12話 新しい仲間!!
三人は街へと辿りつき、家に戻るとシェリーが玄関を開けてくれた。
「克己様、何か友達と言われている方が訪ねて来て……今、応接室にいるんですけども……」
シェリーがそう言ってきた。
「俺の友達ですか? こっちの世界でそんな奴はいたかな?」
克己はそう答えて応接室に行くと涼介がいた。
「おぉ! 涼介か! 友達と言われて誰か気がつかなかったぞ! その後はどうだ?」
克己は興奮したように涼介に抱きついた。
「あれから色んなモンスターと戦ったりしてだいぶレベルも上がったぜ! て、お前レベルとか職業とか知っているか?」
涼介がそう言って来たのでつい先ほど知ったことを教えると笑われた。
「あの時、街であった時にもう知っているものだと思ったよ!」
涼介は笑いながら言ってきた。
「で、涼介、どうしたんだ? それにしても凄い装備だな!」
克己が驚きながら涼介に話していたらノエルが具合悪そうだったので、シェリーに頼んで部屋まで連れて行かせた。
「いやぁ~この銃だけだと限界が近くてな、整備してもらおうかと思ってさ、それにドラゴンを倒した武器が欲しくてね……譲ってくれないか?」
涼介は克己にお願いしてきた。
克己は涼介がこんなところで涼介が死んでも困るのでレーザーバズーカを譲り、銃も整備してあげた。
「涼介、お前のレベルは今いくつなんだ? それに職業は?」
克己ついでに気になることを聴いてみた。
「俺のレベルは11で職業はガンマンと剣士だな、千春は魔法使いで小春は剣士だぜ」
涼介がそう言ったが、聞きなれない名前があったので聞いてみた。
「小春? 新しく誰か雇ったのか?」
克己は涼介に聞いてみたら小春という小さい子が出てきた。
「こ、小春と言います。よ、よろしくお願いします」
克己は余りにも小さいので年齢を聞いて見たら10歳だった。
「涼介、余りにも幼過ぎるじゃんか!」
克己は困ったように涼介を窘めた。
「金がなく安いのがそいつだったんだから仕方ないだろ!」
涼介は困ったような声を出しながら言い返してきた。
「ライラ、二人にお菓子でも出してあげてくれ」
克己がそう言うと涼介も言い返してきた。
「お前だって幼い子を雇っているじゃないか!」
「家事清掃ができる年代があのくらいしかいなかったんだよ」
そうこうしているうちにライラが洋菓子をもってやってきた。
「お前のところのこの子は凄いな、こんなのまで作れるのかよ!」
涼介が言ってきた。
「俺が教えたんだよ、料理本買って訳してそれを教えた」
涼介が笑いながら聞いていた。
「お前も大概だな。このバズーカ、弾は何発入るんだ?」
涼介が聴いてきたのでゴブリンのコアで五発ほど撃てることを説明した。
銃の整備が終わり、涼介にこれで最後だからなと克己は言って涼介は了解! と、返事して街から出て行った。
「ふ~、疲れた、そういえばシェリーは職業とレベルはいくつなんだ?」
克己は気になったので聞いてみたら武闘家でレベルは5らしい。
「あの二人より強いじゃないか!」
克己は驚きながらそう答えた。
「あらあら……私は一応王女でしたので武道の嗜みくらいは持っていないと身の危険は防げませんからね」
シェリーは答えた。
「ではシェリーも旅をするときはついてきてくれよ」
克己がそう言うと、シェリーは「命令ですか?」と聞いてきた。
「嫌ならいいけど、できれば来てもらいたいな。俺を襲うくらいの勇気があるんだから」
そう言うと、シェリーは分かりましたと言ってお菓子を食べていた。
あと一人かと思いながら克己は食事をして部屋に戻り、ベッドで横になっているノエルを確認したら、すやすやと寝ていたので安心して布団に入り寝ることにした。
翌朝、奴隷商館へ向かい、護衛の魔法使いが欲しいと言ったら婆や爺ばかりが出てきた。
「あの、もっと若い子はいないんですか?」
「いますがレベルが……」
「あぁレベルは5以下でいいですよ」
そう言うと若い子がやってきて並んでいた。
「この中に魔法剣士なんていますかね?」
克己が質問すると三人ほど腕をあげた。
「魔法剣士って土魔法が使えます?」
克己はできる限り絞ることにした。
一人だけ土魔法を使える魔法剣士がいたが15歳と意外と若く、レベルは2だとのことだった。
克己はその子を購入して名前を聞くと、アルスという名前だった。
「アルス、これからよろしくね」
「い、命に代えても守らせていただきます!」
アルスの外見は幼いが、胸がそれなりに大きかった。
レミーレベルだと思いながら連れて帰り、ノエルに服のサイズを測ってもらい家へと戻りユナクロで服と下着を買ってきた。
アルスは物凄く上質な生地だと驚いている。
「こんな上質な服を私が着ても良いのでしょうか!」
克己は構わないといって、何着か服を渡した。
アルスは泣きながら喜んでいるので、サイズが小さくなったら言ってくれと言い、アルスの部屋を用意してお風呂に入るよう促した。
奴隷のアルスはまるで自分がお姫様になった気分になり、喜んで克己に忠誠を誓う。
「他の二人とは大違いだよ」
克己は二人に聞こえるように呟くが、二人は食事に夢中で聞いていなかった。
「シェリーも魔法とか使えるの?」
克己はこの際、聞けることはなんでも聞いておこうと思い聞いてみると、シェリーは回復魔法が使えるらしい。
これは僧侶として育てたほうが良いと思いながらおかずを食べていた。
その後、自分の店に行き店内の様子を確認して、問題ないと思いながらペルシアに話しかける。ペルシアはウェイトレスの人数が足りないから雇っていいかと言われたので、ペルシアに全て任せ、ペルシアは直ぐに商業ギルドへと向かっていった。
「そういえばアルスも剣士だよな、一応武器を見に行こうか」
克己がそう言うとアルスは目を輝かせながらついてきた。
武器屋に到着すると、二人は武器を選ぶ。
なんと、珍しくミスリル系の武器があった。
「これは随分と珍しい物が有るなぁ」
克己がそう言うとアルスはそれが欲しいと言ってきた。
「おい、オヤジ、この剣はいくらするんだ?」
「ミスリルですので……白金貨1枚になりますね」
意外と高いなぁと思いながらアルスを見ると、嬉しそうに剣を見ているので仕方なく剣を買うことにした。
「あの目で見られると弱いよな……俺」
そう呟きながら防具屋へ行き、適当に皮製の防具を購入し、家に戻って行く。
翌日、店の状態を再び確認をしたらコップとカップの数が足りないとペルシアが言ってきたので家に戻り、直ぐにコップとカップをネット通販サイトで100個ずつ頼んだ。
ネット通販サイトは翌日に届くというシステムが有名でかなりの人がこのサイトを利用している。
さらに翌日、そのネット通販サイトから荷物が届いたので、ノエルと一緒にコップとカップを店に持っていき、帰りにノエルが「私も……もう少し強い武器が欲しいです」と、言ってきたからビームサーベルをプレゼントして、克己は予備のビームサーベルを装備することにした。
「これはすごい剣じゃないですか! こんなもの貰っていいのですか!」
「一応奴隷だけど恋人だし……いいんじゃないか?」
そう言うとノエルは泣きながら抱きついてきた。
「これがあればどんなモンスターにも負けませんよ!」
なんて当たり前のことを言うのだろうと思いながらストラップみたいに紐をつけて手首から落ちないようにしていた。
克己は武器を持つのが面倒臭いので袋にしまっている。
まぁ、フォルスターにしまってあるレーザーガンがあるからそんなに危なくなることもないし……と、考えていた。
さらに翌日、皆がもう一度あの洞窟にリベンジをしたいと言ってきた。
まぁ、アルスとシェリーは始めてのことだから行ってみたいという思いが強いみたいだった。
しかし、家の中をライラだけにするのは不味いと思い、また奴隷商館へ行き新しい護衛剣士を買い、屋敷の護衛をさせることにした。
彼女の名前はライという名前らしい。
年齢も30代、かなり経験を積んでいるため、高いレベルを誇っているとの事だった。
克己は皆に挨拶させ、一行はまた洞窟へと旅に出たのであった。




