第124話【テスト】
TIPS【魔法使いの中には一級の力量が有っても試験を受けずに
四級のままの魔法使いも少なくない】
「れ、歴史のテストじゃと!?」
長老は狼狽した、魔法に関する知識は誰よりも自信が有る。
だが魔法の歴史に対する知識は高くない、我々にとってみれば普段何気なく使う
鉄や紙の製造者の名前を答える、と言う様な物である。
魔法の歴史には製造者の名前は判明しており歴史書にも載っているが
長老は技さえ覚えてしまえば事足りると言う考え方から詳しい歴史に関しては
無頓着である。
しかし長老の世代では歴史等はおざなりにされていた考えなので
長老の責任では無い事は長老の名誉の為に記しておこう。
「また、今回こちらから筆記用具は支給しません、各自の筆記用具で記載願います」
「し、しまったぁ!!」
バーベナムは己の不備を呪った。
こんなペーパーテストは今まで無かった為、筆記用具等は用意して来なかったのだ。
だがしかし自身も用意して来なかったのだ、周囲も・・・
ガチャガチャと各自、筆記用具を出す受験生達。
「ば、馬鹿なぁ!!」
バーベナムは普段狩等を行い山で暮らしている為、筆記用具を持ち歩く習慣が無かった。
街で暮らす者ならば筆記用具は持参するのだ。
「くっ・・・質問が有る!!」
「はい、何でしょう」
「書ければ筆記の手段は何でも良いか!?」
「はい、構いません」
「ならば・・・うおおおおおおおおおおおおお!!」
バーベナムは自分の頭を机に叩きつけた!!
「な、何をしている!!」
試験官が慌てて止めに入る。
「血で書くしかねぇ!!」
シュタ、とバーベナムの前にペンが突き刺さる。
「!?」
「うるさいのでペンを貸す、と言うのはアリですか?」
ヴェンデスが試験官に尋ねる。
「・・・問題無い、認めます」
「ヴェンデス・・・一個貸しだぜ!!」
「あぁ、だから解いてくれ、解ければの話だが・・・」
ヴェンデスは問題と向き合う、筆記試験は4,5年前にも有った問題なので
歴史等の魔法とは直接関りの無い学問もきっちり押さえている。
(・・・恐らくここで半数以上は落ちるだろうな・・・)
ヴェンデスはそう確信する。
座学よりも実戦形式で行う事が多い昇級試験、座学を学んだ者がどれだけ居るだろうか?
バーベナムも怪しいが、幸いにも全て1~4まで選択肢から答えを選ぶ選択問題
自由筆記形式なら一次試験は合格率一割までに下がるだろう。
(合格者が減るのが吉と出るか凶と出るか・・・)
それは誰にもまだ分からない。
TIPS【因みに神州進撃会のギルドマスターは四級魔法使いだが
実力は一級以上と見積もられている】




