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能力社会  作者: コイナス?
4章 フライハイト独立共和国
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180話 共和国の混乱の間に

 レイは隠れ家に戻るとちょっと豪勢な料理を用意していた。前の缶コーヒーの反省を生かして少し高い飲み物も準備した。


レイ「よくわからんからあとはエムにでも買ってきてもらおうか。」


 エムに連絡して仲間全員を隠れ家に集める。作戦が本格的に始まる前に少しでも腹ごしらえをしてもらうつもりだった。作戦がうまくいけば共和国は崩壊する。そのため安定した生活は望めなくなる。何よりエムたちが生き残れるか不安もあった。

 レイは作戦立案の時点で無意識に自分自身の命を捨てようともしていた。死ぬつもりはないと口では言っていても心のどこかでキルと刺し違える覚悟、というより逃げに近い。……ダミアンたちや難民のことが共和国にいても離れていなかった。


レイ(肝心な時に俺は何を考えている! 今は生きている者たちのことを優先……)


 戦う理由すらぶれ始めている。誰のために何のために戦っているのか。だんだんと遠退いている気がしていた。


エム「レイ、ただいま帰りました。」


 エムたちの帰還でレイは我にかえる。エムたちからすれば彼の顔は仮面で見えないが様子がおかしいことは察していた。


レイ「おかえり。そんなにゆっくりしている時間はないが食事にしよう。」

アハト「これ食べていいのかよ?」

おじさん「こんな料理は何年ぶりか。」


 エムやアハトたちにとっては初めてみる豪華な料理だった。おじさんを含めた元ホームレスたちも喜んでいた。


レイ(ダミアンさんのところで食べていたものや似たものの出来合いものを並べてみたが好評で良かった。)

エム「良ければこれも。作戦前なので少しだけになりますが。」


 エムはワインなどを買ってきていた。食事は盛り上がりみんなは喜んでいた。皆これが最後の晩餐になることも覚悟はしていた。レイはそんな様子を仮面をつけたまま見つめていた。

 ここでやっぱり作戦は中止にしようと彼が言えば彼らを危険に晒すことはなくなる。やり方を少し変えれば自分たちは共和国からも安全に出られる。


レイ「なあ、みんなはここで待機して」

エム「それはできません。私たちは私たちの意思でレイについていき戦うと決めました。ここにはいませんがヴェルナーたちも同じです。私たちはオートマタ反乱軍として戦います。」

レイ「……すまない。俺がどうかしていた。失言だ。忘れてくれ。」


 レイは彼らの思いを踏みにじるところだった。だけど、それでもレイの本心は……。

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