知能を持った海洋生物?
ぐちょぐちょぐちょぐちょ
大人しそうな姿形の精霊で俺達を上手く騙した海洋生物はみるみるとその姿を変えていきいわゆる妖怪みたいな姿へ変わる。
「ああ〜まさかこんなあっさりバレるなんて思わなかったな。いや寧ろ僕の方からバラしたのか?まぁどっちでもいいかそんな事。」
「カッパの化け物?妖怪の類いか何かか?」
「僕の事をそう呼ぶんだね。でも残念ながられっきとした海の生き物だよそれもアザリス様によって産まれた海洋生物。でもアザリス様が眠ってしまったおかげで僕はこうして自由に動けるんだ。ふふふ、やっとやっとだよずっと自由に色んなところへ行きたいと思っていたんだ。でもここだと何故か僕の事を怖がる精霊達が沢山いるんだよそんなの変だよね?だから向こう側でド派手な音が響いてきた場所からここまでどうやってきたか分からないお兄ちゃん達が来たんだ。こんなの運命の巡り合わせだよね?」
「何か色々とヤバそうなやつだなコイツ。」
「そうですね。知能を持った海洋生物でも種類が分からなければ皆さんが思うように妖怪の類いに近い生き物だと思います。」
そう私ならそう思う事が普通です。しかし千夜ちゃんの言う事がどうにも納得がいきません。ウリエル様が言った通りならここでの海洋生物での鉢合わせはそうそう無いはず。なのにどう言う事かさっきから妙に起こらない事が起こっている。こんなの明らかな誰かの仕業のせいになるって言ってもおかしくない。それに…
「いえよくよく考えたらあなた知能を持った海洋生物じゃなありませんね。何処からか迷い込んだ、或いは食物繊維でその力を得て自分が知能を持つ海洋生物か何かと勘違いしている。」
「何を言っているんだいお姉ちゃん僕は完全に知能を持った生き物なんだよ。そんな風に勘違いする理由が何処にあるのかな?」
「言動ですよ。その言動はとても知能がある海洋生物ではありません。たまたま知能が少し身についた海洋生物を食べて今その姿を維持している様な感覚を持っているだけ言わばなんちゃって海洋生物ですね。」
「つまり僕は邪魔者だって事なのかい?」
「邪魔者なのは確かですね。あなたがここにいるだけでここにいる人達は少なくても半分以上はあなたを邪険にしている。つまり何処かへ消えてほしいという事なんです。この意味が分かりますか?」
「このお姉ちゃん嫌いだな。食べちゃおうかな〜」
「とうとう言語の統一が出来なくなって来ましたか哀れですね。成れの果ての海洋生物は。」
「成れの果てだと?」
「はい。アザリス様の加護があってまだ生きながらえられる海洋生物がおそらくこの子なんでしょう。でもそれにはリスクが生じて意識のコントロールが無駄になり暴走を起こし辻褄が合わない精霊なのか自分が何なのかが未知となる障害が起こるんでしょう。だから力が暴走して自分の姿の原形が留まらなくなるんですああいう風にね。」
きへへへ
ふへへへ
ぐへへへ
のほほほ
かははは
完全に我ここにあらずといわんばかりの姿が目に焼き付けてしまい何もしないうちから不穏な空気が一気に広がる。
「えーと、つまりこの子は海洋生物の一種なの?それとも違うの?」
「海洋生物の成れの果てとでも覚えてくれれば良いかと思います。言ってしまえば暗い暗い海の底に1つの魚が垂らしだす提灯みたいな光がありますがそれは屍の魚だったというゾンビの一種で認識すれば問題はないはずです。」
でもどうしてアザリス様が今も眠っている事を知っているんでしょうか?もしかして前の記憶か何かをインプットしている?けれど何で?
「ゾンビか〜今の私じゃどうやっても対処しきれないかな。怨ていう概念は今の所対象外だし本命の剣を手に入れるにはウリ何とか様に合わなきゃいけないしね〜」
葵はワザとらしくフレイの方へ視線を仰がせるようにみながら挑発する。
「無理ですよ。いくら私でも勝手な約束はご法度とされてます。欲しかったら自らの手で手入れる様お願いしてください。」
「あららこれは手厳しいわね。フレイちゃんにそう言われちゃどうしようもないか。」
「んな呑気な事言ってる場合じゃねぇぞ。ここにいる精霊が怯えている原因はアイツが原因じゃないのか?だから家に結界が張られているんじゃ?」
「結界?結界が張られているのかあちこちの家に。」
「みたいですね。だから誰も外へでないんでしょうけど、どっちみち私達を食べる気ではいますねあの海洋ゾンビは。」
「ねぇねぇそれならここを早いとこ抜けた方がいいんじゃないのかな?ここの精霊さん達は結界で守られているなら襲わられる事がないし安全だから大丈夫じゃないの?」
「大丈夫ならいいんだが問題は俺達なんだろうなきっと。」
「どう言う意味?」
「よく気付きましたね一夜君その通りです。セラフィル様ここ一帯はもう完全にアレの捕食対象に入っています。つまりここの区域から出ようものなら私達は…」
「餌になって死ぬわけね。魂となって…」
「何だと!」
サフレットがそう驚くと向こう側での行動が始まった。
ビュン!
ビュン!
ビュン!
「くっまずいですね完全に私達を取り込もうとしています。こんなのがいるのをどうして演算システムは反応しなかったんですか。」
黒いビヨンビヨンとなる物体は何かの神経を発動しているのか何やらモザイクじみた炎症を起こし始める。
「何だこれ?さっきから原形が留まってないみたいだが…」
「それに触ってはいけません!自分を見失いますよ。」
サフレットがその物体が気になってしまったのかついとっさに触れようとするのをフレイの大きな声で制止する。
「あ、あぶね〜ってか何でこんな物に触れようとしたんだ俺は?」
「言った筈ですよ。向こう側は障害を起こしています。並びにこちらへの精神障害を与える事もままならない可能性もあるんです。十分に自我を保ちながらこの場を動かないで下さい。」
「動かないってまさかずっとこのままなのか?」
「いえ今演算システムを行なってここの突破を切り開く為の演算中です。それまでは待機を。」
「その間にあっちから攻撃を仕掛けてきたらどうするの!いやもう攻撃されてるんじゃないの!」
「それは問題ありません。もう一度いいますがアレは私達を捕食対象としてみなしています。だから私達を殺すという条件は外れています。」
「………その演算システムはどれぐらいかかるんだ?」
「およそいえ私達の精神がアレに取り込まれる前にはなんとか……」
「本当なのか?」
「………わかり、わかりません。ですが今の状態では何も出来ないというのが結果論です。」
フレイがここまで追い込まれる条件まで陥ってしまうとなると今回のアレは相当やばいんだな。あの黒い物体ですら何もする事ができないし本当に今の状態じゃ何もできないんだなクソッタレ。
「はぁ〜〜正直言ってここで私が出る事までは予想はしていないんですけどね。サフレットさんリバース・エターナルを発動して下さい。このままではリーチが届きにくいです。」
「え?あ、え?」
「言う通りにして下さい死にたくなければね。」
「わ、分かった!」
サフレットは千夜の言う通りにしリバース・エターナルを発動し自分のいる場所から黒いモヤのかかった海洋生物ゾンビの所まで範囲が伸びていく。
パチン!
「やっぱり触れただけでも害ある対象なのか少し痛みが走りますね。でもただそれだけ、バランス・ザ・ドリーム。」
パチパチパチパチ
シュゴわ〜〜〜
「!?」
海洋生物のゾンビは千夜の力に何かしらを感じたのか急いで黒っぽい触手を千切り離す。
「ぐるるる〜おまえ、厄介。殺す。」
「へ〜意外ですね。ゾンビでも意識はありますか。と言うよりもさっきまで喋っていたんですから当然ですね。ですが…」
トン!
タタタ!
千夜は無効水にそのまま海洋生物のゾンビに向かって走り出していき数数の黒い触手を打ち払っていく。
「す、すげ〜千夜のやつあの触手に触れているのに何も狼狽える事なく突き進んでいる。いったい何の力なんだあれは?」
てか前の世界であんな力あったか?何か重力関係の技だったような気がするが…まさか新しい新技?
「あの子元々がああいう力を持っているって話しらしいわよ?」
「え?じゃああの触るだけで消えるのは本来千夜の力ってわけですか?」
「バランス・ザ・ドリーム、文字通り平行による夢の力で全てを無に返す力と言えば聞こえはいいかもしれないけど彼女の場合その力によって力のバランスが変わるみたいなの。アレは単にあの力を吸収しているだけね。」
「ならこの危機を打破してくれるていうわけか?ある意味頼もしいじゃねえかあの姉ちゃん。」
「ううんでもそれだけじゃ勝てないよ。相手の特質となる力を上手く自分の物にしないといけないんだから、変容したあの海洋生物は未知なはず、もしかしたら千夜お姉ちゃんがやられるかも。」
「いや千夜はそこまで馬鹿じゃない。自分の力は自分がよく知っているはずだ。」
妙に信頼してくれてありがとうございます一夜さん。でもその通り私の力は私自身がよく理解しています。この力の利点は上手く相手の力を他の力に媒体する事ができる事、でもそれには相手の強さによって力の具現化が要になります。なので未知な相手にさえつかえなければ問題はありません。そう相手が未知の相手さえじゃなければです。
「く、来るな!」
「さっきまでの余裕な顔は何処にいったんですか?そのまま消えてしまいなさい。」
パチン!
ドシューーーーー!!
「ぬぉぉぉぉぉ!!!」
千夜が海洋生物のゾンビの前を通りすぎた後指先を鳴らしそのまま塵となって消え去り一夜達は無事にこの場を全員打開することに成功する。




