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帝国潜入

「たまには空を飛ぶのも悪くはないわね」


 グリフォンの上でエリーが上機嫌につぶやいた。

 俺も同意するようにうなずく。


「そうだな」


「きゅいっ!」


 俺が答えると、ワイバーンのドレイクがうれしそうに鳴き声を上げた。

 こうして俺が一緒にいるといつも嬉しそうにするんだよな。


 俺たちは今、帝都の首都に向けて空を飛んで移動していた。


 シェイドのダンジョンでいければ一番楽なんだが、行ったことのない場所にダンジョンの入り口を作ることはできないからな。

 だからこうして移動してるんだ。


 ちなみにシェイドはもう1匹のグリフォンにまたがっている。

 パンドラは腕輪になって俺の腕にハマっていた。


 最初はいつもの褐色少女の姿になって俺と一緒に乗りたがったのだが、エリーに睨まれると震えながら腕輪になって俺の方に逃げてきた。

 あんまりいじめないでやってくれよ……。


 ちなみにシャルロットはドレイクのかぎ爪につかまれている。

 ひとりだけ荷物みたいな扱いで運ばれているんだが。


「あぁ……まるで家畜のような扱い……いえ、いっそドラゴンに捧げられた生贄のよう……うふふ」


 なんか下の方から悦ぶような声が聞こえてくる。

 俺からはどんな風になっているのか見えないんだが……。

 まあ本人が喜んでいるんだからいいのかな。




 俺たちが帝都に向かっているのは、もちろん俺たちの最終目標、帝都との戦争を止めるためだ。


 すでにすべての準備は終えている。

 あとは帝都に潜入するだけなんだが。


 シャルロットのモンスター軍団を討伐したことで、帝国軍はすでに出発してしまっている。

 そしてモンスターの残党を始末するためとか、なんだかんだ理由をつけてまだ帝都に戻っていないらしい。

 その理由はもちろん明白だ。


 しかしその動きは聖王都にも伝わっている。

 聖王都側も、モンスター討伐支援の目的で軍を派遣していたとのことだった。

 暗殺者たちの活躍により予想以上に早く撃退されてしまったが、やはりなんだかんだと理由をつけて駐屯しているらしい。

 いちおう周辺のモンスター討伐とのことだった。


 帝都軍と聖王都軍が力を合わせて周辺のモンスターを一掃している。

 もちろんそれは建前で本当の目的は別だろうが、それでも一応はちゃんとモンスター退治はこなしているらしい。

 おかげで、モンスター討伐のクエストで生計を立てていた冒険者たちは仕事が激減して困っているとのことだった。

 そこまではさすがに俺にもどうしようもなかった。

 すまんとしか言えない。

 すまん。


 やがて空の上から地平線の向こうに巨大な街が見えてくる。

 要塞都市ダゴンもかなり大きな街だったが、帝都の首都はそういうレベルじゃなかった。


 まだ地平線の向こうにうっすらと見える程度だが、それでもその大きさは十分に伝わってくる。


 なんだろうなこれ。

 ここまでくると、ひとつの島だ。

 巨大な壁に囲まれ、内側にはたくさんの建物が並び、中央には大きな城が建っている。

 帝都の発達具合がよくわかるな。


 城壁の上には、遠くてよくわからないが大砲のようなものも見える。

 噂だと帝都の大砲はただの鉄球を飛ばすのではなく、中に魔力が詰められた魔力砲弾を放つらしい。

 本当かどうかはわからないが、暗殺者たちはシェイドすらも動きを封じる魔法陣を開発していた。

 強力な砲弾を開発しててもおかしくないか。


 とりあえず地面におり、ここからは徒歩で向かうことにする。

 ドレイクたちを見られたくないからな。


 モンスターテイマーだって言えばワイバーンを使役していること自体はそう問題はないとは思うんだが、ステータスを見られたらテイマーじゃないことはすぐにわかるからな。

 余計なリスクは侵したくない。


「ここまでありがとうな」


 地面に降りてドレイクの首をなでる。


「きゅぃい……」


 物悲しい声が胸を締め付ける。

 うう……。すまない。俺だって別れたいわけじゃないんだ。


 シェイドにダンジョンを作ってもらい、その中にドレイクとグリフォンたちを隠れさせる。

 帰りはまたドレイクたちの力を借りると思うからな。

 その時までの辛抱だ。


 そうして俺たちは帝都への道を歩きはじめる。

 まっすぐな道で、特に問題となるような所もない。

 やがて巨大な城門が見えてきた。


 城門前には完全武装の門番も見える。

 あそこを抜ければ、とうとう帝都内部に入ることになる。


 俺は少しだけ緊張するのを感じながら、城門へと近づいていった。

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