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アルガナイ…力を失ったルシファー 学園生活を謳歌する?  作者: T.T
この世界の表側

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第10話 期末テスト(表)2 部活

 俺は用事を済ませ、二日目のテストを迎えた。


「今日でテストは最後です。家庭科、保健体育、美術、音楽の順番です。どれも副教科ですが、きちんと成績には含まれるので、手を抜かずに頑張ってください」


 先生は2日前の爆破予告については何も触れなかった。

 他の生徒たちは何か言及されるのではないかと身構えていたが、朝の会が普通に終わると、みんなの顔は少し和らいだ。

 チャイムが鳴り、テストが始まった。


家庭科(教科書穴埋め問題、授業の感想)


保健体育(教科書の問題、最近ニュースになった運動選手の名前を五人書く問題)


美術(教科書に出た美術作品について人物、年代、作品の名前、授業の感想)


音楽(教科書に出た人物に対する穴埋め、授業中に歌った曲の歌詞穴埋め)


 初めてのテストということで少し不安だったが、思ったよりも簡単だった。

 四時間目の終わりのチャイムと同時に、先生が『そこまで』と言い、答案を回収した。

 号令が終わると、全ての教室から『終わったー!』と大きい声が響き渡る。

 先生は特に怒ることもなく『皆さんお疲れ様です。帰りの会の準備を進めてください』とだけ言い残して、職員室へ戻っていく。

 今日から掃除も部活も再開。

 掃除を終えて部活のために部室へ向かったが、練習メニューの紙は見当たらなかった。

 先生が持ってくる可能性もあると思いながら、早めに運動できる服に着替え、後でメニューを取りに行けばいいかと考えた。

 俺が部室で着替えていると、佳がやってきた。


 佳の身長は164cmほどで、細身の体つき。

 威圧感をまるでなく、その場にいるだけで場の空気が柔らかくなるような、不思議な穏やかさを漂わせてくる。

 読書好きという印象もあり、その静かな雰囲気をより一層強くしていた。


「金星くん、テストお疲れ様です。今日のメニュー、何かわかりますか?」


「メニューがないんだ。着替え終わったら、職員室に取りに行く」


 佳はリュックを部室の棚に置き、着替え始めた。


「分かりました。その時は僕も一緒に行ってもよろしいですか」


「あぁ、いいぞ」


「ありがとうございます。ところで、金星君は今回のテストどうでしたか?」


「まぁまぁできたと思うが、さすがに数学の入試問題は解けなかったな」


「僕も解けませんでした。僕も含めて三組の人はほとんど解けていなかったと思います。同じことを皆、口にしていましたから」


「一組も同じだ。他のクラスがどうかは知らないが、きっと数学の平均点は相当低いと思っている」


「間違いないかと。入試問題以外にも難しい問題が多かったので、平均点は40点前半だと予想しています」


「そうだな」


 初めて一対一で話したが、案外話しやすいかもしれない。

 同年代なのに敬語で話してくるのは、少し距離を感じるが、この距離感は俺にとって心地いい。初対面で馴れ馴れしいやつは苦手だから、これくらいの方が性に合っている。

 その時、校庭の方から声が聞こえた。窓の外を見ると、校庭に立つ先生の姿が目に入った。手には練習メニューが書かれている紙を持っている。


「職員室に行かなくてもよさそうだな」


「そうですね。メニューが向こうから来てくれました」


 佳はそう言いながら微笑んだ。


「待たせるとまた怒るから、早めに行こう」


「そうですね」


 俺と佳、それから他のメンバーも校庭に集合し、数分後、顧問の説明が始まった。


「よし、これで全員集まったな。では、今日のメニューを伝える」


 俺たち一年生は、三日間の林間合宿とその後の二日間の休みを含めると五日間部活ができない。そのため、顧問は普段よりも一段と厳しい練習を用意していた。


 練習が終わると、みんな息を切らしながらベンチで休んでいた。

 二、三年生の先輩達も同じメニューをこなしていたが、一年生に比べ疲れた様子はあまり見えない。

 さすが上級生、体力が違う。時間が経つにつれ徐々に体力は削られ、走るフォームやスタートが乱れがちになるが、彼らはそれをほとんど見せない。これが一、二年の練習の積み重ねというものなのだろう。


「ほら!練習が終わったらダウンを始めろ。立て!」


 ダウンとは、全ての練習を終えた後に校庭を右回りに軽くジョギングし、ストレッチをすることだ。これは疲労で固まった筋肉をほぐし、怪我を防ぐための重要な工程だ。練習する日が多い陸上部にとって必須の怪我防止策ともいえる。

 先生の指示で、休んでいたみんながゾンビみたく一斉に立ち上がり、ダウンを始めた。

 俺も一番後ろからゆっくりとジョギングを始めた。

 ふと前を見ると、フォームを崩しながらも必死に走る佳の姿が目に入った。


「お疲れ」


「おっお疲れ………様です」


「今日の練習は今までで一番きつかったな」


「その通りかと・・・テスト週間明けの練習がここまで辛いとは・・想定・・外でした」


「まぁ、ここを頑張れば林間合宿があるから、それが救いだな」


「そうですね。一緒に頑張りましょう」


「あぁ」


「ところで、妹さんは休みなのですか?」


「あいつ、二日前に怪我したんだ。本人は部活に行きたがっていたけど、俺が先生に話して休ませてもらったんだ。」


「怪我は大丈夫なんですか?」


「軽い怪我だ。明日には部活に来れると思う」


「それはよかったです」


 疲れているはずなのに、俺との会話を優先してくれる佳。話を広げて気遣いまで見せるとは。いい奴かもしれないな。



 次の日、テストが返却された。

 一時間目の国語と四時間目の理科だけが返却され、他の授業はテストには触れず、通常通り進められた。

 帰りの会が終わる頃、先生が話し始めた。


「この後、体育館で林間合宿の説明を行います。しおりと筆記用具を持って、廊下に名前の順で整列するようにしてください」


 廊下に整列して体育館へ向かうと、一学年の生徒全員が集まっていた。

 周りでは、林間学校について話し合う生徒たちの声が飛び交ってた。

 学年集会は全員が静かになるまで始まらないため、俺は早く静かにならないかと願いながら体育座りで待っていた。

 数分後、周りの生徒たちは先生たちの様子を見て、少しずつ静かになり始め、ようやく、一学年代表の赤津先生が説明を始めた。


「ようやく静かになったな。それでは、三週間後に始まる林間合宿について説明する。しおりを見ながら聞いてくれ。追加する内容があるから、しっかりメモを取るように」


 こうして、林間合宿の説明が始まった。

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