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10月~図書部の今後~

 9月に行われた文化祭は大盛り上がりだった。吹奏楽部が圧巻の演奏。ダンス部の迫力のある踊り。演劇部の出し物には、何人かの人が涙を流していた。

 図書部の方はというと、沙維香が構成したおかげかフリーペーパーは好評だった。裕也たちからも「去年より読みやすかった」「昨年と大違い」と次々と褒められた。取材した広正、幸子、浩太、千明も来場。千明は娘を連れてきた。旦那さんが来ないことに不満を言いつつも、久しぶりの文化祭で大分はしゃいでいた。浩太は、自分のいた頃より部活動が増えたことの方に驚いていた。幸子は、新聞部の文化祭特別号に興味を持った。広正は昨年とあまり変わりがないと言っていた。

 沙維香は、転校して初めての文化祭だったが、友達と模擬店を回ったり、何故か討論部の出し物にゲストとして参加していた。

拓巳も、図書部の店番をしつつ、テニス部が毎年作るチキンカレーを食べたり、お化け屋敷でビビりまくったり、アカペラ部の歌声にうっとりと去年以上に楽しんだ。



 10月のある日、教室に拓巳と沙維香は向かい合って座っていた。去年だったら、文化祭後は、これといって活動することがなく、ダラダラと部活中は過ごしていたが、今年は違う。

「図書部の今後について会議します!」

 沙維香が高らかに宣言した。

 図書部の活動について会議しよう、文化祭終了後、沙維香から言われた一言だが、実現するのに時間がかかった。文化祭から2週間後に行われる中間テストがあったからだ。拓巳も必死になって勉強をしたかいあって、赤点を取らずに済んだ。

 図書室で会議を行おうと思ったが、この時期から受験生が図書室を利用し、会議しづらいということで、教室で行うことにした。現在、教室にいるのは拓巳と沙維香の二人だけ。

「母がいた頃のように活動をやりたいと思ってましたが、取材をして無理だと感じました。私なりに考えて以下のような活動をしたいと思っています」

 沙維香はそう言ってノートのあるページを見せた。


『図書部の今後


広報誌…3か月ごとに作成


図書室業務…蔵書点検や本の選定作業(図書委員会には伝えてある)』


 図書委員会に伝えてあるって、小野さん、行動が早いなぁ…

 拓巳の率直な感想だ。

「広報誌の作成をメインに考えていますが、他にも図書館祭りの手伝いをやりたいと思っています」

「じゃあ、来月…」

「図書館に問い合わせたところ、今年のボランティアの申込は終わっているので、やるとしたら来年以降です。大岐君は、どう活動したいですか」

「僕は小野さんの考えた活動内容に賛同するよ」

 人と関わりたくないため図書室業務はやりたくないと思っていたが、沙維香がやりたそうなことと、年に数回しか図書委員会と活動しないことが分かっていたため、反対しないことにした。ただ、一つだけ拓巳は注文をつけた。

「広報誌の作成だけど、部員は僕ら二人しかいないし、3か月ごとは多いと思うよ。僕的には年2回でいいと思う」

「私は少ないと思いますが」

「来年も文化祭でフリーペーパーを作成するとしたら、4か月ごとの計算になるよ。3か月も4か月も変わらない…」

「私は、来年の文化祭でフリーペーパー以外をやろうかと思ってましたが…」

「うぇい!?」

 拓巳は予想外のことに驚いた。

「阿部さんと千明さんから、文化祭で何をしたか聞いたのです。お二人曰く、フリーペーパーを作成した年もあれば、他の教室を借りて小さなブックカフェを開いたり、図書部のOBで著名な方の講演会をやった年もあったようです」

「そうなんだ…って、文化祭のことじゃなくて、今後の活動についての会議。僕は広報誌の作成は年2回の方がいいと思う」

「年2回じゃ少ないです。最低でも、3か月ごとに作成したいです」

 広報誌の発行ペースについて、二人は譲らす、間を取って、学期ごとの年3回の作成に落ち着いた。その後 図書部の今後についての会議は、話しが脱線しながらも、夕方まで続いた。

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