008
全ての武器を壊されたとは言えビーム・テンペストの本体は無事だった。テンペストはギギギと唸りながらまだ戦おうとしていた。
それを見たワタルはキリュウをドラゴンの姿に変形させてテンペストの体を持ち上げた。
「ワタル?」
「このまま天に昇って宇宙で爆発させる」
「待って!そんな事をしたらワタルは」
トウカはワタルが帰ってこないような気がしてワタルを止めようとした。
「もう時間が無い」
けれどもワタルは引き止めるトウカを振り払って天に昇った。そしてしばらくしてテンペストの爆発で天に花が咲いたのだった。
「ひっく、ひっく。ワタル…」
泣きじゃくるトウカを乗せてレオンは自動操縦でサクヤの所まで戻った。そこで待っていたのはトウカと銀色のドラゴンだった
「お帰り、遅かったね」
「ワタル…?」
「もしかして泣いているのか?」
トウカの様子を見てワタルは心配そうに聞いた。
「生きているの?」
「生きているけど?」
キリュウはこの星で唯一単独で宇宙にいける機体だ。その推進力は凄まじく余裕でテンペストを宇宙に放りだし無事に戻ってくる事ができる。
「もっともトウカが来てくれなったら時間が足りなくて間に合わなかったかも知れないけどね」
「ワタル…、のバカー!」
レオンから降りたトウカはワタルの元へ駆け寄ってポカポカとワタルを叩いた。そんな2人の様子を見て満足したのかキリュウとレオンは元いた場所へと転送されていった。
それからしばらくしてトウカが落ち着くとワタルは言った。
「じゃあ行こうか」
「行くって?」
「今回の一件、ゴウラに報告するから一緒に来て欲しいってフクトミが言ってきたんだ。あと藩主の名代として現場にいたナオフミも一緒だ。俺はトウカを待っていたけど皆は先に戻って準備をしている」
「仕方が無いわね。じゃあ行きましょうか」
そう言うとトウカは涙を拭いてワタルの手を取りサクヤに向かって走り出すのだった。
完
ここまで読んでくださってありがとうございます。天上の巨神はこれで完結とさせていただきます。最後に登場人物と巨神の設定を載せておきます。
人物
ワタル
主人公その1。正体は移民船の最高責任者で『天上の皇子』その人。元軍人で庶民派。故郷のヤマトでは当時の帝の子供だったが継承権が低く新天地を求めて惑星開拓の旅に出た。
トウカの事は気が合い女の子としても意識していたがトウカが乳兄弟であるクオウの子供だと知ってその感情を押し留める事にした。
現在の状況を自身の目で確かめるために他の天上人と連絡を取らずトウカと行動をしたために後に大変な目にあいう事に…
トウカ
主人公その2、ヒロイン。現地人と天上人のハーフ。しかし原住人の先祖はワタルたちよりも前にやってきたヤマトの移民なので遺伝子的には地球人。ただし環境の所為で髪は青くなっている。『暴れ牛のトウカ』といわれるほど巨神の操縦はあらぽいがそれは守護獣レオンを乗りこなすため。
ワタルと行動を共にする事でワタルに引かれて行く。後にワタルの事を『天上の皇子』だと知らないまま『天上の皇子』と結婚させられそうになったため勘違いを知らないワタルを連れて駆け落ちする事に。本来の予定ではここまで書いて完結の予定だった
ナオフミ
ショタ枠。本来ではワタルの弟子として活躍する予定だった少年。もの覚えがよく優秀な巨神乗りになる予定だった
フクトミ
仲間その2。身分を傘にして威張ってはいいるが理不尽な事をしない武人。ワタル達とは言い合いをしながらもよき仲間になる予定だった
ゴウラ
日本でいう征夷大将軍の立ち居地で大陸を支配している。ワタルの補佐をする2翼と呼ばれる存在の1人。大陸の強行支配を掲げ1人仲間と分かれて大陸を支配した。そのおかげで大陸は巨神の登場による混乱を最小限に抑える事が出来た。
後にワタルが3本足のポッドに乗っていた事を知らないまま中身が焼き焦げた『皇子』のポッドを見て発狂してしまうことになる
ミツザネ
ゴウラの懐刀。冷静に見えて実は切れキャラ。ワタルが最初の村を出発した時トウカが道を外れて移動したためワタル達を発見できずようやく見つけた時に切れ気味に登場する予定だった
クオウ
3本足と呼ばれるワタルの部下。同時にワタルの乳兄弟でも有る。移民船の事故の際、同僚の3本足の1人が裏切りワタルとクオウを殺そうとしたため機転を利かせて裏切り者を細工がしてあったワタルのポッドに押し込めて宇宙に射出した。その後ワタルを裏切り者のポッドの乗せて脱出させ自身はポッドが細工されて使えなく無くなった為にレオンに乗って惑星に降下した。
その後大陸の東に降下するがそこは中央から追われた人々が巨大な生物に怯えて暮らす土地だった。クオウはレオンの力を使い人々を守り降下してくる物資を使い、他の天上人と協力して国を作ることになる。
船に乗っていた人員の中でワタルに次ぐ身分の家柄の子でワタルが目覚めた事を知り、さらにワタルとトウカの仲が良い事を知ってトウカをワタルの妃にしようとすることに。
しかしワタルがトウカに正体を明かしていなかったために話はややこしくなった
機体解説
サクヤ
移民船に搭載際されていた惑星開拓用の作業用の機体の1機。トウカの趣味で他の機体とは違うカラーリングを施されている。戦闘能力は皆無だが大きな力仕事から細かい作業まで可能。2人乗りで仮眠スペースも有る。ワタルとトウカの移動する家の役割を果たしている
キリュウ
ワタルの機体で主役機。レーザーを反射させるミラーコーティングがされており全身が銀色。4足歩行型のドラゴンと人型の2タイプに変形する
レオン
トウカの機体だが本来の操縦者はクオウ。ただし所有権はワタルにありクオウに貸し与えられている。獅子をモデルにした獣型の機体で操縦が難しい。乗りこなせるのはトウカとクオウだけ。地上では人型のキリュウを乗せて移動する事ができる
ハヤテ
本編未登場の鳥型の機体。キリュウ、レオンのサポートを目的として作られた。操縦者は裏切りものの3本足だったが所有者はワタルでワタルとキリュウに対しては敵対行動を取らないように出来ている。惑星落下後は搭載されたAIによって独自に動いている
キリュウオウ
本編未登場の機体。キリュウ、レオン、ハヤテの3対が合体して完成する人型の機体。ヤマトに伝わる3種の神器をモチーフにした草薙剣と八咫鏡いう剣と盾を持つ。尚合体時にはキリュウ内部に3人の搭乗者とAIが集まり緊急時にはキリュウが脱出装置の役割を果たす。また八尺瓊勾玉を搭載した2号ロボもいた。
フクトミの巨神
フクトミが操る機体。格闘戦を重視した期待で重装甲。実はゴウラの機体の一部でミツザネや他の幹部の機体と共にゴウラの機体の手足として合体する予定だった。
ビーム・テンペスト
宇宙用の無人機。本来はロボの迎撃機。ビームの弾幕をはって敵を迎え撃つ。宇宙用のため動力源に汚染物質を使っており地上での使用は本来禁止されている。




