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第60話 ソフィア

未熟ながら精進して参りますのでよろしくお願い致します!

感想・レビューお待ちしております!

「私、行ってくる…」


「待て!! 凛!!」


「今のお前じゃ… 治療することは無理じゃ!!」


「……」


「そんなのやってみないとわからないよ…」


「それに…」



「もう… 邪(・)気(・)で(・)苦(・)し(・)む(・)人(・)を(・)見(・)た(・)く(・)な(・)い(・)ん(・)だ(・)!!」



 該凛は勢いよく該伯の家を飛び出した。


「……」


「行ってしまった…」


「あのー… 該伯さん…」


「さっき凛さんが言ってたことって…?」



 該伯は呼吸を整えた。


「凛には、優秀な気術医の両親がおっての…」


「その影響もあって、凛は幼いころから気術に強い関心を持っていたんじゃ…」


「あれは、10年くらい前かの…」


「凛の両親が、治療中に邪気に飲まれたのは…」



 ー10年前ー


「ねぇ… 父さん…」


「うん… どうした凛…?」


「明日の治療はうまくいくの…?」


「もちろん!!」


「けど、気術医が行う治療は少し難しいんだ…」


「1つ間違えたら、私たちだって命の危険が伴う…」


「だが… 心配はない!!」


「私には、母さんという優秀なパートナーがいるからな!!」


「……」


「ならよかった!!」


 ー翌日ー


「それじゃあ… 行ってくるよ…」


「凛、1人で留守番してるのよ…」


「わかった…」


 凛の両親は患者の診察に行った。


「うーーん…」


「暇だ…」


「そうだ!!」


「私だって、気術医の見習いだ!!」


 該凛はこっそりと両親の後をついて行った。


「うわー… すっごい豪邸…」


「お父さんたち、ここでお仕事してるんだ…」


「……」


「へへっ…」


 該凛は屋敷の裏口からへ回った。


「ふぅ… 玄関は人がいっぱいいたけど、ここなら…」


 該凛は裏口から、屋敷の敷地内に侵入した。


「よし!! 潜入成功!!」


「……」


「私だって、気術の勉強してるんだ…」


「絶対に邪魔はしないから、お父さんたちの仕事の様子を見せてもらお…」



「気術医様…」


「どうか… どうかお嬢様を…」


「大丈夫ですよ…」


「必ず、邪気は追い払います…」


「よろしくお願いします…」



 ーソフィアの部屋ー


「ここか…」


「今のところ邪気は感じられないわね…」



 コンコン……


「ソフィア様…」


「気術医の者です…」


「……」


「中に入ってください…」


 部屋の中から、か細い女性の声が聞こえた。


「失礼します…」


 ギーーッ……


「……」


「ようこそおいでくださいました…」


「本日はよろしく…」


 ゲホッ… ゲホッ…


 部屋の中には、ガリガリに痩せ、顔色が悪い女性がベットに座っていた。


「もう一度お聞きします… ソフィア様ですね…」


「はい…」


「あなた… ソフィアお嬢様の写真よ…」


 凛の母はポケットから写真を取り出した。


「これは…」


「全く別人みたいだ…」


「今の彼女からは、この写真のような幸せそうな姿は想像できない…」


「邪気によって、かなり精神が蝕われてるみたいだ…」


 凛の父はソフィアが座っている、ベットに腰かけた。


「ソフィア様…」


「まずは何点か質問させてください…」


「いいですよ…」



 それから、ソフィアへの問診が行われた。


「朝昼晩、食事はとれていますか…?」


「はい…」


「けれど、食事の後に必ず戻してしまうので…」


「ゼリーなどの流動食が多いですね…」


「そうですか…(やはり摂食障害を患っているのか…)」


「それでは、最後の質問です…」



「これから、治療を行います…」



「覚(・)悟(・)は(・)で(・)き(・)て(・)い(・)ま(・)す(・)か(・)…?」



「……」


「もちろんです…」


「早くこの地獄から解放させて下さい…」


「わかりました…」


「それでは体の力を抜いて、リラックスしてください…」


 ソフィアはベットに横になり、体の力を抜いた。


「よし…」


「それじゃあ始めるぞ…」


「わかったわ…」


 該凛の父は目をつむり、両手を合わせた。


「該伯流気術…」


「祓(フツ)…」


 シュウウウ…


 凛の父親の両手から、煙が出始めた。


 スッ……


 その後、煙の出ている右手でソフィアの顔を覆った。


「……」


 ゲホッ!! ゲホッ!!


 シュウウ……


 ソフィアの体から黒い煙が出だした。


「邪気が出たな…」


「母さん…」


「準備できてる…」


「よし…」



「該伯流… 気術…」



「吸(キュウ)!!!!」



 2人は思い切り息を吸って、邪気を体内に吸収した。


 ハァ… ハァ…


「邪気はソフィア様から離れたか…」


「……」


「おかしい…」


「!?」


「どうした母さん…?」


「いや…」


「さっき執事の人に聞いたんだけど…」


「ソフィア様が邪気に悩まされる出来事になったのは…」


「恐らく、両親の死…」


「人の死によって生まれた邪気が1番邪悪なはず…」


「それが、こんな簡単に追い払うことが出来たってことにちょっと引っかかって…」


「うーーん…」


「ともかく、ソフィア様から話を聞こう…」


 該凛の父親は、ソフィアの体を揺すった。


「ソフィア様… ソフィア様…」


「ん… んー…」


「もう治療は終わったんですか…?」


「はい…」


「けれど、引っかかることがありまして…」


「少し聞きたいことが…」


「……」


「お2方は優秀な気術医様ということを伺っております…」


「やはり、違和感に気づきましたか…」


「えっ…」



 ザッ!!!!



 ソフィアは勢いよくベットから起き、ベットの上で土下座をした。


「お願いします… 私(・)の(・)妹(・)を(・)助(・)け(・)て(・)く(・)だ(・)さ(・)い(・)!!」


「!?」


「どういうことです!?」



「お父さん!! お母さん!!」


「どーこだ!?」


「……」


「もーーう!!」


「一体何部屋あるのさ!!」


「こんなんじゃ、見つける前に日が暮れちゃうよ…」



「あれっ…」


「あなたはだーれ…?」


 該凛の前に、幼い少女が姿を現した。


「私… 私は凛!!」


「あなたは…?」


「私は…」



「エ(・)ミ(・)リ(・)ア(・)…」



「よかったら私の部屋で一緒に遊ばない…?」


「あー… いいよ!!(どうせお父さん達見つからないし)」


 2人は一緒にエミリアの部屋に行った。


 第60話 FIN

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