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第77話 アリサ

未熟ながら精進して参りますのでよろしくお願い致します!

感想・レビューお待ちしております!

「さぁさぁ!! お立合い!!」



「愛(・)と(・)勇(・)気(・)と(・)感(・)動(・)の(・)人(・)形(・)劇(・)の(・)始(・)ま(・)り(・)だ(・)!!」



「コエガチイサイ!!!!」



 パスッ!!!!



 シンはフェルトの剣で自分の頭を叩いたアーサーの首を掴んで持ち上げた。


「うーーん… フェルトなだけあって、全く痛くない…」


「コッ… コラ!! ハナセ!!」


「はいはい…」


 シンはアーサーの首を掴んでいた手を離した。


「フゥ…」


 アーサーはフェルトの剣をシンに向けた。


「ボクハユウカンナケンシニナルンダ!!」


「イマハヨワクテモ、イツカハオマエヨリツヨクナッテヤル!!」


「うーーん… 劇の役になりきってるし…(まず、フェルトの剣をどうにかしろよ…)」



「おーーい!! アーサー!!」


「もう少しで、劇が始まるぞ!! 早く準備しろー!!」


「アリサ!! ワカッタ!!」


 アーサーはアリサの方に走っていった。


「……」



「昔々あるところに、獅子の姿をした剣士がおりました…」


「この物語の主人公です…」



「ボクノナハ… “アーサー”!!」



「うーーん… 手伝うっていったって、結局、客寄せか…」


「……」


「そういえば、アリサさん…」


「能力で動かしてるって言ったよな…」


「だったら、この腕輪を使えば…」


「俺にだってできるんじゃないのか…?」


 その日のアリサ達の人形劇は大盛況の最中、終了した。


 ー舞台袖ー


「あのー… アリサさん…」


「あっ!! シン!!」


「客寄せありがとね!! おかげで、いっぱいお客さん入ってくれたよ!!」


「……」


「そのことなんですけど…」


「もしかしたら、俺も能力を使えば、アリサさんと同じように人形を動かすことが出来るかも…」



「キャーーッ!!!!」



「何だ!?」


「叫び声!?」


 シンとアリサは舞台袖から、辺りを見渡した


「あっ!! アリサさん!!」


「あれです!! ナイフを持ったピエロがキャリーバックを持って、走ってます!!」


「あっ!! ほんとだ!!」


「ひったくりか!!」


「……」



「あれ!! 私のじゃないか!!」



「あの中にはアーサーと今日稼いだチップが入ってるのに!!」



「アリサさん!! 追いかけましょう!!」


「うん!!」



 シン達は、舞台袖から飛び出し、ピエロを追いかけた。


「待て!! 泥棒!!」


「キャリーバックを返せ!!」


「ん!?」


「このバックの所有者か!?」


 ピエロはシン達の方を向きその場で立ち止まった。


「フフフ…」


 ピエロは左手にキャリーバックを引き、3本のナイフを右手の指で挟んでいた。


「あんたら、これを取り返しに来たんだろ…?」


「だが、残念…」



「これはたった今から俺のものだ!!」


「返して欲しかったら力ずくで取りに来な!!」



「アリサさん… どうする…?」


「……」


「うーーん… めんどくさいな…」



「アーサー!!」



「あんたの出番だ!! 出てきな!!」



 バッ!!!!



「フッ… イチレンノハナシハキカセテモラッタ!!」


「アトハボク二マカセナ!!!!」


「なっ… 何だこのぬいぐるみは!?」


 バックの中からアーサーが飛び出してきて、ピエロに斬りかかった。


「何だあの迫力は!? もしかしてあいつ強いのか!?」



「くらえ!!」



「ボコッ!!!!」



 アーサーはピエロのパンチで吹き飛ばされた。


「弱っ!!」


「まぁ… でしょうね…」


「軽く拳が当たっただけなのに… あんなに吹き飛ぶものなのか…?」


「まぁいい…」


「さぁ… お2人さん、どうするんだ!?」



「アリサさん… 俺に考えがある…」


「あのライオンはダメだったけど…」


「劇で使った、ドラゴンの人形だったら、勝てるんじゃないのか…?」


「確かに!! その手があった!!」



 ピューッ!!



 アリサは指笛を鳴らした。


「龍(たっ)ちゃーん!! お願い、力を貸して!!」



 グォォォォ!!!!



 バサッ!! バサッ!!



 ドラゴンのぬいぐるみが空を飛んでやって来た。


「何だ!? またぬいぐるみ!?」


「ありがとう!! 龍(たっ)ちゃん!!」


「早速だけど…」


「あのピエロに攻撃して!!」


 ドラゴンはアリサに頷いた。


 グゥゥゥゥ……


 ドラゴンの口のあたりが赤く光り始めた。


「何かするつもりかわからんが…」


「これでもくらいやがれ!!」


 ピエロは自分の右手に持っているナイフをドラゴンに向けて投げた。


 グサッ……


「あっ… 龍(たっ)ちゃんの首に刺さった…」


「……」


 グゥゥゥゥ……


 ドラゴンの口の光がどんどん小さくなって消えていった。


「どっ… どうした!! 龍(たっ)ちゃん!!」


「……」


 ぐっ…


 ドラゴンは振り返り、涙目でマリサを見た後、どっかに飛んでいった。


「……」


「フェルトの体にナイフが刺さって痛かったんだね…」


「後で、切れた部分を縫ってあげよ…」


 まっ… まともな戦力がいない…(俺を含めて)


「何かよくわからんが…」


「お前ら、ほんとに取り返す気があるのか!?」


「当たり前だろ!!」


「あれっ…」


「投げたはずのナイフが、ピエロの元に戻ってる…?」


「フフフ… よく気づいたな!!」


「これは俺の能力…」



「“道化師の奇跡(クラウン・ミラクル)”によって起こっている!!」



「俺は自分の所有物を手放したとき…」


「俺が望んだ場所に移動するという能力を持っている…」


「つまり、俺はこのナイフを何本投げても…」


「俺が手元に移動することを望めば…」


「必ず、戻ってくるということだ!!」


「……」


「へーっ… 便利な能力…」


「はぁ… 仕方ない…」


「あんまり、こんな場所では使いたくないんだけど…」


「シン… 手伝ってくれたお礼だ…」



「特別に、こ(・)れ(・)か(・)ら(・)私(・)の(・)能(・)力(・)を(・)見(・)せ(・)て(・)あ(・)げ(・)る(・)…」



 第77話 FIN

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