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母の温もりと、二人だけの甘い時間

第18話。クリスマスの余韻が残る中、和樹の母親が再び嵐のように現れます。実の母から拒絶された山城にとって、和樹の母の無条件の愛は、何よりも心の薬となっていました。そして、母親が去った後の二人きりの時間。少しずつ、けれど確実に深まっていく二人の親密な時間をお楽しみください。

クリスマスの翌朝、和樹の母が宣言通りアパートにやってきた。彼女は玄関を開けるなり、山城を見つけると真っ先に駆け寄り、力いっぱい抱きしめた。

「山城ちゃん、メリークリスマス! 昨日はよく眠れた?」

「……はい、お母さん。おはようございます」

実の娘のように頭を撫でる母の手の温かさに、山城の表情が自然と和らぐ。和樹は苦笑いしながら、二人の前に温かい茶を運んだ。

茶を飲み終えると、母は突然メジャーを取り出し、山城の体のあちこちを測り始めた。

「……お母さん、これ、何をしてるんですか?」

「ふふ、秘密よ。お正月のお年玉代わりに、私から素敵なプレゼントを贈りたくてね」

山城は不思議そうにしながらも、「ありがとうございます」と素直に微笑んだ。その後、母は山城を連れて再びショッピングへと出かけ、和樹は一人家で留守番をすることになった。

夕方、二人は大量の紙袋を抱えて帰宅した。その中には、山城が選んだ二人お揃いの新しいルームウェアも入っていた。

時計が6時半を回ると、母は急に慌てだした。

「あら、もうこんな時間! 用事を思い出したわ、私もう行くわね!」

「えっ、もう行くのかよ母さん」

「いいのよ、若い二人の邪魔はしないわ! 山城ちゃん、またね!」

嵐のように去っていく母を見送り、和樹が振り返ると、山城が嬉しそうに買ってきたばかりの服を広げていた。

「和樹、見て。これ、お揃いなの……」

楽しそうに話す彼女をじっと見つめていた和樹は、ふと彼女をソファへと押し込んだ。

「……わっ、和樹?」

逃げられないように両脇に手をつき、和樹は彼女を覗き込む。

「……今日一日、母さんに付きっきりで、一度もキスしてないだろ」

「……そんなこと気にしてたの?」

山城は照れくさそうに、けれど幸せそうに微笑んだ。

「……じゃあ、今して」

二人の唇が重なり、そのまま崩れるようにソファに倒れ込む。

「……これで満足?」

「ああ、生き返ったよ」

和樹は彼女の頭を優しく撫で、二人はそのままソファで重なり合うように眠りに落ちた。

夜の8時。先に目を覚ました和樹は、眠っている山城のために手早く夕食を準備した。

「山城、ご飯だぞ。起きろ」

半分夢の中にいるような彼女を抱き起こし、和樹は眠そうな彼女の口へ食事を運んでやる。山城はうとうとしながらも完食すると、そのまま吸い込まれるようにベッドへと向かい、秒速で眠りについた。

和樹は後片付けを済ませた後、寝室へと向かった。

隣で安らかな寝息を立てる彼女を引き寄せ、その温もりを感じながら、和樹もまた深い眠りへと誘われていった。

和樹の母の深い愛と、山城先輩の無邪気な一面が描かれた回でした。お揃いのパジャマを選んだり、食事を半分寝ながら食べたりと、山城先輩がどんどん「普通の女の子」として心を開いていく様子は、見ているこちらまで温かくなりますね。

次回、ついに年末年始。和樹の母が測った「サイズ」の正体が明らかになります。二人が迎える初めての新年、一体どんな出来事が待っているのでしょうか。お楽しみに!

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