ピープル退治その4
フィア・ディアグの恐怖の叫び声。相手を恐怖に陥れようとしていた本人がまさかのセラフィルによる反撃で恐怖する事なり悲痛な雄叫びをあげる。そして顔を動かせないフィア・ディアグは目でそこにいたセラフィルの方へ視線を向けようとするが…
ズシュン!
パシャン!
顔を思いっきり踏みつけ勢いよく破裂するフィア・ディアグ……それにより周りへ青い血が飛び散りセラフィルの服が血まみれとなってしまう。
「五月蝿い叫び声をあげないでもらえますかね。鬱陶しいにも程があります。おかげでせっかくの服が台無しじゃないですか。コレじゃああの方にどの様な形で会えばいいか………まぁ会うのはガヴリエルですし何も問題はないですね。」
チカチカチカ…
「そろそろタイムアップですかね。やれやれ慣れない武器の生成は中々骨が折れます。けれど何とか上手くいってよかったです。しかしこの森…どうにも魔素が溢れかえっていますね。単純にこの森だけが強いってわけではないかもしれませんが…単独で行動するのはどうにも不向きな気がします。」
カタカタカタ…
「とりあえず一旦誰かと合流してそこから私がガヴリエルと入れ替わった事の説明を…」
ブワン!
「え?」
ガブシャン!
背後から何か黒いものが飛び出し一瞬にしてセラフィルを飲み込んでしまいそのまま黒いデッカい生き物は森の中で1番魔素が強い場所へと移動する。
キュィーーーーン!
ズバン!ズバン!
バシャン!
西の森……
「ふぅ〜コレで何十匹目なんだよ。本当に……さっきから群がる犬と虫ばっかで全然ピープルが出てこないじゃないのよ。悪さする妖精はどこいったの!本当に…」
ピロリンピロリン!
「え?あ、な、何……あ、確かワータンから受けとった端末……から着信?でいいのかな?」
恐る恐る受け取った端末を開き画面を開くトマソ。
「ようやく繋がった!さっきから電波飛ばしてるのに何で出ないんだ!」
「え〜そんな事言われても私普通に戦ってだだけなんだけど…」
「戦ってたっていったい何とだ?」
「え?ワンコロとか虫?なんか妙に寄り付いてきて気持ち悪いんだよね。」
「くっ……となれば西の森は外れか…いいかトマソ直ぐにそこから出て南の森へ……トマソ?おいトマソ!」
ツーツーツーツーツー………
画面に映っていたトマソの姿が一瞬でその存在が消え不通となり周りからは犬と虫の羽音しか聞こえずいったい何がどうなってるのかサッパリ分からないまま通話が切れたのかとそう思って諦めたその時謎のノイズ画面から僅かに映り出す影と森がそこに現れた。
「………誰だ。」
「………もう森の湖の近くに入ったら駄目じゃないのせっかくのパーティーが台無しじゃない。」
「………ピープルか…」
「そうだよ〜因みに私はフーアって言えば分かるかな?」
くっ!面倒なピープルだ。よりにもよってトマソの所にフーアが出てくるとは……この場合気絶させられたか…もしくは取り込まれたかの2択にはなる。だけど…その両方でもなかったら…
「フーア…そこにいた女性はどうした?」
「ああ人間の女性?それなら大丈夫だよ。ちゃんと生きてる。」
それを聞いて安堵するワータン。しかしそんな安堵もそのピープルは壊滅的な言葉で動揺させる。
「けれど〜このままだと死んでしまう可能性はあるかもね〜」
「!?」
「ヒャハハハハ!驚いてる驚いてる。いいよ〜いいよ〜いいね〜その動揺っぷり…まぁ機械の先にある画面に本当に動揺してるかなんてのは分かんないけど…雰囲気的には動揺してる仕草がひしひし伝わるよ。そうだよね〜仲間が危ないめにあってるもんね〜まぁ私としても鬼じゃないからそこまで非道な事はしないよ〜って私喋りすぎたな。何ペラペラ喋ってるんだろう。マジだるい…」
「フーア条件はなんだ。そこにいる女性を助ける条件があるんだろう?」
「あ〜条件?ん〜〜まぁ森の近くにある湖の水を飲めばまぁ何とかなるかもだけど問題はその間にその森の湖の水が飲めるかどうかの問題なんだよね。なんか知らない場所でやたらとドンパチしてる奴等がいるから物凄い目障りなんだ。だから今から君達の仲間へ面会してコレからどうするのか話しあってくるよ。森で死ぬかこの子を助けるか…ふふ楽しみだな〜」
「おい待て!」
ツーツーツーツーツー……
「くそ!」
完全に舐められるな。コレは僕の配慮のミスだ。東西南北の森で唯一厄介なのが湖のピープルだ。あそこに関しては誰かが問題を起こさなければ現れないとばかり思っていたが……どうやらそういう問題じゃあなかったみたいだ。周りの反響のせいで逆鱗に触れトマソは何かの呪いを受けそのままフーアが何処か異世界人の所へと向かった。
「………異世界人達にかけるしかないか…」
ここから何もできない自分に腹が立つワータン。6匹のピープルの内5匹のピープルが現れ森では既にカオス状態となった。しかし確実に倒されているピープルは1匹いや2匹だと知らせを受けるワータン…確実に分かる頃には一夜達は決着をつけられるかどうか…ワータンは願いたくもない願いをしつつ一夜達の生還を祈る。
ビューーン
バシャン!
バシャン!
「くっ!」
「ヒャハハ!オラオラ逃げ回った所で俺達に追いつかれてしまったら元も子もないぞ。」
「レッドキャップそこはもっと上手く立ち回らないと追い込めなくなるぞ。周りをよく観察しろ。」
「うるせぇぞ!後から出てきた癖にこうべを垂れるんじゃねぇ!ぶっ飛ばすぞ!」
「くくく…やってみろよ。俺とお前どちらが上かここで試してもいいんだぞ。」
「ああ?」
「はぁはぁはぁはぁ…」
仲間割れか?2人で俺を狙って問い詰めるかと思ったが…勝手に揉めるんだったらコチラとしてはありがたい…
バチバチ…
一夜は僅かに体に流れる電気の流れを感じ取り後少しで出る感覚を何とかものにしようとあのゴブリン達から必死になって逃げ回る。
アイツらから何とかして時間稼ぎをしつつ雷の力の感覚を取り戻そうとしているが…まだ電磁波程度の力みたいなのしか流れない……
「ふぅ〜だとしたらコレは好奇だ。アイツらがまともに戦って時間を稼いだら後は何とか…」
「何とかなんだ?」
「!?」
ドスン!
「かは!」
ヒューン!
ドン!
ズドン!
「おいおいグリーンキャップやりすぎだろう。俺の獲物だぞ。少しは加減してくれてんだろうな?」
「………」
「おい聞いてんのかよ。」
「………」
「無視してんじゃねぇぞおら。聞こえてねぇ訳がねぇだろう。」
「一々うるせえな聞こえてるよ。」
「じゃあ何で応えねぇんだよ。」
「お前頭悪いのか?周りの森の範囲の状況を確認してみろ。」
「は?………!おいおいなんだなんだ。西、東、北の方角からこっちに向かって何がきてるぞ。どうなってやがる。」
「ここに集まって集結しているとなれば…問題点はあの人間だろうな。」
「ぐっ…ごほ!ごほ!」
「けどもう死にかけじゃねぇか。こんなので他の方角からやってくる何かを引き連れようとするなら、そいつらはとんだバカなのかはたまた抜けてるとしか言いようがねぇな。」
レッドキャップには言えないが俺はコイツを始末するつもりで痛いという痛感を無視しての一撃を与えた。なのに血反吐を吐いてのむせ方……とんだ防御力のあるやつだ。それに…
バチ、バチバチ…
手が痺れている。奴の体は電気を流せる力を持っているのか?それで上手く防御した?いやそんな馬鹿な事が…
「どうかしたのか?」
「いや何でもない。……気が変わったそいつはお前にやる。俺は少し別件でここを外す。」
「おいおいまさか、また少年少女狩りでもするつもりか?」
!?
「ああ他の奴等の歪んだ顔もたまらないが、やはり子どもが1番恐怖におののいてくれるからな。こっちの奴は対して何も面白くない。恐怖という顔や絶望という顔をしてはいない…ならばそんな相手わざわざ相手にする必要等ない。」
「きひひ!それもそうだな。けどよコイツ何故かはしんないがそれなりに魔力みたいなのは蓄えているみたいだぞ。力自体が何なのかは分からんが本当にもらってもいいのか?と言うか始めっからコイツは俺の獲物なわけでお前にやるつもりなんてないんだけどな。」
「ならその質問はなんなんだ。もうお前の好きにしろ。」
まだ僅かに痺れ残ってる以上不用意に始末するのは愚策だ。レッドキャップはただ力の為に我が欲しさでそんなの考えないやつだが…危険を察知すれば直ぐ様にここから離れるというのが妥当な考え……
「お前もいつまでも遊んでないでさっさっとそいつを始末して引き上げろよ。他の方角から来る奴らが気になるからな。」
「あいあい〜了解っと!」
「ま、待て…」
「あ?」
俺はどうしても聞き捨てならない単語を聞きアイツをグリーンキャップをこの場から逃がすわけにはいかないと静止をかける。
「あ?おいおいコイツ喋ってるぞ。まだ話せる元気があるとはな!」
ドガ!
「コフ!」
レッドキャップに思いっきり蹴りあげられ一夜は更に血を吐いてしまう。
ビシ!
ドガ!ドガ!ドガ!
「きひひひ!お前はもうここで死ぬんだ無駄な事はやめてとっとと死にやがれ!」
「くっ!」
バチバチ…
妙だ。レッドキャップも別に加減して蹴り上げてるわけじゃない。なのに普通に力を持っている奴俺達と同様の力なのかそれに伴う奴じゃないと堪える事はできない。
「おい!さっさっと始末しろ。お前はソイツを逃がすという選択肢はできないはずだ。」
「わってるよ!俺だって別に手加減してんじゃねぇんだよ!なのにコイツ全然息の根が止まらねぇんだ。どうなってがる。」
バチバチ…
ズシャン!!
!?
「な、なんだ!?」
突如一夜の身体から解き放たれる光る雷。その雷はレッドキャップを押し除け攻撃をやめさせた。そして一夜はゆっくりとその場からたちあがりレッドキャップとグリーンキャップを睨む。




