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10月23日金曜日

 私は夜道を自転車で走っていました。電灯もない真っ暗な道を、小さなライトだけを頼りに。道沿いに並ぶのは背の低い民家と木々ばかりで、田舎なのだと、そんな印象を覚えました。虫と蛙の合唱が、やけに響いて聞こえました。


 知らない場所です。知らないと知っていました。通行人は誰もいない。車すら通らない。頼れる人は誰もいない。私はスマホの地図アプリを開いて、必死に帰り道を探していました。走って、止まって、調べて、また走って。そんなことを繰り返しているうちに、充電はみるみるうちに減っていきます。


 充電がなくなったら、スマホが使えなくなったら、こんな暗闇の中、何を導に進めば良いのでしょう。たった一つの希望が消えるのが怖くて、怖くて、必死にペダルを漕ぎました。どうにか間に合えと祈りました。街に着けば、コンビニに入れば、充電器を手に入れることができますから。


 でもダメでした。液晶画面は真っ黒になって、どこを押しても何をしても反応しません。何度も何度も見たはずの地図はさっぱり思い出せなくて、先の見えない道が、その向こうの夜が恐ろしくて



 そこで目が覚めました。今日もかえれませんでした。

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