S2 マクロとミクロの視点
юTitle『神の箱庭』
S2 マクロとミクロの視点
本来、創造作業のスタンダードな流れはマクロな視点で骨組みやキーワードを作ります。
これは物語で言えばプロットに当りますが、まずはそれぞれの分子を展開する大元の分母から順に、それぞれの概略を与えて行きます。
たとえば、ここでは僕の惑星の孤島デイドラを例にとって説明します。
始めに島にこんな命題を与えてみます。
命題:島に蔓延っているモンスターを退治する
ただこれでは具体的ではありません。
こんな状態でディテイルを詰めようとしても無駄です。
何故ならば具体的なキーワードが一つもないからです。
試しにこの状態でデイドラ島のアクセステロップを作ってみましょう。
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■アクセスポイント:デイドラ島
デイドラ島は美しい自然に囲まれた鳥獣達の楽園であった。
だがいつしか流れ着いた不届きな輩が住み着き島の生態系は壊れつつある。
この星の創造主はそんな連中の存在に頭を悩ませていた。
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どうでしょうか。一見文章にはなっていますがこれではプレイヤーが何をしたら良いのかがまるで伝わりません。
何故か、それはキーワードがないからです。
ここに目的を与えるならば一体何のモンスターを討伐するか、そのキーワードを含めてみましょう。
試しに不届きな輩という言葉にグリーンゴブリンという単語を置き換えて読んでみて下さい。
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■アクセスポイント:デイドラ島
デイドラ島は美しい自然に囲まれた鳥獣達の楽園であった。
だがいつしか流れ着いたグリーンゴブリンが住み着き島の生態系は壊れつつある。
この星の創造主はそんな連中の存在に頭を悩ませていた。
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どうでしょうか。目的が大分明確になったと思います。
ミクロな視点でディテイルを詰めるにはまずマクロな視点で構造の骨組みやキーワードを定めることが重要になってきます。
マクロな視点とは決してアバウトという意味ではなく、概略に用いられるキーワードは具体的であればあるほどディテイルが詰め易くなります。