第82話
「ユウキ準備は出来てる?」
「うん、出来てるよ」
昨日マーザさんに湿布を渡し、その後家に帰って来て一週間分の料理をして【便利ボックス】に入れたり、セリスさんの呪具グッズの整理を手伝ったりと色々と忙しかったが、なんとか準備は全部終わった。
「それじゃ、ユウキこれを着けてくれる?」
とセリスさんはあのネックレスを渡してきた。
「うぅ・・・」
「それじゃ、結界を張るからわね」
と言ってセリスさんは一瞬にして僕達の周りに青白い光の輪を出現させた。
「はい、結界を張ったから着けて」
「・・分かりました・・」
僕はネックレスのホックを外し首に掛けホックを閉じた。
その瞬間、目の前に居たセリスさんが消えた。
「あっ、あれ?セリスさん何処に行ったんですか?」
〝あっちょっと待ってね〟
「うぇ?!」
突然、頭の中にセリスさんの声が聞こえ僕は驚いた声を出した。
そして、首の骸骨が一瞬光、目の前にセリスさんが現れた。
「いやぁ、これ使ったの初めてだからまさか吸い込まれる形の物だったのは知らなかったわ、まぁこれで良いと思うわ、さっ行きましょう」
「はい」
と言って、僕とセリスさんとユノとウルは最近住み慣れてきた家に鍵をして、『グラージャノ』へと向かう旅に向かった。




