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84話 エム
武器の類いをアジトから運び出した二人は監視カメラに映らない路地に移動する。情報が皆無の今、少しでも欲していた。
レイ(今はマックスから聞いていた情報しかない。それも今はもう古いかもしれない。)
オートマタ「ところであなたはオートマタではないのですか?」
レイ「私にはそのオートマタがイマイチ分からない。オートマタとは何なんだ?」
前のマックスからは関わるなとは言われてはいた。嫌な予感はしていたが無関係ではいられない。
オートマタ「私たち人の姿をした人ならざる物、それがオートマタです。」
レイ「……やっぱりそうか。」
レイの予感は的中してしまう。生きている屍、奴隷にも等しい存在と感じたが同情など抱きはしない。
レイ(ふざけやがって! 共和国の闇とはよく言ったものだ。俺に施した処置もその一部か!)
レイ「なあ、戻る可能性は……。いや、いい。名前がないなら今はエムって呼んでいいか?」
エム「はい。ご自由に。」
レイは勝手に彼をエムと名付ける。彼をどこか自分自身に重ねたのかもしれない。
エム「ところであなたは誰ですか?」
レイ「……レイ。別に覚えなくてもいい。」
レイは顔を少しそらして答えた。




