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90.読書の後に

視線が上から下に動く

続いて隣の行に視線は移る

また視線は上から下へ


パラリと頁をめくって

また同じことの繰り返し


これをどのくらいの時間行なっているだろうか


頭の中では視線で読み取った文字を

映像化する作業が行われている


あぁ きっと豪華な建物なのだろう

あぁ きっととても綺麗な人物なのだろう

あぁ きっとこんな世界観なのだろう


ワクワクが止まらず

ハラハラも止まらず

時間を忘れて頁を捲る


近年では 電子書籍なるものが存在するが

その存在を否定する気はさらさらない

読みたい本を何冊も持ち歩かなくていいし

保管する場所にだって困らない

ただの好みの問題で

私は紙媒体が好きなのだ


電子書籍だって

ワクワクが止まらなければスワイプする指は止まらないだろう

でも 私は頁をめくる行為が好きだ


古本の少し黴臭いにおいが漂ってくるのも

頁のさらっとした感触に触れるのも

「私は」紙媒体が好きだ


ただそれだけの話


一冊を読み終えた頃にはすっかり日も暮れて

グゥ と腹が鳴った

昼ごはんを食べてからというもの

延々と没頭していたものだから

すっかり食事という行為を忘れてしまっていた


パタリと本を閉じて 本棚にしまう

本棚が埋まっていく感じはとてもワクワクする

次は何を読もうか 何をここに飾ろうか

私の想像力は掻き立てられる


だが 腹が減っては戦はできず

コップ一杯の水を飲み干してから

私は夕飯の支度を始める


寝る前に読む本はもう決まっていて

今からワクワクが止まらない

鼻歌も止まらなかった

最近読書ができるようになりました。本当に、読むことの楽しさを忘れていたから、戻ってきたのは感激に近い喜びです。

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