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レイジとレオの海の日……?

海の日? バイトですね!

 シェーンでの夏という事で、海に遊びに行く事にした。と言ってもハインリヒは基本的に温暖な気候しか無い……というか、まず海が無い。なので海があり、夏っぽい気候のゼメルという国に遊びに来た……までは良かったのだが……

 目の前には、どこまでも続く青い海。後ろを振り向けば生い茂る木々……ゼメルのビーチ、ではなく、そこからかなり流されたどこかの無人島だ。


「全く……オッサンの野郎、はしゃぎ過ぎなんだよな」


 レオが半獣化の姿で、俺の事を背負ってくれている……何故かと言うと、義手も義足も外していて浮輪しか付けていないからだ。他の従者は来ていない、多分フェルを中心に安全に俺を連れ戻す方法でも考えてるんじゃないだろうか。

 こうなった経緯はレオの言う通り、原因ははしゃぎ過ぎたネルガのせいだ。異世界には存在しない浮輪を見て、ネルガが俺を海へとぶん投げた。そのまま流されていく俺にレオが何とか泳いで追いついてくれたが……流され続け、この状況というわけだ。絶対、ネルガ、許さない。


「レオ、暑くないか? 何処かの日陰に置いていってくれても良いんだぞ?」


「馬鹿言え。義手義足があるならそうしたけどよ……今のレイジ様を置いていくわけにはいかねーだろ。この島にどんな奴が居るかも分かんねーしよ」


 義手や義足は海と潮風のせいで錆びるから、置いてきたのがなぁ……やっぱり、海に対応した義手と義足も必要だな。無事に帰れたらフェルに相談してみよう。

 レオはとりあえず、海沿いにずっと歩いている。多分、島の大きさを確認しているんだろう……結構歩いてると思うけどまだ1週出来ていない辺り、この島はかなり大きそうだ。


「結構デカい島だな……これだけデカいなら、普通に川とかありそうだな。取り敢えず森の中探索して、川と洞窟……後は水を入れる何かだな」


「おおっ……何かサバイバルっぽい!」


「サバイバルっぽいんじゃなくて、サバイバルなんだよ。まあ、オレが居る限りしんどいサバイバルにはさせねーよ」



 ……と、思いっきりフラグを立てていたレオだが、綺麗な川を発見し、夏の気候の割にひんやりと涼しい洞窟を発見し、丁度良い感じの石を2つ、爪で削り出してコップを用意してくれた。更に俺を背負いながらでも川で華麗に魚をつかみ取り、森の中では匂いで果物を見つけ、体が冷えないように火属性の魔法で焚き火を用意してえ魚を焼いてくれている。


「……順調すぎない?」


「当ったり前だろー? 今更そんな事を言われても、嬉しくなんてねーぞ?」


 嘘だ……犬みたいに尻尾をブンブンと振っている。というか、振り過ぎて尻尾が2つに増えて見える……けど、見なかった事にしておこう。

 うーん……レオのおかげで無人島での生活に不便は無いかな。いや、義手と義足が無いのはかなり不便だけど、そんなの今更だし……強いて言うなら、暇を潰す手段が無いのがなぁ。まあ、でも……


「………………レオ?」


「な、なんだよ……?」


「フェルは転移が出来る。それにレオが逆らえるような潮の流れをネルガが逆らえないとは思えない……普通に遊ぶだけじゃ駄目だったのか?」


 例えばこの無人島に結界が貼ってあるとかだったら、フェルが来ないのも分かるけど……ここに特別な魔力は感じない。それにこうなったのはネルガのうっかりのせいだというのに、ネルガが何もしていないのもおかしい。

 俺の言葉にレオは顔を俯かせるが……俺は別に怒ってはいない。常にレオが一緒に居てくれたおかげで俺は安心していたからだ。


「……だってよぉ。レイジ様、最近仕事ばっかで、あんまりオレに構ってくれねぇじゃねえか。それに何か問題があったら大抵フェルとオッサンが解決しちまう。オレ……レイジ様の役に立ててんのか心配でさ……」


 この世界の基準で言えば、レオはかなり実力が高い。それでも俺の屋敷の従者の中では上から3番目……レオが不安になるのも仕方ない。というか、俺が領主の仕事ばっかやって、レオとあまり2人きりで会話とかしてないのが1番の原因なんだけどな……


「そんな事無いよ。レオのおかげでとっても助かってる。俺の従者の多くはレオを慕ってるんだからな。レオが残っていなきゃ、きっと半分くらいは屋敷を出て行ったんじゃないかな?」


「そうかなぁ……オッサンが居れば残ったと思うけど」


「…………レオ」


 多分……レオは寂しいんだよな。寂しいから、心配とか不安で心が埋め尽くされているんだったら……言葉とかじゃなくて、行動でレオに示さないと。


「レオ!」


 隣に座るレオの膝に、倒れ込むように頭を乗せる。不安そうに眉をひそめているレオと目が合う。手が無いからレオの頬に触れる事は出来ない。腕が無いから抱き寄せる事も出来ない。でも……無いからこそ、俺には頼ることが出来る。


「気の済むまで、ここに暮らそうか?」


「……え?」


「どうせ資源がヤバくなったら、フェルが助けに来てくれるだろ? それまではここでレオのやりたい事をやろう」


 ここで思いっきり、レオに甘えていよう。俺だって仕事はやりたくないし、折角の異世界だ。女の子とイチャイチャしていたい……レオみたいな女の子だったらもうずっと一緒に居たいくらいだし。


「だったら……」



 結局、焼き魚と果物だけ食べてから、皆の所に戻って来た。レオは申し訳なさそうにしていたが……皆は暖かい表情で俺達を迎え入れてくれた。

 レオが言っていた事は週に1回、一緒に寝る事だった。多分、眠るだけじゃ無いんだろうけど……まあ、仕方ないか。


「お帰りなさい、レオ。上手く行ったでしょう?」


「オッサン……上手く行ったつうか…………なんか、ごめんな?」


「ネルガ……お前は暫く書類仕事な……!」


「……なんということでしょう」


 今回の無人島までの旅は、レオがネルガに相談した結果らしい。フェルも共犯のようで、あの無人島は全てフェルが作り出したらしく、資源が尽きる事は無いらしい。フェルは恐ろしい程にチート過ぎる。

 膝から崩れ落ちるネルガは放っておき、フェルに目を向ける。ウィンクと口元への人差し指で、後で返された。分かってる……今はレオ優先、だな?

ちょっと短くなってしまいましたね……反省

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