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両親は悪役貴族、娘の私は悪役令嬢…よね?  作者: 葦原 さくら
第三章
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可愛い妹04

部屋に入ると、子守り役のメイドが私たちに頭を下げ、部屋から出ていった。

ベビーベッドに寝かされている、クリス様。

私の義理の妹になるのだけれど…可愛い。

なにをおいても、この一言に尽きるわ。

赤ちゃんが天使だと言うのは、本当なのね。

白のベビーベッドに白のベビー服を着ているクリス様は、この世に舞い降りた天使そのもの。


(あぁ、この可愛らしさを表現出来ない私を許して下さい、クリス様!)


天使のように可愛らしいとだけ、言わせて下さい!

そんな私の思いを知ってか知らずか。

クリス様の円らな瞳で見られ、私のハートは射抜かれた。


(はぅあぁぁぁ!クリス様(天使)が、私に微笑んでいらっしゃる!)


クリス様が私に向かって両手を伸ばしている。

可愛く小さな手に右手を差し出すと、両手できゅっと掴まれ、まんべんな笑顔を向けて下さった。


「クラウス様、クリス様が可愛らしいです。愛らしいです。私の妹にしたいです」

「うん、ちょっと落ち着こうねアリス。もう、君の妹みたいなものじゃないか。義理の、だけどね」


…そうですけど! そうなんですけど!

内心荒ぶっている私には、落ち着ける要素は全くない。

寧ろ、興奮状態のままです。

クラウス様のお小さい頃も、きっと天使だったに違いない!

同じマリア王妃様とシャルル国王様のお子だもの、それに…睫毛の長い所が似ているの!

クリス様とクラウス様は!

成人なさる頃は、きっと美人になっていらっしゃるだろうな…クリス様。

クラウス様は、この国一のイケメンで間違いない。

王妃様と国王様は美男美女だものね。

王宮の執事さんもメイドさんも、美男美女。

…フリードリッヒの事は、どうしたものかしら。

あまり人の事を悪く言いたくも思いたくもないのだけれど、悪役令嬢として振る舞おうと決意した以上、そんな思いも捨て去ろう。

クラウス様は仲良くして下さって居るから、私の話は聞いて下さる筈。


「クラウス様、私…噂通りに振る舞おうと思います」

「“噂通り”…。あぁ、レオナルドにでも聞いたの?シスコンは口が軽くていけないな」


…聞き間違いかしら?

クラウス様がレオ兄様をディスったように聞こえたけど。


「心無い貴族が流した噂に、尾ひれが付いてね。我儘三昧で、性格が捻じ曲がっていて。僕との婚約も、脅してなったって。――本当に、馬鹿な事を言うよね」


クラウス様の後ろに般若が見え…。

うん、その噂を流してる犯人が知りたいわ。

クラウス様が怒るなんて、よっぽどだもの。

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