183話 共和国の混乱5
ロバートたちの様子を遠くから眺めている者がいた。彼の名はアリオス。ユルゲンたちとの契約が終了し共和国の行く末が怪しくなってきたので国外に逃げようとしていた。
アリオス(あいつらが作った道以外に他に逃げる手段がない。)
眺めている間に開いた穴に人が集まり渋滞していた。ざっと百人以上で乱闘までしている者もいた。
「どけ、俺が先だ!」
「早くしてくれ!」
ロバート「押さずに一人一人ゆっくり通ってくれ。抜け穴は俺が頑張って他にも作る。全員助けるから安心してくれ!」
ロバートたちは暴れている人を抑えたりして混乱を少しでも少なくしようとしていた。かつて暴徒だった彼らが逆の立場になるとは考えもしなかった。
ロバート(く、このままだと国民全員が逃げることなんてできない。俺が何とかしなければ!)
その時、激しい爆音が聞こえてくる。遠くにある建物が爆破されていた。この音で混乱が恐怖となり襲い掛かる。その上、さらに逃げようとする人が集まってくる。
「道をあけろ! さもなければ!」
一人の男が隠し持っていた拳銃を発砲。事態はさらにひどくなる。発砲に対して他の者が思わず能力を使い反撃してついに死人が出た。
ロバート「止めてくれ!」
彼は止めようとするが力を使いすぎて能力がほとんど使えなくなっていた。彼の仲間たちも暴れる者たちを制御できない。そこに見かねたアリオスがやってくる。
アリオス「動くな!」
銃口を上に向けて発砲し彼らの意識をこちらに向ける。それでも何人かはまだ暴れていた。アリオスはジャンプして暴徒に麻酔銃を撃ち込む。
アリオス「これ以上暴れたら俺が射殺する。死にたくなくなければ列を作って進め。」
ロバート「俺からも頼む。自分さえ良ければなんて止めてくれ。」
アリオスに脅迫によって少しずつ落ち着きを取り戻していった。彼らはアリオスらの誘導に従って穴を通っていく。
ロバート「それにしてもあんたのおかげで助かった。感謝する。」
アリオス「俺も逃げるつもりで逃げ損なっただけだ。お前はまだ能力は、いや使えないか。」
ロバートの疲れた様子を見て察する。
アリオス(常識的に考えて国中を爆破するとなれば爆弾は全く足りない。まだ時間に猶予があるはずだ。)




