第二十四話 醜さ
「すみません、ほうとう屋を開くのを阻止できませんでした‼先輩からの圧力が強くて…へへぇ…」
山梨の保健所の幹正の願いを散々断っていた職員が遠慮気で、さらには青ざめた表情をしながら言った。その職員が見ていた先には、長い長い黒髪、そして、黒いしっかりとしたスーツを着ていて、マントを羽織り、ひげを生やし、花柄の帽子をつけていた。その人物は、目の前にあった机に八つ当たりするように、手を机にたたきつけ、そして、
「言い訳はいい、というか御免だ、貴様、何をしておった、そんな事ぐらいやって来れないのかぁ‼罷免じゃあ‼去れ‼」
と、手を振ってまるで「用済みだお前は‼」と示すような言葉を手で言った。それを受けたその職員は、
「ひえええええええええええええええ‼」
と、その男に恐怖したのか、その男により自身ができなかった事に対しての仕打ちを恐れたのか、手を両手に突き出し、まるでキョンシーのようなポーズをとりながら去って行った。それを見てその男は、
「愚かな…これくらいの事すらできんとは…この時代の男とは愚かだ‼その結果、我の計画の一歩が踏み出せないじゃないかぁ‼」
と、男は自身の味方の無能さに嘆いたのか、自身の味方選びに後悔したのか、とにかく、とにかく叫んだ。そして、また机に八つ当たりなのかパンチをした。そして、
「それにしてもよりにもよって…信玄、この時代まで奴が来ている事すら大誤算だったわ…。ふぅ…よし、奴を潰す‼前世でできなかった…そう、奴を潰せる機会がやってきた…この機会に奴に我が強い者だと思い知らせようぞ‼」
そう、その男、織田信長は転生していたのだ。そして今、同じく転生をしてきていた武田信玄に、心の中で宣戦布告をした。
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