юDiary 0/6/17 『浜茶屋・オープン』 God:BBQ
юDiary 0/6/17 『浜茶屋・オープン』 God:BBQ
創世暦元年 6月17日
GOD:BBQ 惑星:Old Life
はじめましてBBQです! バーベキューではなくこれでビービーキューと読みます。
さて皆さんにまずはご報告から。この度、私が管理しているボルネオ島にて浜茶屋をオープンさせて頂く事運びとなりました。梅雨の最中にいきなり夏を宣言するような暴挙に及びましたが名目としては通年営業の海の家、西洋的に恰好付ければシーサイド・レストランなるものを高みとして目指して運営を頑張って行きたいと思います。
わー、ぱちぱちぱちとまばらな拍手をありがとうございます。まばらでも無いよりは嬉しいです。
モニター越しに空回ってますよ、と冷ややかな視線を下さっているあなたにもありがとう!
空回ってたって気にしない。夢みたいです、本当に。つねってもちゃんと痛い。なのに、なんでこの世界はこんなにもマジカルなのか。生きる世界があまりにも現実的だと、私のような人間は夢を咲かせます。
こつこつとお金を貯めてきて、ようやく念願であった海の家を開く為にまずは海辺に建てた休憩小屋を改造しました。藁小屋をベースに根本的に作り変えたのですが、今回骨組みに使用させて頂いた主な建材は山桜です。というのも、選択できる木材がこの山桜とあとレッドラワンしか無かったんです。
正確には選べる種類はもっとたくさんあるのですが、惑星内で栽培していない木材に関しては外部世界からの輸入という形になり、この金額が馬鹿高いんです。ボルネオ島に生えているレッドラワンと近日植えた山桜に関しては手頃な価格なのですが、その他の輸入木材の価格をワールドデータベースの相場で調べたところ、平均して約十倍以上に跳ね上がります。
はっきり言ってこれは生産的ではないと。出来れば、屋根材、壁材、床材と細かに建材は合わせたかったのですが、選択肢は自然と絞られました。
結論として、素材は山桜にしました。極めの細かい肌合いに、重硬な特質を持った建材です。
随分と悩んだんですけどね。レッドラワンのように桃褐色のベニヤ板もそれはそれで柔かな味を醸し出してくれるので、潮の香りも充分に吸収してくれるでしょうし、染み付いた磯の香りが演出できれば海沿いのレストランの壁材としては充分に魅力的ではあったのですが、やはり問題は強度ですよね。
むしゃくしゃしたお客様がレストランの壁に凭れ掛って拳を叩き付けたら穴が開いたとか、逆に店内で穏やかにシーパスタを食べていたら、壁から腕が突き出てきたとか、そういうレベルの話になると洒落にはなりません。
メニューについては色々考えていたのですが、そんなに余り凝ったメニューをたくさん用意する事も出来ないので、自信を持ってお勧めできる料理の数品に絞りました。
まず一つがラヴィの香草焼きですね。ラヴィのばら肉を串焼きにする際、グリーンハーブで香り付けしてあります。ハーブの独特の香りは好まない方もいらっしゃると思いますのであくまで肉の香りを引き立たせる程度に抑えています。柔かな肉の食感と溢れ出る肉汁が至極の一品です。値段はなるべく安価に抑えました。一串23エルクで提供させて頂いております。
二品目がシャメロットの蟹身と味噌で出汁を取ったお味噌汁ですね。蟹碗と名付けました。大きな御碗の中に、魚介の旨味がこれでもかというくらいに濃縮された出汁と豪快に切り取った蟹足を入れてあります。蟹足は決して飾りなどではなく、中身を覗けばふっくらと茹で上がった蟹そのものの味を充分に堪能する事が出来ます。価格は一杯20エルクになります。
三品目がシーフードパスタになります。スクワロと呼ばれる透き通る程に透明な白を誇るヤリイカの切身と、ピノと呼ばれる海底に生えるキノコですね。味付けは唐辛子とガーリックで程よい辛さに仕上げています。コリコリと弾力のあるイカの歯応えに、柔かで甘みのある海の栄養素をたっぷりと含んだピノの食感が美味しくも楽しい一品です。具材はどちらも輸入品の為、比較的割高の73エルクとまとめました。本当はもっと具材を豊かに彩りたかったのですが輸入になると価格が途端に上がってしまう為、易々と増やす事ができずに現在の内容に落ち着きました。
最後がデザートの蜂蜜ゼリーですね。蜂蜜の甘みをふんだんにゼリーに溶かし込んだスイーツです。塩気にうんざりされた方は是非、こちらの甘味で舌を喜ばしてあげて下さい。材料の蜂蜜は蜜蜂を飼育しているので比較的安価に手に入りますが、ゼラチンが輸入食材になる為、価格としては30エルクでの提供となります。最終的にはもっと安価で提供させて頂きたいと考えています。
飲み物はミネラルウォーター、コーヒーからジュースやお酒の種類はまだ少ないですがメニューに取り揃えております。
ほっと一息つきたい、ご友人の皆さんと雑談を交わしたい、食事をとって身体をゆっくり休めたい、などという時は是非ご利用下さい。
海の家の外壁は取り除いて、オープンテラスに屋根だけを付けたような恰好になっておりますので眺めは抜群です。
青々と映えた世界に流れる波の音をBGMに――浜茶屋はいつでも皆さんをお待ちしております。