第7話 あの日の公園で
類斗はわたしが飲み残したお酒や、ビールも何杯も飲んで顔を赤らめている。密着がすごいし、腰に手も回されているし。肩に頭乗せられたり。
「類斗ちょっと……」
「ええやん、久しぶりに会えたんやから」
お構いなしに、続ける類斗。わたしがトイレに立つと、ついてくる。用を足してドアを開けると立って待ってて、手を洗うと手を引かれて外に連れて行かれる。
そして、きつく抱きしめられ、深いキスをされる。
「類斗……」
「我慢できるわけないやん、ゆりが隣におるのに、こんなに可愛いゆりが」
「類斗……わたしも」
「くそー離したくないー。頭パニックやわ」
「わたしも離れたくない」
「このままどっかいっちゃう? ふたりで」
わたしたちは手を繋いで体を密着させながら少し散歩をする。酔ってさらに甘々になった類斗も可愛いすぎる。あったかい類斗の体温を感じる。こんなに類斗が大きくなると思わなかった。大好きだー……心の底から。
駅前の公園まで来てベンチに座るとまた抱きしめられる。
「ここでさー旦那さんとおるの見たんや……」
「蒼くんと?! 高校のころぐらいやけど、ここで会ってたん」
えー?! いつの話よ。見られてたん?! まじか。驚きすぎて言葉が出ない。
「ラブラブでさ……まじかよ……でも当たり前か、とか色々ぐるぐる考えたけど、不思議とゆりへの想いは全然変わらへんくて。絶対結婚するのは俺やねんって思ってた」
「ほんまに……? 見られてたとか恥ずかしいし。でも類斗がそばにおったなんてびっくりやわ」
「こっち戻って来て、ずっとゆり探してたよ」
「なにそれー可愛い」
わたしは類斗の頭を撫でる。嬉しそうに、まっすぐにわたしの目を見つめてくれる。
「ゆりからもして? ちゅー。あの日みたいにさ」
あの日……? って、ラブホ連れ込んだ日!!?
「やめてー恥ずかしい、もうほんまに後悔してるのに……」
「積極的で、嬉しかったけど。キスも夢かと思うほど嬉しかった」
くしゃって笑う類斗。ずるい……好きだけが増してく。
「ほんまに……忘れてほしい」
類斗の胸にわたしは顔を埋める。
「俺は絶対に忘れへん……、死んでも忘れへん。ゆりとの思い出全部絶対に」
「嬉しい……」
わたしが顔をあげると切なそうに類斗が笑っていた。同じこと考えてるんかな? この関係がいつ崩れるか、どうなるかわからへんことを。こんなに想われてるのに、不安やっていったら罰当たり?
「戻りたくないけど、ふたり心配してるかもしれへんから戻ろっか……」
類斗の言葉を塞ぐみたいに、わたしは類斗の膝に手をついて、唇を優しく重ねる。
類斗が驚いた顔をする。あの日と変わらない目で、わたしを見る。幼稚園の頃から変わらない綺麗な目だ。透き通った目で世界を見る、そんな目。




