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ガンダム・ビルドファイターズif(インフィニティ)  作者: Omoti
目指せ地区大会 始動編
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いざ!公式大会へ!




放課後の鳳進高校。


西日が差し込むガンプラ同好会の部室には、今日も工具の音が響いていた。


ニッパーがランナーを切り離す音。


ヤスリが装甲を整える音。


エアブラシの駆動音。


それらはすっかり、この部屋の日常になっていた。


だが今日だけは、いつもと違う空気が流れている。


明日。


模型店主催のショップ大会。


ツバサたちにとって初めての公式大会だった。


「ついに明日だな!!」


リュウヤが勢いよく立ち上がる。


「燃えてきたぜー!!」


その隣で、ツバサはアブファールトの肩部パーツを手にしたまま、小さくため息をついた。


「ぼ、僕……ちゃんと戦えるかな……」


「またそれか?」


「だ、だって……公式大会なんて初めてだし……」


「負けたらどうしようとか……」


向かい側でティタルニアの調整をしていたハルノも、そっと視線を下げる。


「……わたしも少し怖いです。」


「えぇー!?」


リュウヤは大げさに肩を落とした。


「二人とも考えすぎだって!」


「負けても死ぬわけじゃねーんだから!」


「楽しんだもん勝ちだろ!」


その言葉にツバサは苦笑する。


相変わらずのリュウヤだった。


悩むより先に前へ進む。


だからこそ、自分は彼に憧れたのかもしれない。


その時。


部室の扉が勢いよく開いた。


「みんなー!差し入れよー!」


顧問のユリだった。

両腕いっぱいにお菓子の袋を抱えて来た


ユリは机にお菓子を並べながら笑った。

「さぁ、初めての大会なんだから糖分補給!私からの必勝祈願だよ!」


「さすがユリちゃんだせ!」

真っ先に飛びつくリュウヤ。


「もう、リュウヤくんたら、ふふっ」

ハルノが笑う


「まったく、リュウヤは軽いなぁ……」

ツバサは思わず笑ってしまった。


部室の緊張した空気が少しだけ和らいでいく。


夕方。


みんなが帰った後、部室にはツバサだけが残っていた。


机の上にはアブファールト。


スマートフォンの画面にはOMTi。


『緊張状態ヲ確認』


無機質な文字。


だがツバサには、それが不思議と優しい言葉に思えた。


「僕……勝てるかな。」


少しの沈黙。


そして。


『勝率ノ計算ハ不可能』


『積ミ重ネタ作業時間ヲ確認済ミ』


『努力ハ記録サレテイマス』


ツバサは小さく笑う。


「ありがとう。」


返事はない。


それでもOMTiはそこにいた。


帰り道。


三人は翌日の会場となる模型店へ向かった。


店内には既に多くの参加者たちが集まっている。


高校生。


中学生。


社会人。


ショーケースに並ぶガンプラの完成度は高かった。


「すげぇ……」


リュウヤが感心する。


ツバサは思わず息を呑んだ。


その時。


近くにいた店員が話しかけてきた。


「参加者の方ですか?」


「はい、あの…実は初参加なんです、ガンプラも最近始めたばかりで…」

ツバサは不安そうに言う


「そうですか…ですが初心者だからと言って負けるとは限りませんよ?大会、楽しんでくださいね」


店員の言葉でツバサの不安は少しだけ和らいだ


「っ…は、はい!ありがとうございます!」



「ツバサくん、ガンプラが好きなら……経験だけじゃないと思います、わたしやリュウヤくんも頑張るから!」

ハルノも不安ながらにツバサを励ます


「へへっハルノも言うじゃんか!」

リュウヤが笑う。


ハルノは少しだけ頬を赤くした。


「……わたしも初めての事ばかりで不安だけど…2人と一緒なら大丈夫って思えるの。」

ツバサは隣の彼女を見る。


普段は大人しい。

でも、本当に大事な時にはちゃんと前に出る。

そんな強さを、少し羨ましく思った。



夜。


リュウヤは自宅で必殺技の練習をしていた。


「シャイタンタックルゥゥ!!」


「あんた何時だと思ってるの!!うるさいわよー!」

母親の怒鳴り声が飛ぶ。




ハルノは自室の窓辺でティタルニアを静かに磨いていた。


淡いエメラルドの装甲に月明かりが落ちる。

ハルノは肩部装甲を優しく撫でた。


「……明日、頑張ろうね。」


月明かりが反射をする

まるで返事をするように。




そしてツバサ。


机の上のアブファールトを最後に点検する。


塗装。


関節。


武装。


異常なし。


スマートフォンの画面が光る。


『機体状態 良好』


『準備完了』


ツバサはガンプラケースを閉じた。


「明日、一緒に頑張ろう。」


窓の外には夜空。


不安はまだある。


恐怖もある。


それでも。


明日へ向かう覚悟だけは決まっていた。


翌日。


快晴。


休日のガンプラショップ前に集合していた


「よーし!! 優勝するぞー!!」

リュウヤが拳を突き上げる。


「まず一勝を……」

ツバサはギュッと拳を握る。


「わたしも……がんばります。」

ハルノは小さく気合いを入れた


そこへ駆け寄ってきたユリが大きく手を振る。

「3人共!先生も応援に来たわよー!」


「先生!!」

「ユリちゃん!!」



その時。

入り口横に立つ一人の男子。


イヤノ・マコトだった。


「へぇ……オマエらも出るんだ、せいぜい一回戦負けしないことだな?まっ、ヒヨッコのお前ら3人じゃ無理だろうけどな!!」



ツバサの胸が少しだけ痛む。


以前の敗北。


悔しさ。


恐怖。


だが今は違う。


仲間がいる。


支えてくれる人がいる。


そして、自分の作ったガンプラがいる。


(今の僕なら……)


(少しだけ、前に進める気がする。)


青空の下。


四人は大会会場へ向かって歩き出した。


彼らの初めての公式戦が、もうすぐ始まる。

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