第94話 GOAT
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ゴニョゴニョ…
「えーーっ!!」
「そんな危険なこと…」
「本当にやるつもり!?」
「マックス…」
真剣な面持ちでマックスの方を向いた。
「マトンは命を懸けたんだ…」
「今度は俺の番…」
「それに…」
「何だか… 全く失敗する気がしないんだ…」
「……」
「わかったよ…」
「ロープが切れそうだ…」
「急いで準備する…」
シンとマックスは掴んでいたロープを離した。
「ん…?」
「あいつら何してんだ…?」
ブチッ…
はぁ… 私の人生これでおしまいか…
もっと… オシャレしたかったな…
もっと… 色んな場所を旅したかったな…
そして…
ラムと仲直りしたかったな…
ピカッ!!!!
「えっ… 何この光!?」
マトンの腕輪が光りだした。
ブチッ!!!!
マトンを繋いでいたロープが切れた。
「マトン!!!!」
「ラム…」
「ごめんね…」
マトンは落ちていく中でラムの方を向き涙を流した。
「マックス!! 今だ!!」
「わかった!! 行くよ!!」
「加速蹴り!!!!」
ドン!!!!
「いっ…」
「痛ってーー!!」
マックスはシンの体を思い切り蹴飛ばした。
「おいおい!! 何してんだ!?」
「お前!! あいつを殺す気か!?」
「……」
「マックス…」
「俺は今マトンの能力を使える…」
「俺の考えとしては…」
「全身を羊毛で覆うから、お前が思い切り下に向けて蹴飛ばしてくれ…」
「俺が、マトン達のクッションになる…」
「シン…」
ポン…
凛はマックスの肩を叩いた。
「あいつを信じよう…」
「うん…」
「えっ… さっきのは確か山頂でずっと寝てたやつ…」
「何で蹴り落されたの!?」
……
体がフワフワする…
それに… 真っ暗…
これが死…
……
もう何も考えないでおこう…
マトンは目を閉じかけた。
「うわーーっ!!!!」
ビュン!!!!
「えっ!! 今の何!?」
「薄目ではっきり見えなかったけど…」
「何かが猛スピードで落っこちてった!?」
「それに… あの声…」
「シン様!?」
ヒューッ…
バフッ!!!!
「……」
「あれっ…」
マトン達は地面に落ちたが、何かが衝撃を吸収した。
「おー… 痛てて…」
「落ちた衝撃より、マックスの蹴りの方が痛かったぞ…」
「その声は…」
「やっぱりシン様!?」
「あー… そうだよ…」
「大丈夫か!? マトン!?」
「大丈夫か…?」
「私… 生きてるの…?」
「ここは… 地面がある…」
「ということは…」
「崖の底のはず…」
「……」
「もしかして…」
「ここが天国なの…?」
モフッ…
「えっ… 何かフワフワしたものに触れたんだけど…」
「もう!! 真っ暗で何が何だか分からない!!」
「おーい…」
「!?」
「あの声は…」
「マックス!!」
マックスの声がうっすらと聞こえてきた。
「おーい!!」
「マックス!!」
「マックスさーん!!」
「……」
「ん…?」
「何か聞こえたぞ…」
「おーい!! シーン!! マトンさーん!!」
マックスはシン達の方に耳を傾けた。
「おーい!! マックス!!」
「マックスさーん!!」
「あっ… シンとマトンさんの声だ!!」
「ほっ… 本当か!!」
「うん!! はっきりと聞こえたよ!!」
「2人共ーー!! 大丈夫ーー!?」
「うーーん!! けど… 暗闇で周りが全く見えないんだ!!」
「何でもいいから周囲を照らせる物を送ってくれないか!?」
「わかった!!」
「マトン達は何て言ってたんだ!?」
「下は暗闇で何も見えないから…」
「何でもいいから周囲を照らせる物を送って欲しいって!!」
「わかった!! 俺!! 懐中電灯取ってくるよ!!」
ウール集落の男は懐中電灯を取りに駆けて行った。
「よし… けど、問題はどうやって送るかだ…」
「ロープに巻き付けて、送ればいいんじゃないのか!?」
「持ってきたぞ!!」
ウール集落の男は手に持つタイプの懐中電灯を持ってきた。
「……」
「それもありだが…」
「さっき、岩肌でロープが切れたみたいに…」
「懐中電灯を巻き付けたロープが切れたら危険なんじゃないのか…?」
「それに、岩肌にぶつけて懐中電灯を壊す可能性もある…」
「じゃあ… どうすれば…」
その場に沈黙が流れた。
「私なら… 出来るわよ…」
沈黙を破り、ラムが声を上げた。
「ラム…」
「何か策があるのか…?」
「まぁ… 見てて…」
ぐっ…
ラムは全身に力を入れた。
ぐぐぐぐ…
ニョキッ…
「!?」
「マジかよ…」
「……」
メェェェ…
角が生えて、ラムは真っ白な4足歩行の山羊になった。
能力名:史上最高の山羊(GOAT)
「らっ… ラム!?」
「お前そんな能力があったのか!?」
「別に隠していたわけじゃないのよ…」
「見せるタイミングがなかっただけ…」
「……」
「ともかくだ…」
「お前の策を教えてくれ…」
「……」
「まず… 誰でもいいから…」
「ヘルメットと…」
「ヘッドライト…」
「長いロープを持ってきて…」
「わかった!!」
モヘア集落の男が言われた物を取りに駆けて行った。
「……」
ヘッドライト使うんだったら、俺が取りに言った意味ないんじゃないのか…?
まぁ… いっか…
「……」
「恐らく、この役割は私にしかできないと思うから…」
「みんな協力してほしい…」
「それじゃあ… 策を伝えるわ…」
第94話 FIN




