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両親は悪役貴族、娘の私は悪役令嬢…よね?  作者: 葦原 さくら
第二章
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顔合わせ07

上のお兄様…流石に名前を呼ばないでいるのは失礼か。

上のお兄様である、レオナルドお兄様。

…長いからレオお兄様と呼ぼう。

レオお兄様に、クラウス様と王妃様の事を聞いてみた。

お父様の方が知っているだろうとは言いつつ、自分の知っている範囲だけどと言って教えてくれた。

何故、クラウス様と王妃様の仲が悪く見えるのか。

それは…王妃様が一年程前に、原因不明の大熱で倒れられてかららしい。

それまではおおらかな人だったのに、起きてから何故か今のような棘のある、母親として冷たく当たられているのだとか。

クラウス様も、回避術として笑顔で応戦するようになったとかで。

…母親の態度が大きく変わるだけで、子供の不安や悲しみなどを表に出す事もなく過ごされているクラウス様は、お兄様に聞いた通りになるのは仕方ないのではないかと思ってしまう。

…婚約者としてだけでなく、一人の女として、クラウス様を支えていかなくては。

身体は五歳でも、中身は良いおばさんなんだから。


(…真面目に取り掛からなくては。王妃様に負けてはいけないのだから!クラウス様の子供らしい笑顔を、もっと出来るように!)


それからの私は、王太子妃になる為の下準備に取り掛かった。

婚約者として決まったものの、王妃様の態度次第では破棄されても仕方ない。

国王様やクラウス様から望まれた婚約(になったのだとお父様に聞いた)けど、安心はしていられない。

なにがなんでも、堪えてみせるんだから!


「アリス、大丈夫か?」

「大丈夫ですわ、お兄様。…お父様の悪役貴族としての話を、もう一度聞かせていただけますか?」


レオお兄様は渋い顔をしていらっしゃる。

五歳の私に、話すべきではないと考えているんだろうけど。

私はそれを聞かなければならない。


「子供のアリスに、本当は話すべきではないんだ。だが…いずれ知るなら、私の口から知った方が良いのかもしれないな。…父上が宰相の地位に就いた経緯は、聞いているな?」

「はい。…それと関係が?」

「あぁ。下位の貴族共が噂を流しているんだ。父上の地位を僻み妬み嫉む奴等が、ルーテシア公爵は金を積んで地位を手に入れ、あまつさえ悪行三昧だとな。…この噂を聞いた時、殺意を覚えた程だった」


…下位と言えば、男爵や子爵などの地位に居る貴族ね。

上から公爵(こうしゃく)侯爵(こうしゃく)伯爵(はくしゃく)子爵(ししゃく)男爵(だんしゃく)

此方(こちら)がなにも言わないから、付け上がっているのね。

…何処の誰が言っているのか、確認を取らせなければね。

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