第122話【誰だっけ?】
TIPS【一般的な魔法使いが喰って行くには
三級程の力量が有れば事足りる】
ヴェンデスは二級魔法使いの試験会場にやって来た。
試験会場は主に都の魔法使い認定協会で行われる。
「・・・・・」
ヴェンデスはこれまでの八年間を想起していた。
「長かった、な」
一筋の涙を流し今、ヴェンデスは試験会場へと足を踏み入れる。
試験会場の中はごった返していた、見知った顔も何人も居る。
「よぉヴェンデス、よぅ来たの」
「長老」
彼は通称長老、本名は定かでは無い、確か物凄い長くて本人にも覚えられないらしい
元は二級魔法使いだったが制度変更により三級に降格し
二級へと上がれない老魔法使いである、二級審査三浪中である。
「よぉフルヒッター」
「バーべナムか・・・」
筋骨隆々の男が話しかけて来る、彼はバーベナム、通称撲殺魔法使い。
補助魔法で自身を強化して殴ると言うシンプルな戦術を取る。
その実力は二級魔法使いにも匹敵すると噂されるが二浪中である。
フルヒッターと言うのはヴェンデスの仇名である。
「今回は如何だ?目新しいルーキーはいるか?」
「おう、三人程居るぜ?まずは純銀のセレスタ」
バーベナムが指差した先にプラチナブロンドの長髪の麗しい女性が居る。
「既存の物とは違う妙な魔法を使うらしい」
「ほぅ固有魔法って奴か・・・俺には縁遠いな」
「フルヒッターでも厳しいかい?」
「あぁ・・・俺には固有魔法を生み出せる力量は無い様だ」
「そうか・・・」
「それで他には?」
「パンプロ・ブラザーズだ」
指を指した所には長身の男性とその半分位の背丈の子供が居た。
「パンプロは前の試験にも居なかったか?」
「弟も参加する、弟は前の試験の時は年齢制限で二級試験には入れなかった」
「儂が二級になった頃には年齢制限等無かったのに・・・嘆かわしいのぉ・・・」
「まぁまぁ長老、時代の流れって奴ですよ」
「そうじゃのう・・・昔ほど慌てて出世しなくても魔法使いは食っていける世の中になったしな」
「それで三人目は?」
「三人目は魔騎士アキラ」
バーベナムが指差した先に居た騎士の恰好をした青年が
ヴェンデスに気が付き近付いて来る。
「久しぶりだな、ヴェンデス」
「知り合いか?」
「いや、知らない」
アキラは一瞬信じられないと言う顔で硬直した後に・・・
「ふ、ふざけんな!!お前九年前の約束忘れたのか!?」
「・・・全く記憶にない」
「お前なぁ!!」
TIPS【二級魔法使いの合格率は1%】




