医保特急便
AIを使って画像制作に挑戦し、読者の皆さんに楽しんでもらえるように頑張ります。これまでのエピソードにも、後ほど面白い画像をどんどん追加していく予定です!
前回:リンパ節での死闘をくぐり抜け、嵐は去った。M1マクロファージ「羅」、ヘルパーT細胞「太」、好中球「猴」は次々と壮絶な最期を遂げた。残された五人は再び旅路につき、行方不明の若い二人の追跡を続ける。
========
一面の闇の中、土の杖だけが淡く光っていた。しかし前方は暗すぎて何も見えない。「こんな真っ暗じゃ、誰が先頭に立つってんだ?」阿土伯はまたしても縮こまる口実を見つけた。
その時、彼は足元で何かを発見する。
「なに?」かすかな光の中で、地面に文字があるのに気づいた——
「正英医保特急便◆天庭行き」
それに矢印も添えられている。
土は杖を矢印の先の方向へかざす。桃木の杖の青白い光の輪郭の中に、一台の車のシルエットが浮かび上がった! オープンカーのクラシックカーだ。両側の旗竿には、左は青天白日の幻彩旗、右は医保ロゴの旗が掲げられている。かすかな杖の光でよく見ると、車体は二重螺旋リボン(DNA)とカーボンファイバー管を編み合わせて作られ、所々に輝く金属板が飾り付けられていた。
——DNA折り紙によって合成されたナノマシンである。
この得体の知れない機械を前に、土はまず杖で様子を探ってみることにした。ひと突きすると、車は呼び覚まされたかのように、カラフルな光が車体を素早く駆け巡った! ヘッドライトも点灯し、前方の長い管路を照らし出す。
突然、前席から顔が一つ飛び出した。子供向けテーマパークのキャラクターのようなオレンジ色の人物で、動物の耳にヘルメット、デジタルアイマスクという出で立ちだ。アイマスクには大きく見開かれた目のグラフィックが表示されている。それは親指で乗車を促しながら、呼びかける「小朋友、正英医保の専用車へようこそ! 給付対象だよ! 医保カードをピッとして、さもなくば自費でも可!」どうやら車掌らしい。すぐに「カチッ」とドアが開いた。
この漆黒の闇、行く手も定まらず、負傷者もいる状況で、このカラフルなネオン輝く花電車を前に、五人に迷っている余裕はなかった。傷病者を中央に、前席には車掌、郎、嬌。後席には尼、天、土が乗り込む。
車掌は上半身を90度、そして180度と回転させながら言う「ご来賓の皆様、こんにちは! 正英医保の素晴らしいサービスをご紹介いたします。本日は…ええと…ヒーリングタピオカミルクティー、台湾・香港の名曲、それにフルAURAライトエフェクト…ええと…すべて炎院長が皆さんのために交渉してくださった特典でございます!」
「まあ最後の晩餐だと思って、存分にお楽しみください!」伸びた上肢が左右から二杯の「タピオカミルクティー」を差し出す。尼と嬌がそれぞれ受け取る。ほどなく車は発進し、ヘッドライトを灯して前進を始める。同時にBGMが流れ出す。曲は「不信愛有罪」。作曲:林哲司、作詞:黄霑、歌唱:梅艶芳。
オープニングの音楽が流れ始める…
(BGM)後席では尼が天に気を遣いながらタピオカミルクティーを飲ませている。土はタバコを吸わず耳の後ろに挟んで、揺れる黒いタピオカをじっと見つめ、思わずごくりと唾を飲み込む。タバコを吸わなくなった今、何かを吸いたくて仕方がないのだ。
前席の嬌はタピオカミルクティーを後席の土に渡そうとするが、郎の傷が重いのを見て、急遽土に代わって郎に飲ませる。
その時、後席の尼は生死の書の録画映像を見ていた。迪と淨の映像が映し出される。二人の若者は肩を並べて河の堤防に座り、ちらほらと流れる流星を見上げている。
そして、その後の情景は、歌詞と重なるように展開していく——
(歌詞)「愛に間違いも正しさもあるものか、許されぬなら追うべきではないのか、愛に罪があるというのか。間違いよりも正しさを選ばず、ひたすら幸福へと追い求める、限りない愛にどうして罪があろうか (難道愛還分錯對,不應該就不可追,難道愛都都會有罪;寧願錯而不要對,一心向幸福追,無限愛心怎麼會有罪)」
(情景)歌声の中、迪が大いなる志を胸に空を指さす「いつか必ず、君を流れ星を見に連れて行くよ!」淨はその言葉に満ちた希望を瞳に宿して応える。
その時、尼は車窓の外にも目をやる。そこにもちらほらと流れ星が流れている。雰囲気は歌詞にぴったりだった。
車は曲に合わせて、闇の中を進み続ける。
(歌詞)「春がゆくのは、水が流れるようにあまりに急だと知っている。涙を流すだろうと知っている、あなたのために。苦い果実だと知りながらも、あなたに夢の中へ入ってきてほしい、私の夢の中へ。信念を胸に、愛に罪はないと信じて (明知春天,是匆匆會逝去似水逝去;明知將會,人將會落淚為你流淚;明知苦果,亦請你進夢裏我的夢裡;懷著信念,未信愛是有罪)」
(情景)一同は突然、前方に壁があることに気づく。このままでは激突してしまう! 頭を引っ込め、思わず叫び声をあげる!
車掌は悠然としている。目のグラフィックは大きく見開かれたものから、三日月のように笑ったものへと変わる。なんと避けもせず、壁に突っ込んだ!
(BGM)しかしこの壁には弾力があった。ぶすっという音と共に中央から裂け、自動的に出口が開かれた。
出口をくぐり抜けると同時に、目を大きく見開いた車掌が大きな声で注意を促す「手足は中にしまって、外に出さないでくださいね!」一同は指示に従う。
同時に、透明な幌(整流カバー)が、シュンという音と共に完璧に閉じた。BGMもそれに合わせて、消えた。
音楽が途絶え、何か恐ろしいことが起こる前兆のように思われた。
その時、幌越しに、一同は周囲に無数の人が浮遊しているのを目の当たりにする。顔色は血の気がなく、まるで生ける屍のようだ。
その時、嬌はそのカバー越しに、その中の一体がゆっくりとこちらに顔を向けるのに気づく。見ると、それは皮と骨だけの頭蓋骨で、眼窩は深く窪み、眼球は飛び出して今にも落ちそうだ。バイオハザードのゾンビが振り返るあの名場面そっくりである。「What the hell?」彼女は思わず声を荒らげて叫んだ。
まさか、一同は鬼門関に足を踏み入れてしまったというのか?
========
次回につづく《運命の分かれ道》
天庭へと向かうはずだった専用車がハイジャックされ、取り返しのつかない不帰路へと迷い込む。細胞たちの運命はここから書き換えられる。人もまた同様だ。恨むことも悔いることも許されない。




