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第50話:終わりなき信長
「織田さまぁ! もう令和ですよ!? 貴方もいい加減、死んで幽霊になったんですから、仏様らしく大人しくしてくださいぃ! 三百年以上も私を正座させて、まだ飽きないんですかぁ!」
令和の栃木県日光市、日光東照宮。神の座に固定された家康の霊は、隣で最新のスマホをいじり倒す信長の霊に絶叫した。信長は透けた姿になってもなお、血管が浮き出るほどの覇気で家康の尻を蹴り上げた。
「だまっとりゃあ、家康! 幽霊になったからこそ、時間は無限にあるんだがや! 見ろ、観光客がSNSにおみゃあの社の写真を上げとる。これこそが俺の作った情報の天下布武の完成形だわ。おみゃあは永遠に、この画面の中で微笑む広告塔だがや!」
「ひぇぇ! 幽霊になってもブラック労働だぁ! 貴方のその無尽蔵の元気、設定的に絶対おかしいですぅ! 早く成仏してくださいよぉ!」
「バカ言いにゃあ。おみゃあが俺の横で泣きべそをかき続ける限り、俺は成仏などせんわ! ほれ、次はメタバースとやらに進出するぞ、家康!」
信長は家康の霊を小脇に抱え、デジタルな空へと飛び出した。
「ええがや、ええがや! 未来も、地獄も、世界は全部わしのもんだがや!」
--------------------完




