第51話 茶屋
未熟ながら精進して参りますのでよろしくお願い致します!
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グゥゥゥゥーー……
「あー… 腹減ったぁ…」
「確かに…」
「けれど…」
「こんな山の中じゃ、ご飯食べるところも何もないね…」
「くっそー… こんなんだったら病院食もっと食べておけばよかったぜ!!」
ハァ… 人の気も知らないで…
シン達は空腹に耐えながら、山の中を歩き続けた。
「シン見て!!」
「道があるよ!!」
「あー… でも、空腹でこの道を歩き続けるってのも中々大変だぞ…」
「見たところ、遠くに一軒家しかないし…」
「一軒家!?」
シンとマックスは全速力で走り、一軒家に向かった。
「見ろ!! マックス!!」
「団子だってよ!!」
「うん!! どうやら茶屋みたいだね!!」
ガラガラ……
「ごめんくださーい!!」
「はーーい!!」
茶屋の中には着物姿の女性が1人で接客をしていた。
「2名様ですね!!」
「どうぞ!!」
シン達は案内された席に座った。
「それじゃあ… 団子セット2つで!!」
「はい!! かしこまりました!!」
「いやー… 俺たちついてるな!!」
「ほんとだね!! まさかこんな山奥に茶屋があるなんて…」
「それに、さっきの店員さん…」
「めっちゃ可愛い…」
「なぁマックス!! あの子旅に連れてこ…」
バン!!!!
「団子セット2つお待ち…」
「どっ… どうも…」
「うちは、団子の持ち帰りはできるが…」
「娘の持ち帰りはしてませんので…」
料理を運んできた屈強な男はシン達を睨んだ。
「はっ… はい!!」
「うーん…」
「どうしたのシン…?」
「いやっ… 俺たちが目指している“仙妖山”って、実はもうそんなに遠くないんだ…」
「やっと… 俺の体が元に戻す方法を知れるかもって思うと…」
「嬉しい反面、少し不安なんだよな…」
「……」
「そういえば、もし体が元に戻ったら…」
「旅はどうするつもりなの…?」
「うーーん……」
「そん時考えるかな!!」
ガラガラ……
「いらっしゃいませ!!」
「……」
バタン!!!!
店の中で日除け笠をかぶった白髪の老人が急に倒れた。
「お客様…?」
「お客様!!」
「何だ!?」
「すっ… すまない… 水と何か食べ物を…」
「はい!!」
「いやーー!!」
「助かったわい!!」
「一時はどうなることかと思ったわ!!(団子おかわり!!)」
「急に倒れたんで、びっくりしましたよ!!」
「ワハハ!! かれこれ、5日ぐらいろくな飯を食ってなかったもんでな!!」
「……」
「ねぇ… シン…」
「あのおじいさん一体何者なんだろう…?」
「さぁ… ただの旅人じゃね…」
「ハハハ!! あー腹いっぱいだ!!」
「それじゃあ、お勘定…」
「あっ… しまった…」
「わし、今一文無しだ…」
老人は女性に向かってその場で土下座をした。
「すっ… すまない!!」
「必ず返すから、今日の代金は…」
「フフフ… いいですよお代は!!」
「えっ…」
「ねぇ… 父さん!!」
「はぁ、仕方ないな…」
「けれど、あんた1人を特別扱いするわけにはいかない…」
「今日は出血大サービスだ!! ここにいる客のお代は無料!!(1組しかいないけど)」
「えっ… マジかよ!!」
「やったね!! シン!!」
「すっ… すまない…」
「この恩は必ず返す…」
老人は再度頭を下げた。
ガラガラ……
「おい!! 2名だ!!」
「……」
「あっ…」
「にっ… 2名様ですね!!」
「どうぞ!!」
店の中には刀を腰に差した人相の悪い2人組の男が入って来た。
「ったく… 何だこの汚い店は!?」
「全くだ…」
「それに、団子ぐらいしか食うもんねぇじゃねぇか!!」
2人は大声で文句を言い続け、店の空気は最悪になった。
「すっ… すみません…」
「毎日綺麗にしているつもりなんですけど…」
「ああん!? 俺が間違っているっていうのか!?」
「いいえそんなわけでは…」
「ったく… 気い悪いな…」
「汚いって、ゴミ1つないじゃないか…」
「マックス… 多分あいつらは、悪質なクレーマーだ…」
「難癖付けて、文句を言ってるだけだ…」
「お嬢ちゃん… 団子セット2つ…」
「団子セット2つですね!!」
「俺たちはすごーーく腹が減ってるんだ…」
「すぐに持ってこい!!」
「はい!! わかりました!!」
2人組の男は団子を待つ間、ずっと大声で店の文句を言い続けた。
「お待たせしました!!」
「団子セット2つです!!」
「あーーん!? 遅かったじゃないか!!」
「すっ… すみません!!」
「まぁ… いいじゃないか…」
男の1人は団子を口に入れた。
「うん… これは…」
「マズい!!!!」
「これは人間の食うもんじゃねぇ!!」
「そっ… そんな…」
「おいおい… 嘘だろ…」
もう1人の男も団子を口に入れた。
「うん!! 確かにまずいな!!」
「お嬢ちゃん!! こんなもん俺たちに食わして、失礼だと思わないの!?」
「まっ… 待ってください!! この団子はうちの父親が丹精込めて作ってるんです!!」
「お味の方が気にならないのであれば、謝りますんで…」
「そういう問題じゃない!!」
「俺たちが欲しいのは誠意だ…」
男の1人は、立ち上がり、女性の顎を持ち上げた。
「ほぉーー… よく見れば結構美人さんじゃねぇか…」
「よし!! あんた、これからいい所に行って俺たちと遊ばないか!?」
「いいねぇ… そうしよう!!」
「いっ… 嫌です!!」
男は嫌がる女性の腕を掴み強引に引っ張った。
「待ちな!!」
「父さん…」
「うちの団子がまずかったってんだったら謝るよ…」
「本当にすまないことをした…」
女性の父親はその場で深く頭を下げた。
「だから娘を離してやってくれないか…」
「……」
「わかったよ…」
「ほっ… 本当…」
ズサッ!!!!
「!?」
もう1人の男は刀を抜き、女性の父親を切りつけた。
「ガッ…」
「とっ… 父さん…」
「ハハハ!! よくわかったなぁ…」
「ふっ… お前の考えてることなんてお見通しだ…」
「さぁ行くぞ…」
「いっ… 嫌だ…」
女性の顔から涙が流れた。
「もう我慢できない!! マックス、俺は行…」
「待ちな……」
「小童……」
「!?」
シンが立ち上がろうとしたとき、先に老人が立ち上がった。
「何だ… このじじい…?」
「娘さんを離しな…」
「じゃないと…」
「お主らを地獄に叩き落とすぞ…」
第51話 FIN




