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揺らぐ熱と、静かな体温

第14話。賑やかな一夜が明け、二人に訪れたのは少しだけ「大人」な雰囲気の朝と、不意に訪れた休息の時間でした。山城が見せる、和樹への絶対的な信頼と甘え。そして、彼女の小さな異変にすぐさま気づく和樹の献身的な姿を描きます。

翌朝。和樹が目を覚ますと、隣にはまだ深い眠りについている山城の穏やかな顔があった。

その額にそっと唇を寄せると、彼女は寝ぼけながら彼の胸に顔をすり寄せ、幸せそうに口角を上げた。

ふと和樹が身を起こすと、視界の端に彼女のシャツとズボンが床に脱ぎ捨てられているのが入った。

(……待て、俺、昨日そこまでしたか……?)

一瞬、心臓が跳ね上がる。彼女はもうすぐ18歳になるとはいえ、記憶が飛んでいるのなら一大事だ。和樹は恐る恐る掛け布団をめくった。

そこには、キャミソールと膝丈のスパッツ姿で丸まっている彼女の姿があった。

「……よかった、何もしてなかった」

安堵の溜息をつき、和樹は静かに部屋を抜け出して、リビングの片付けと朝食の準備を始めた。

キッチンで湯を沸かしていると、後ろから温かい感触が伝わってきた。

「……おはよう、和樹」

半分夢の中にいるような声で、山城が和樹の背中にしがみついてくる。

「おはよう。もうすぐお茶が入るぞ」

和樹がインダクション(電磁調理器)を切り、彼女の方を向くと、山城は両腕を広げて「抱っこ」のポーズで彼を見上げた。

和樹は苦笑しながら、彼女を子供のように軽々と抱き上げた。山城は彼の肩に頭を預け、安心しきった様子で目を閉じる。

ふと、和樹が悪戯心で彼女のお腹のあたりを指でくすぐると、山城は「ふふっ……やめてよぉ」と、とろけるような甘い声で笑い声を漏らした。

ソファに彼女を下ろし、マグカップを手渡すと、山城はそのまま和樹の膝の上に陣取った。

「今日はなんだか、わがままな奥さんみたいだな。何が欲しいんだ?」

「……あなたがいい」

上目遣いで、とんでもなく愛くるしい表情を見せる山城。和樹が照れ隠しに彼女をからかっていると、隣の部屋から和泉と沙羅が目をこすりながら出てきた。

「なんだよ、朝から賑やかだな……」

「和樹、あんまり先輩をいじめないでよね」

二人が自分たちの茶を淹れながら呆れたように言うが、和樹は山城の様子に違和感を覚えた。いつも以上に体が重そうで、肌が少し火照っている。

「山城、ちょっとじっとしてろ」

和樹が彼女の額に手を当て、首筋に指を添える。

「……やっぱりな。少し熱がある」

内側に籠もるような熱。昨日の疲れと緊張が解けた反動かもしれない。和樹は手際よく薬を取り出し、彼女に飲ませた。

「今日は一日ゆっくりしてろ。な?」

山城は薬を飲むと、返事をする代わりに和樹の腕をぎゅっと握りしめ、彼の膝の上から離れようとはしなかった。

和樹の早とちりから始まった朝でしたが、山城先輩の体調不良というハプニングが発生。和樹の「彼氏力」が試される展開となりました。甘えん坊になった彼女を、和樹はどう看病するのでしょうか。

次回、和泉と沙羅の協力(?)を得ながら、山城先輩を元気づけるための特別な休日が始まります。二人の絆がまた一つ、深まる予感です。

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