちゃん、俺ウツボじゃないから食べたりしません」
「ふえっ?」
狼みたいなつもりでタコの天敵のウツボの名前を出したら、大きな瞳をぱちぱちしていた。
その仕草が可愛くて、頭をぽんぽんと撫でて、飲み物を取りに冷蔵庫に向かった。
部屋に戻ると、ローソファの端っこに葵ちゃんがちょこんと座っていた。
警戒されてるな、と苦笑いを浮かべつつ、ちょっと離れて隣に座る。ローテーブルに、アイスティーと小さなガラス瓶を置いた。途端に葵ちゃんがキラキラ瞳を輝かせて、色とりどりの星の形の飴が入ったガラス瓶を指差した。
「圭君……っ! これ、なあに?」
「子供の頃に、たぬき駅長に貰った星の切符飴だよ」
「ええっ? 本当に……っ?」
目をこれ以上ないくらい大きく見開いた顔が可愛すぎて、思わず距離を縮めてタコ顔にした。
「ごめん、嘘です。葵ちゃん、星好きだから喜ぶかなと思って買いました」
目をまん丸にした茹でタコ顔の葵ちゃんから両手を離して、背中に腕を回して抱き寄せた。
葵ちゃんは腕の中にすっぽり収まるくらい小さくて、ふにふに柔らかくて、温かくて、甘い甘い匂いがする。
「け、け……圭、くんっ?」
慌てた葵ちゃんの声とすごい速さの心臓の音が伝わって来る。
「好きだよ、葵ちゃん。——すごい好き」
俺の気持ちがちゃんと伝わるように言葉にすると、葵ちゃんの強張っていた身体がふにゃりと緩み、身を委ねるように身体を預けられる。
迷うように、ゆっくりと葵ちゃんの腕が俺の背中に回されると、胸の奥が痺れたみたいに甘くなる。
「——私も。……好き」
「うん、……俺も好き」
葵ちゃんに回した腕に力を籠めると、葵ちゃんの腕も応えるように、ぎゅっとしてくれる。制服越しのぬくもりや少し早い息遣い、甘く漂う匂いを強く感じて、頭の芯まで痺れていく。俺が心臓になったみたいに、心臓の音が煩くて、俺の音なのか葵ちゃんの音なのか分からない。
しばらく抱き合った後、ほんの少し腕を緩める。
葵ちゃんは照れたように、赤い顔ではにかむ。
「葵ちゃん、……キスしていい?」
今度は誤解がないように、言葉で伝えると、葵ちゃんが恥ずかしそうに目を伏せ、頷いたので、頬にゆっくり手を伸ばす。
熱い頬に添えた俺の手も同じくらい熱い。
葵ちゃんの顎を掬うように、ほんの少し上に向けると、上目遣いの潤んだ瞳と目が合う。
ゆっくり瞳を閉じる葵ちゃん。
すべてが愛おしくて、葵ちゃんの柔らかくて小さな唇に、ゆっくり触れるようなキスをする。
「葵ちゃん、……好き」
唇をゆっくり離して、おでこを引っ付ける。
目を見つめて、目が合うと、ゆっくり引き寄せられるみたいに触れるキスをする。
嘘みたいに溶けそうなキスに夢中になる。
葵ちゃんが可愛くて、愛おしくて、何度も触れるみたいにキスをする。
柔らかい唇に触れると、甘く痺れる。
甘い唇に触れると、胸が震える。
「圭……く、ん……好き……」
葵ちゃんの言葉に理性がぐらぐらと揺れる。
指を絡めるように繋ぐと、葵ちゃんも握り返してくれるのが嬉しくて、愛おしい。
最後に触れるようなキスをして、また背中に腕を回して抱き締めた。
まだ心臓がばくばくと音を立てている。
しばらく葵ちゃんの体温を感じていると、ゆっくりゆっくり落ち着いて来た。
「ねえ、圭君……」
「なあに、葵ちゃん?」
葵ちゃんが恥ずかしそうに笑う気配を感じる。
「あの、ウツボってなあに……?」
このタイミングで聞いちゃう、おっちょこちょいの葵ちゃんは、もちろんタコ顔にした。
驚いて茹でタコになった葵ちゃんに、もう一度、茹でタコチューをする。
ちゅ、ちゅ、とわざと音を立てて、だけど、優しく甘く甘く好きを沢山込めて、ちゅ、ちゅ、とキスをしていると、戸惑いでまん丸だった目が、ふにゃりと甘くとろんと潤み始めていく。
ぐにゃりとした葵ちゃんを支えるように、キスを何度も落とす。葵ちゃんが甘くて止めれない。
「——ウツボってタコを食べるんだよね」
「ふえっ?」
「茹でタコ葵ちゃん、ウツボには気をつけてね」
揶揄うように葵ちゃんの目を見て言うと、びくっと身体が揺れるけど、おっちょこちょいな葵ちゃんを逃がさないように、時間を忘れて何度も甘いキスをした。
葵ちゃんと俺の恋は、はじまったばかり——
本日も読んで頂き、ありがとうございます(*´∇`*)
これで本当に完結です♪
その後の健介君と星屑ヘアピンのエピソードも入れたいなと思っていたので、二話になりました。
圭視点だとタコ顔が多くて、可愛い子の変顔?って可愛いと個人的に思っていて書いてみました◎
高校生の爽やかさと糖度を混ぜたつもりです。伝わっていたら嬉しいです♪
【追記】
きしかわせひろ様に圭くんのイラストをいただきました୧꒰*´꒳`*꒱૭✧
ベランダで挨拶してくれる圭くん、とってもさわやかです……!
本当にありがとうございます♪
イラスト/きしかわせひろ様
瑞月風花さまに表紙イラストをいただきました୧꒰*´꒳`*꒱૭✧
葵ちゃんと圭くんの出会いの2人乗り♡
さわやかカップルがすてきです。
本当にありがとうございます♪
イラスト/瑞月風花さま
〈追記R4.4.24〉
藤倉楠之さまに葵ちゃんのイラストをいただきました(*´꒳`*)
ポニーテールがとびきり似合うとっても美人さんに描いてくださってます。制服のマークも星形ピンもかわいい……♡
本当にありがとうございます♪
イラスト/藤倉楠之さま



















