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第四話

(GL小説ではありません。断じて違います。)

突然の事にうろたえる私。

ウィルに救いを求める。

「ウィル、私何かまずいことしちゃった?」

問い掛けに、ウィルはただ無言で首を横に振る。

だ、だよね…?私、何もしてないよね……………?

私まで泣きそうなんですけど。

見兼ねてウィルが頭撫で撫でしてくれた。ありがとう。

父様がそれを見て歯ぎしりしていた。おさえてくれ。

泣き止んできた侍女さんが、ふいに声をかけてきた。

「お嬢様っ………!」

声をかけられあらかさまにビクつく私。ウィルが背中ポムポムしてくれた。世話かけるね。

「お嬢様が、使用人に気遣いしてくれるなんて、私感激です………!」

そんなことで泣いてたの!?

「旦那様が甘やかされるせいで、自己中心的な人になりつつあったので、私達もう不安で不安で、どうしようかと思っていた所だったんです………!」

執事さんまで!?

「良かったですお嬢様あああああ!」

がばあ!と抱き着かれる。咄嗟にウィルを突き飛ばしておいて良かった。

わんわん泣いてる侍女さんをよしよしと撫でながら考えた。

幼少期からこんなに心配されるほどやらかしてたのか私………!

記憶はレイラが感じたまま残っているので、わからないことも多いんだけど………。

こんだけ言われるんだから少しは気づこうよ!

記憶の中にはその片鱗すらない………!

もし記憶が戻らなかったら、このまま成長することになってたって事だよね……?

そうなってたら、いったい何人の胃に穴を空ける事となってたんだ。

思っていたよりクズ度が高そうなレイラ。本当に記憶戻って良かった……!

「えっと………お嬢様。お見苦しいところを見せました。申し訳ございません。」

我に返ったのか、恥ずかしそうにしながら謝る侍女さん。

なんとも可愛らしいその姿に、自然と行動を起こしていた。

「いいえ。むしろ謝るべきは私です。こんなに愛らしい貴女のその瞳を涙に濡らしてしまったんですから。嗚呼、過去の私はいったい何をしていたのでしょう。貴女のお名前さえお尋ねできなかったなんて。愛らし過ぎる貴女を前に言葉を失ってしまった私をお許し下さい。叶うことなら、お名前をお伺いしても?美しいプリンセス。」

そういって侍女さんの髪に手を入れ、そっと口づける。

そして、そっと上目遣いで微笑む。

「あ、え、えっと、リタ………です。」

「リタ。名前までも愛らしい。」

侍女さんは、さらに顔を赤らめ、目を潤ませた。

「リタ。今までの愚行、お許し下さい。」

「は、はい………。」

私は、リタの頬に手を滑らせる。

「それと、そのような表情はやめてほしい。貴女の美しさに加え、そのようにされては私……………

我慢、できなくなってしまいます………。」

そう言って、顔をゆっくり近づける。

「ふあああぁぁぁ。」

ぷしゅーと音がし、そのあと失神したリタを見て、

我に返った。

恐る恐る振り返ると、

衝撃を受けた様子の三人が見えた。

やってしまったあぁぁぁぁぁ!!

ここに来て前世の悪癖が出てきたよおぉぉぉ!!

誤解してほしくないので言っておくが、前世はれっきとした女の子だ。ピチピチJKだ。

ただ、周りがちょこっとだけ特殊だった。

五人兄弟のうち女子は私一人だけ。

女の子らしく育つわけがない。

家族の中で数少ない女の子の私を過剰なまでに溺愛し、できるだけ自分で自分を守れるようにと、いろいろな武術を私に仕込んできた兄弟達。そんな中で育つと、男友達は増えたが、女の子の友達はできなかった。

そして、想いが爆発した。

「こんなむさ苦しい所でこれ以上暮らしたら女の子達にお近づきできない!可愛い女の子に囲まれて暮らしたい!!」

そう言って、全寮制の女子高に通うことを決めたのが、中三の秋。

見事合格し、兄弟達と離れる事ができ、安心した。

これで女友達ができる!!

しかし、現実はそう甘くなかった。

まず、女の子の扱いはどうすればいいかわからない。

女の子は繊細な生き物だと兄に教わった。男友達に接するのと同じにする訳にはいかない。

ふと、いつも女の子に囲まれている弟を思い出した。そうだ。弟のマネをすればいい。

そう思って行動すること一ヶ月。

下駄箱にはラブレター。廊下を歩くと熱い視線。寮のルームメイトから襲われそうになるたび、部屋を転々として、一人部屋に落ち着いたとき、気づいた。

何かがおかしい。

しかし気づいた時にはもう遅く、私は女子高の王子様へと君臨していた…。

女の子への正しい接し方を学ぼうとするも、その前に事故った。

なので今でも、自然にああなる。

お前、何してんでだよ?という視線をビシビシ感じるね。はい。

「ええと、何と言うか………。癖、ですかね?」

あは。

「レイラ!私の知らぬ間に何があったのだ!?こんなことなら仕事放棄してでも会いに行くべきだった………!」

やばい、父様発狂しかけてる。

ていうか仕事放棄はしないでよ。路頭に迷う。

「レイラ様。先ずは、常識というものから勉強して行きましょう………?」

執事さん。ごめんなさい。これからも苦労かけますね。

父様と一緒に、勉強のスケジュールを真剣に話し合ってるよ。いやはや、ほんと申し訳ない。

「レイラ。」

振り返ると、ウィルがいた。

可笑しそうに笑いながら、こちらを見ている。

………うん。無表情がデフォだったけど、こっちの方がいいな。

「レイラって、本当面白い。」

そりゃあようござんした。

「改めて、これからよろしく。」

手を差し出し、微笑んだウィル。

しっかり握手して、私も言った。

「こちらこそ、よろしく。」


こうして、平穏でいたいのにできない、ドタバタな日々が始まるのでした。


………………やっぱり、最初からやり直せませんか?

次回は番外編です。

大まかな話が終わったらちょこちょこ入れていこうと思っています。

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