第5話 森の奥、もうひとつの出会い
朝の光が森を柔らかく照らす。昨日の冒険の余韻がまだ残り私は少し興奮を覚えながら森の奥へと足を進めた。
「今日はどんな発見があるのかしら……」
杖を握る手に少し力が入る。前回よりも魔法を使う感覚が少しだけ体に馴染んできた。
森の奥で、小川のせせらぎを聞きながら歩いていると、木々の間に人影が見えた。
「誰か……?」
慎重に近づくと、そこに立っていたのは見慣れない青年だった。深い緑色の髪、鋭い瞳。村の人間ではない。どうやら旅人か、冒険者のようだ。
「おや、君は……」
彼は低く、落ち着いた声で言った。杖を持つ私に、興味深そうな視線を向ける。
ルカもすぐに私の隣に立ち、少し警戒の表情を見せた。
「君、森の奥で何をしている?」
青年は笑みを浮かべ、肩の力を抜く。
「ちょっと道を間違えただけさ。驚かせて悪かったね」
その青年はリアンと名乗った。
森での小さな問題を解決している最中だという。
「手伝おうか?」
ルカの声にリアンは軽く頭を下げた。
少しの沈黙の後、村から届いた報告を元に私たちは再び森の奥へ進むことになった。
途中、倒木や小さな小川を越えなければならないが、杖を使って光で足元を照らす私にルカが微笑む。
「上手くなったね」
その一言で心が少し温かくなる。
「ルカのお陰だよ、ありがとう」
そう言うと私の頭を優しく撫でてくれた。
先に進むと森の奥で、私たちは小さな洞窟を発見する。中には倒れていた動物や魔力の残滓があり森の秩序が少し乱れていることが分かる。ルカが呟く。
「これは……ちょっとした冒険になりそうだな」
杖を握り直し深呼吸する。ルカとリアンと共に未知の森へと踏み込む。異世界での日常が少しずつ非日常へと変わっていった。
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