取引項目
『初めましてお嬢さん。私はマイケル・ジョージ。アメリカという国の使者さ』
いきなり英語で話されたが、すかさず日本語で話返す。
「初めましてジョージさん。私はエリス・ラザムです」
その時にアレスから報告が上がる。顔スキャンでジョージ以外は軍人、しかも特殊部隊だったことがわかった。身体スキャンすると腰にはP226拳銃を忍ばせており、弾は薬室に入っている。
『唐突なのだが、ラザムさんの惑星にある技術を地球へ移転させる事は可能ですか?』
「可能といえば可能です。ですが、多くの品は地球人に扱えるとは思えません。例えば先程お土産として渡したナノマシン治療薬、これをレグナードから地球に技術供与したところで作るには約九十年かかります。それも劣化版なら」
英語で喋るジョージは提供したところで自分の生涯の年月が必要となる事に少しの驚きと技術の差を感じた。
そして日本が宇宙人のお土産を手に入れていたことに対して交渉しようと決めた。
「なら、取引ならどうですか?ナノマシンと我々に提供できるものであれば……」
日本語で交渉を始めたジョージを見て、エリスは少しだけ態度を改める。どうやら、単なる探りではなく本格的な取引を望んでいるらしい。なのでアレスに何か取引できるものが無いか聞く。
『それでしたら鉱石が良いかと思われます』
『鉱石? レグナードにも大量にあるでしょ? まぁ、地上に五十年置いて浄化しないと脆いけど』
レグナードや周辺の惑星の鉱石は脆く、地上に五十年ぐらい置かないと使い物にならないのである。それも、五十年経っても完璧に脆く無くなったとは言い難い。
『実のところ、地球に来てから船体自体が強化されており、調べてみると地球では五年で浄化されると計算が出ました』
エリスは驚くと、様々な思惑が頭を過ぎる。
これが事実なら、我々の経済発展は凄まじいものになる!
通信を終えてジョージではなく日本に向けて言う。
「鉱石を取引したい」




