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プロローグ

これは、初めから嘘つき達の物語だったんだと彼女は呟く。


その嘘によって生まれ、翻弄され続ける人生を歩む一人の子供が静かに語る。


同じく過酷な生を与えられた子供はここまでに消えていった者達を思いながら隣に立つ子供の声を聞いた。


偽りを抱いて生きたもの。


真実を抱いて突き進んだもの。


そのどちらも周囲を巻き込んであまりに、そうあまりにも取り返しのつかない犠牲を出し過ぎた。 


彼らから始まった悲劇の連鎖。彼らだけで終わらなかった喪失と悪夢のような穢れた奇跡に縋った大人。

狂って壊れて溢れた妄執。止まらなかった止める気もなかった。失ったものを求めてその果てに生まれ、そして消費されてしまった数多の同胞と今尚消費され、苦しむ仲間たち。


人の数だけ悲劇があり、復讐がある。あるいは法による裁きも。


だけどそれらを無碍すると理解しても彼女は嘘つき達にこそ決着を委ねた。


どんな決着でも受け入れると言った彼女がとても強く脆く見えたから。


己の復讐よりもその手を彼は握ったのだ。


一人ではないのだと伝えたくて。


あの日、出会った二人はもう弱く逃げ回るしかできない存在ではないのだと。


嘘から生まれた子供達が見届ける嘘を始めた大人の決着がどのような形になるのか。

その果てに訪れるはずの未来の姿はまだわからない。


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