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第一話

カクヨムでも連載されている駄作です。よかったら見に行ってください

「良い世界だなぁ…」


 綺麗な青空が広がる外を、薄暗い部屋から見て語る。


 人口の七割が冒険者になった今、ニートは段々と減って来ている。

 それはそうだろう。冒険者になるだけで、ギリギリ生活出来るラインまでお金を稼ぐことが出来るのだから。


 だがしかーし!俺は絶対にニートを貫く!

 そもそも命をかけてまで冒険者をする意味が分からない。重症を負って稼げなかったらバカ高い医療費を取られて絶対に赤字になるであろう。

 そんなのは嫌だね!ハッハッハ!


「おい!とっとと部屋から出てきなさい!」

 父さんの怒鳴り声が耳を貫く。毎朝毎朝元気だなぁ…


「うるせー!俺はニートを貫くんだよ!良いのか!重症を負って医療費が嵩んでも!」

「もうこの際どうだって良い!お前が重症になろうが俺達が払ってやる!今、冒険者窓口の職員の人がドアをぶち破ってでも来るだろうから覚悟しとけ!」


 おおっと…それはまずい。そんなときにはスレ民に助けを求めよう!


【急募】冒険者職員から逃げる方法。


 1=イッチ

 マジでまずい。一生ニートを貫こうと思ったら、パッパが職員をよんで強行突破してくる気や。誰か助けてクレメンス


 2

 草


 3

 終わったな。ワイもそれをやられてなす術なくとっ捕まえられたで。


 4=イッチ

 どうすりゃ良いねん。


 5

 ワイの場合は二階から飛び降りて…


 6

 おっ


 7

 どうなった…?


 8

 両足を見事に粉砕骨折して、しこたま怒られたで。でも、入院している間、時間を稼げたから、その間に大企業の正社員になって冒険者にならずにすんだで。


 9

 草


 10

 やってることアホすぎで草


 11

 お前最初から頭いいんだったらニートなんてやらないで正社員になっとけよ。


 12

 こいつ的には大企業っていうのを強調したいと思っているのだろうが、その前のエピソードが馬鹿すぎてそっちのほうがインパクトに残っちゃってる。


 あ、だめっぽい。もう昔話で盛り上がってるわ…


 その後も質問を投げかけてみたが特に対策を考えてくれることもなく、ついには、『お前一人で考えろバーカwww』と人の心を失っている答えが返ってきたので、本当に窓から飛び降りてしまおうかと考えていたところ、誰かが扉を叩く音がした。


「はぁい、赤坂春樹さぁん!扉を開けてくださぁい!職員のものです〜」


 無言で、キーボードを叩く。


 78

 あかんあかんあかん!来てしもうた!


 79

 おっ


 80

 wkwk


 81

 キチャー!!!


 82

 oh...Jesus...


 83

 頑張ってな…


 84

 イッチ、今まで楽しかったで、本当にありがとうな。


 こっ、こいつらっ…


 そんなことをしている内に、外から、「扉、壊していいっすかね?」とかいう声が聞こえてくる。さ、流石に家のものだし、壊して良いなんて言わな「いいですよ。このアホタレに現実の厳しさを教えてやって下さい」


 何してんねん!


 109

 あかん!扉壊されるっ!


 110

 本格的に来たな。


 111

 お前がスキル持ちなのを祈るだけだな。


 112

 スキルなし冒険者ワイ、高みの見物。


 113

 ワイ、スキルなし冒険者だけど、本当に辛いで。己の肉体のみで戦わなきゃいけないし、冒険者になるとランキングを付けられるんやが、それもほとんど上昇しない。仕方がないことなんやが、上位の冒険者はほぼスキル持ちや。一人だけスキルなしのバケモンが居るけどな。


 114

 そういや、スキル持ちって人口の何%だっけ?


 115

 5


 116

 キッツ!無理やんけ!


 そう。この世界にはスキルという概念がある。平均して十五歳ぐらいで現れ、人口の約五%に与えられる存在。


 御年二十二歳。残念ながらワイはスキルを持っていないようだった。


 そして、スレを立ててから135番目のレス、『あかん!扉が壊された!』を送信したのと同時に、扉が破壊される。


「はぁい、暴れないでね〜もう逃げ場がないからね〜」

 入ってきたのは中年の男性と、若い女性の二人だった。


 自分の部屋に綺麗なお姉さんが入ってきたら興奮するのだろうが、今は自分の人生がかかっている瀬戸際なので、欲情している暇はない。


「赤坂春樹さんですね。本当に抵抗をしないほうが良いですよ。彼は一時的に常人の三倍の力を出すことが出来る『スキル持ち』です。抵抗したりすると最悪、骨が折れますよ?」

「ええい!うるさい!俺はニート人生が懸かっているんだ!最後の悪あがきをしたるわい!」

「はぁ…そんなにニートが良いんですか…まあいいですよ。痛い目を見るだけ…」

「せぇい!」


 常人の三倍と言われていた男の人だったが、全然そんなことは無く、逆に軽々と投げ飛ばすことが出きた。


 男の人が女性を巻き込みながら壁に激突する。男の人は壁に打ち付けられ失神をしていたが、何故か女性の方は大丈夫そうだった。


「あ、貴方は、何者なんですかっ?!私のスキルが無かったら私が潰れてましたよ!」

「か、火事場の馬鹿力ってやつすかね…?」

「は?」

「え?」


 お互いに困惑している様子だったが、動き出したのは女性の方だった。


「と、とにかく貴方を捕まえないと!」

「つ、捕まってたまるか!とりあえず逃げさせてもらうぞ!」


 電話をかけている女性を尻目に、スマホとモバ充を目にも止まらぬ早業で回収し、財布をポケットに突っ込む。


 そして、扉から逃げようとするのだが、増援がいつの間にか来ていて扉を塞いでいた。こういう状況の為に訓練をしてきたのだろう。一糸乱れぬ動きで俺を捉えようとしてくる。


 ふと、女性の方を見ると、してやったりという顔をしている。


 強行突破が無理だと瞬時に悟った俺は、覚悟を決めた。


「あ〜ばよ!銭形のとっつあ〜ん!」


 自分の部屋の窓…マンションの五階から、颯爽と飛び降りた。

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