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嘘のない心と、銀の指輪

第4話では、昨夜の「事件」の答え合わせから始まります。無自覚だった和樹が自分の行動を自覚し、二人の関係は一気に加速します。不器用で「怖い」と言われる山城先輩が、和樹の前でだけ見せる等身大の少女の姿、そして和樹の意外な一面に注目してください。

「……何のことだ?」

とぼける和樹に、山城はさらに詰め寄る。「昨日の夜、私にしたことよ!」

その言葉で、和樹の脳裏に昨夜の断片的な記憶が鮮明に蘇った。夢だと思っていたのは、すべて現実だったのだ。

和樹は一瞬フリーズしたが、すぐに観念したように山城を「お姫様抱っこ」で抱え上げ、ソファに座らせた。彼女を自分の膝の上に置いたまま、和樹は真剣な目で告げる。

「……悪かった。寝ぼけてたとはいえ、責任は取るつもりだ」

「せ、責任って……ただのキスで大げさよ!」

真っ赤になる彼女を見つめ、和樹は追い打ちをかけるようにもう一度、今度は深く唇を重ねた。

「……またやったわね!」

「謝らなくていいって言っただろ。……俺の『ベイビー』なんだから、これくらい普通だ」

「ベ、ベイビー……っ!?」

山城は顔を和樹の胸に埋めて悶絶する。あの「氷の女王」が、今はただの恋する乙女だった。

「……みんな私を怖がって、根も葉もない噂を流して嫌うのに。どうして君はそんなに優しいの?」

震える彼女の顎を持ち上げると、その瞳からは涙がこぼれていた。和樹は優しくその涙を拭い、耳元で囁く。

「時間は関係ない。俺は噂じゃなく、あんたの心を見て決めたんだ。……俺の彼女ベイビードールだからな」

「……じゃあ、私を連れてって」

「どこへ?」

山城は顔を赤くして和樹の頭を軽く小突いた。「デートよ!」

和樹の服を借りることになった山城は、寝室に籠もって45分も悩んだ末、オーバーサイズのシャツに身を包んで現れた。髪型も少し変え、相変わらず凛とした美しさだが、和樹の目には世界で一番可愛く映っていた。和樹自身も髪を整え、いつもより大人びた雰囲気を纏っている。

二人が向かったのは映画館。選んだのは最新のホラー映画だったが、観客たちはスクリーンの中の怪物よりも、隣に座る山城の冷徹なオーラに怯えていた。

しかし、いざ怖いシーンになると、山城は悲鳴を堪えて和樹の腕に抱きつき、思わず彼の手に噛みついてしまった。

映画館を出た後、和樹の手の甲に残る歯型を見て、山城は青ざめる。

「……ごめんなさい、誰がこんなことを」

「思い出せよ。……まあ、いいけど」

赤くなる彼女の手を引き、和樹は一軒のジュエリーショップへ向かった。

そこで和樹が選んだのは、小さなダイヤモンドが埋め込まれたペアリングだった。

「……これ、高いわよ。高校生の買うものじゃない」

不安がる彼女の腰をぐいっと引き寄せ、和樹は店員(少し怯えている)の前で堂々と言い放つ。

「心配すんな。あんたの心も、ちょっとした問題も、俺が全部埋めてやる。これは俺の金だ」

和樹は55,000円の会計を済ませると、彼女の指に銀色の輪を滑り込ませた。山城もまた、顔を赤くしながら彼の指にリングをはめる。

「……ねえ、和樹。あなた、そんなお金どこで……。一体、何の仕事をしてるの?」

和樹は少しだけ悪戯っぽく笑い、彼女の手を握り直した。

ついに「恋人」としての形を手に入れた二人。和樹の「責任を取る」という男らしさと、山城先輩のギャップ萌えが炸裂した回となりました。しかし、高校生にしては高価な買い物をさらりとしてのける和樹の正体とは……?

次回、和樹の秘密のバイト(?)と、学園での二人の関係の変化が描かれます。お楽しみに!

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