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忠誠と騎士と弓道少女







「お前の名は今より、シエルとする。」






そう告げた王様の隣でキャロルが微笑む。


今までフワフワとした心が、居場所を見つけたかのごとく落ち着いたのを感じた。




「……シ、エル、…………シエル。」

「お前には勿体無い名だな。」

「なっ何をぅ!?」



せっかく、仮ではあるが自分の名前ができたのを噛み締めていたのに!!

掴みかかるべくドレスを無視して乗り出そうとすると、スッと剣を引き抜く天パ。


えっ、何、武器は卑怯よ!?ごめん、ごめんなさい私が悪かった!!

ビクビクと目を瞑る私の前でガシャンと音が鳴る。


「……へ?」


ソロリと目を開けると、

煌めく剣を額にかざしながら片膝を着く騎士がそこにいた。


「な、なに?急に。」

「本日より、シエル様の命は我が身に替えても守り抜くことを誓います。」

「へ?」

「忠誠を。」


そう言うと、私に細身の剣を横向きに差し出す。

この前森で私を脅したものとは大分違う、初めて見る装飾の美しい剣。


そして男の表情も、初めて見るものだった。


「ぇ、何?どうすんの?」

「剣を受け取って両手で持て。」

「は?」

「早く。お前には重いから気を付けろよ?」

「ぇ、ぁ、ぅん。」


両手で受け止めたズシリとくるそれは、きっと剣の重さだけではないはずだ。

騎士の命みたいなものでしょ?剣って。

この儀式の重要さが、目の前の琥珀色の瞳を見れば分かる。



「持ち手をしっかり握って、右肩左肩の順に剣先を触れさせろ。」

「こ、こう?」


カチンッと鎧が鳴る。まるで契約の鐘の音のように。


「次は俺の頭にかざしながら、俺の名を言え。」



恐る恐る、膝まずく騎士の頭上にかざす。

かざした剣に私が映り、その向こうには見上げる二つの綺麗な瞳が見えた。



「我が騎士ゼルディ=ライトニングと、王の御前で宣言しろ。」






息をのむ。

この宣言は、果たしてして良いことなのだろうか。


彼にとっても、私にとっても。



でも迷ってなんかいられるわけもなく、忠誠を誓ってくれた騎士が目の前に居てくれている。

先程までのからかう態度は皆無。それゆえに本気で誓ってくれているのだと感じる。




震える喉が、音を紡いだ。




「ゼルディ=ライトニング。我が騎士と、ここに宣言します。」





私がすべきことは、この騎士に礼を尽くすことなのだと、そう思ったのだ。


その言葉を聴いて、私の騎士となった彼、ゼルディは私を射抜いていた視線を伏せ、恭しく頭を垂れる。




「永遠の忠誠をあなた様に誓います。」





王が見守る中でのその姿は、神聖なものに思えて、


この時間が続けば良いのにと、






少しだけ考えてしまった。














今度から御礼などは、活動報告の場でさせていただきます。

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