第40話 囚われのLuna! ※イメージ有り
短編 エリートな俺の召喚獣がどう見てもひよこなのだが? を書きました↓
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またギャグです。
「……それ以上私に近付くなら舌を噛みますよ」
「やれやれ、私は何時になったら貴女の信頼を得られるのでしょうねぇ? ふふふ」
薄暗いが、豪勢な家具や調度品が置かれた部屋の中で二人の男女が会話をしている。
一人はきらびやかで銀糸のような銀髪を持つ少女で、紫色の双眸で男の顔を睨み付ける。
対して男は焦げ茶色の整髪剤で撫で付けられた髪を手で整えながら、愉快そうに笑う。
「あぁ、貴女の瞳はまるでアメジストのように美しい。その瞳が私を魅了して止まないのですよ……」
「……私には貴方の力は通じませんよ」
「えぇ、知ってますとも。無意識に魔力を瞳に集中させて、私の能力に抵抗している事は勿論理解していますよ。貴女を無理矢理私の手中に収めようとすれば本当に自害しかねませんからねぇ。…… そろそろ諦めて私の物になりませんか? 私の能力を駆使すれば、将来貴女にはそれ相応の暮らしをさせてあげられますよ。こんな鍵の掛かった部屋ではなく、より良い部屋と自由も差し上げられると言うのに……」
男の口調では少女はこの部屋に軟禁されているようだ。
男は大袈裟な身振り手振りを交えて少女に対して甘言で乗せようとするも、少女はその言葉を聞き、ますます男を鋭く睨みを効かせ、静かに答えを告げる。
「……私の心は変わりません」
「そうですか…… 所で話が変わりますが、今日、この霧の里であるネーベルに三人の来客が有ったと報告を聞きましたよ。一人は貴女より年下であろう女の子らしいですよ。聞いた話では恐らく12歳前後で成人を迎えたかどうか、と言う所しょうねぇ……」
「何が言いたいのですか……?」
唐突な話の切り替わりに、少女は眉を潜めて男に真意を問う。
何故急に年端もいかない女の子の話をするのか、少女には理解出来なかった。
「そうですねぇ…… ふふ、少し遊び相手になって貰いましょうか……私の思い人は中々振り向いてくれませんから」
途端に少女の顔は青ざめる。
男の言葉から嫌な予想をしてしまったような様子だ。
この男の言葉が真実か嘘かは別として、この男ならやりかねないと言う事実が少女を追い詰める。
「貴方、まさか……!」
「ふふ、一度連れてきて差し上げますよ。この里には貴女と近い年頃の娘が居ませんからねぇ。仲良くなれるのでは無いでしょうか? ふふ、ふふふ! では失礼しますよ……」
男は不気味に笑いながら部屋から出ると、部屋の外からガチャリと鍵を掛ける音がする。
少女は一人なった部屋で沈痛な面持ちでうつむく。
「誰か……! 私を助けてっ……!」
「うわー、凄い霧だなぁ! 登り始めた月がまるで見えないな。まるで月が囚われているみたいだな」
「イズナさんも意外と詩的な事を言うんですね。でも雲の中に居るみたいで神秘的ですね」
「意外とは失礼な奴だな……」
「しかし夜になる前に人がいる場所に着いて良かった。こんな濃霧だと魔物の視認が困難になるから野営は大変危険だからな。」
俺達狩人パーティーのフルールドリスは王都に向けて旅を進めていたが、とある森に入ってから突然周囲が深い霧に包まれ、森の中を迷ってしまった。
時折魔物との戦闘を挟み、あわや夜は視界が不良な場所で野営となる寸前でこの人里に辿り着いたのだ。
辿り着いたのだが……
「人が一人も歩いてないな……」
民家は普通に有るのだが、不自然な位人が居ないのである。
民家からは明かりがチラリと見えているので人が居ることは確実だが、こうも人とすれ違えないと不気味さを感じてしまう。
先に言っておくが俺は怖くはない、全くもって怖くはない。
「夕方時には皆さん自宅に帰ってしまうような習慣が存在するのかもしれませんね」
「そ、そうだよな! あは、あはは!」
「……ようこそネーベルへ。旅人の皆さん」
「出た――――っ!!」
俺は唐突に現れた痩せこけて虚ろな目をした老人の幽霊に対して、先手を取るために動き出そうするが、ウィルに腕を掴まれて阻まれてしまう。
「止めるなウィル! 祟られる前に倒さないと!」
「落ち着けイズナ。……人だ」
「え?」
ウィルに言われて老人をよく見ると、確かに見た目が幽霊みたいな怖いただのおじいさんだった。
俺は危うく一般の人に殴りかかる所だったので、目一杯頭を下げて謝る。
「すみませんでした!」
「良く言われるので大丈夫ですよ……旅人さんらは宿をお探しでは無いですか?」
「えぇ、丁度探していた所なんです。 後明日狩人ギルドに滞在報告をしたいのでギルドの場所を教えてもらって良いですか?」
「ではまず宿は……――――」
思わず襲い掛けた俺の事を気にもとめずにおじいさんは話を続けるので、なんて肝が据わった人物なんだ……と俺は密かに驚愕する。
「分かりました、ありがとうございます」
「どうぞごゆっくり……」
おじいさんはまるで霧に溶け込むように消えていった。
ゴ、ゴクリ、本当に幽霊とかじゃないよな?
「イズナさん、ウィルさん。宿の場所を聞いたのでそこに向かいましょうか」
「わ、分かった」
「うむ」
アルの話によると粗方行きたい場所の情報はおじいさんに聞けたみたいで、狩人ギルドにはもう遅いので明日に赴く事が決定し、俺らは宿に向かう事に決まった。
↓各キャラクターのモデル作りました。大体こんな感じです。
※イズナ
※ウィル
※アル
※ユリィ
※ハーティ




