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第61話 エミリア

未熟ながら精進して参りますのでよろしくお願い致します!

感想・レビューお待ちしております!

「どういうことなんですか…?」


「私たちが、治療の依頼を受けたのはソフィアお嬢様1人…」


「そもそも、この屋敷には1人娘しかいないと伺っておりますが…」


「……」


「きっと… セバスチャン(屋敷の執事)が気を利かせてくれたんだわ…」


「実はこの屋敷には、年の離れた私の妹がいるんです…」


「名前はエミリア…」



「ねぇ… エミリアちゃん…」


「なんかこの部屋暗くない!?」


「それに…」



「なんで壁一面に、青い… 人(・)み(・)た(・)い(・)な(・)の(・)が(・)描(・)い(・)て(・)あ(・)る(・)の(・)…?」



「……」


「この絵はね… パパとママ…」


「そして、お姉ちゃんと私なんだー…」


「へーっ…」


「みんな仲良さそうだね…」


「うん…」


「毎日夢の中で会ってて、すごく楽しいよ…」


「えっ… 夢の中…?」



「あの子、両親が亡くなってから…」


「変わってしまったんです…」


「前は、いつもニコニコして明るい元気な子だったのに…」


「今は、生気の無い物静かな子になってしまったんです…」


「それに…」


「あの子、夜中になると大声で暴れだしたり…」


「体中をぶつけてあざだらけなんです…」


「あんな小さな体が…」


「ボロボロになっていく様子を見ていくのはとても辛くて…」


「ソフィア様…」


「わかりました… 母さん…」


「うん… 治療してあげよう…」


「けれど、ソフィアお嬢様…」


「だとしたら、どうして、執事の方は2人分頼されなかったのか…」


「それに、お嬢様がおっしゃられた“セバスチャン(屋敷の執事)が気を利かせてくれた”という言葉に引っかかるのですが…」


「そうですね…」



「簡単に言えば、邪気が強すぎるといいますか…」



「安易に依頼して、お2人に何かあったら、取り返しがつかないと考えたのだと思います…」



「……」


「ソフィアお嬢様… ともかく、エミリア様の所へ案内してください…」


「はい… わかりました…」



「ねぇ… 凛ちゃん…」


「パパとママ好き…?」


「うん!!」


「エミリアちゃんは!?」


「私は好き…」



「だ(・)っ(・)た(・)よ(・)…」



「だった…?」


「……」


「わたしのパパとママね…」


「病気でね死んじゃったの…」


「そうなんだ…」


「確か… 心の病気だったんだって…」


「心の病気…?」


「うん… 体は健康なんだけどね…」


「心がボロボロになっちゃって…」


「2人とも、自殺しちゃったんだ…」


「……」


「エミリアちゃん…」



 シュウウ…………



 エミリアの体から黒い煙が出始めた。


「これは… 邪気!?」



 ぐすっ……



 エミリアは涙を流し始めた。


「どうじでなの!!!!」


「どうじで… パパとママは死んじゃったの!!!!」


「えっ… エミリアちゃん落ち着いて!!!!」



「!?」


「母さん!!」


「わかってる…」


「凄い邪気…」


「ソフィア様… 強い邪気を感じました…」


「恐らく、エミリア様の部屋からだと思われます…」


「私たちは、この邪気をもとにエミリア様の部屋に向かいますので…」


「ソフィア様は、危険ですのでご自身の部屋でお休みになっていてください…」


「……」


「私も、エミリアの部屋に向かいます…」


「おっ… お嬢様…」


「流石にそれは危険すぎます!!」


「お嬢様の身に何かあったら…」


「……」


「覚悟はできています…」


 スッ……


 ソフィアはその場で頭を下げた。


「お願いします… お2人の邪魔はしませんから、私もエミリアの元へ行かせてください!!」


「……」


「わかりました…」


「もし、危険を感じたら、真っ先に部屋を出てください!!」


「はい… ありがとうございます…」


 ーエミリアの部屋の前ー


「すごい… 部屋から邪気があふれ出てる…」


「あー…」


「幼い子供は感受性が強い…」


「だから、負の感情である邪気も強大になりやすい…」


「……」


 ゲホッ… ゲホッ…


「!?」


「ソフィア様!?」


「大丈夫です…」


「行きましょう…」



 バン!!!!



 ソフィアはエミリアの部屋の扉を開けた。


「エミリア!! 私よ!!」


 部屋中、黒い煙のようなもので充満していた。


「ウン… ダァーレー…?」


「えっ…」


 立ち尽くし、上を向いていたエミリアの体を黒い煙が覆っていた。


「何これ…?」


「これは… 邪気が体を覆っている…」


「それに、気術医じゃないソフィア様にも、見えるのか…?」


「……」


「ともかく治療を始めよう…」


「そうね…」


「エミリア様!! 気術医の者です!!」


「安心してください!! あなたを治療しに来ました!!」


「……」


「チリョウ…?」


「ワタシ… ビョウキナンテシテイナイヨ…?」


「違います!! 邪気の治療です!!」


「あなたの心の病を治療しに来ました!!」


「ココロノビョウキ…?」


「エミリア!! あなたはお父様とお母様を亡くしてから、ずっとその病にかかっているの!!」


「大丈夫!! 気術医の先生たちは必ずあなたを救ってくれるわ!!」


「パパトママヲナクシテカラ…?」


 エミリアの体から黒い煙が大量に出始めた。


 ぐすっ…


 エミリアは涙を流し始めた。


「ウワーーン!!!!」


「パパトママ二アイタイヨォー!!!!」



「該伯流気術…」


「祓(フツ)…」


 シュウウウ…


 凛の父親の両手から、煙が出始めた。


 スッ……


 その後、煙の出ている右手でエミリアの顔を覆った。


「よし… 少しづつ… 少しづつだが、邪気がエミリア様から離れていっている…」


「このまま、邪気を体内に吸収すれば何とか…」



「父さん……」


「!?」


「まさか…」



「凛!!」



 第61話 FIN

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